野路由紀子
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酔えなくて – 野路由紀子
未練おさめの 口吻(くちづけ)受けて今日が別れの 筈でした恋はこころの 雨降り川ね深くなる程 戻れないごめんなさいね 引き止めてあなたが酔っても 酔えなくて ひとり乱れた おくれ毛かんで背中見送る 筈でした恋はこころの 雨降り川ね涙激しい 渦になるごめんなさいね 泣けそうであなたが酔っても 酔えなくて あなた命よ 今夜もわたし燃えて抱かれる 筈でした恋はこころの 雨降り川ね胸の水かさ 増してくるご…
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私が生まれて育ったところ – 野路由紀子
私が生まれて 育ったところはどこにもあるような海辺の小さな 港のある町よかもめと遊んで かもめと泣いた幼いあの頃に もどりたいもどりたい もう一度男に捨てられた 泣かされただまされたそんな私が そんな私がばかに ばかに見えるでしょう大人の世界を知らない頃にもどってみたいけどむりかしら むりなのねいやになっちゃうわ 私が今度は 生まれてくる時男に生まれたい泣かずにいるだけ 得する話でしょうそれでも女…
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嫁入り舟 – 野路由紀子
傘にからみつく 柳をよけながら雨の堀割りを 嫁入り舟がゆく彼のもとへ嫁ぐひとを 私はずぶ濡れてみつめている 頬の泪 ぬぐいもせずに今日の最終で この町出たいけど老いた母ひとり 残して行かれない 濡れた白壁を かすめて飛ぶ燕あやめ咲く中を 嫁入り舟がゆく彼の手紙細く裂いて 水面に浮かべてるかなしみなど誰も知らず 小舟に手を振る今日の最終で この町出たいけど老いた母ひとり 残して行かれない いちどだけ…
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北信濃絶唱 – 野路由紀子
流れる雲は 涙色運命(さだめ)の風に 流された夕闇迫まる 信濃路よ二人の愛は いつの日かあゝ いつの日か 愛を夢みて 傷ついた清い二人の 悲しみよ千曲の流れ 月の宵涙の露が 光ってたあゝ 光ってた 今は寄り添う 山のはてほほえみさえも 残して消える雪の白樺 志賀の里二人の愛よ いつまでもあゝ いつまでも 人気の新着歌詞 哀愁桟橋 – 野路由紀子 つらい恋です 私の恋は髪にかくした 横顔…
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三つの涙 – 野路由紀子
だまされた女は枯れてる花よりみじめだとだれかが言っていたけれどきょうの私のことだった どうしてこんなに馬鹿なんだろう夢を探した指先を濡らすばかりの涙よ だまされた女はあしたになっても笑えないだれかが言っていたけれどそうよ死にたくなってくる どうしてこんなに馬鹿なんだろう夜が寂しくさせるから乾くことない涙よ だまされた女は煙草のけむりに似ているとだれかが言っていたけれどわかる気がするカウンター どう…
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十九で別れた港町 – 野路由紀子
あなたは旅に出る 私は爪をかむテープが切れる 目が濡れる 船が出るどうしようもない どうしようもないすがって行きたい カモメになれたらつらい恋 この恋 信じた 港町 日暮れの鐘が鳴る 背中に風が吹く灯(あかり)がゆれる 目を伏せる 花が散るどうしようもない どうしようもないやさしい言葉が 冷たく残る淡い恋 この恋 祈った 港町 泣くには遅過ぎる 止めても遅過ぎる汽笛が消える 目を閉じる 波が呼ぶど…
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北国慕情 – 野路由紀子
雨が降りそうな朝でした 青森は青森はローカル線を乗りかえながら恋を忘れる旅の果て旅の果て悲しい別れをじっとかみしめ心で泣いたベルが鳴る ベルが鳴る カモメむれ飛ぶ港町 函館は函館はスーツケースが心に重く泣けというよに風が吹く風が吹く青柳町でゆきかうひとにあなたをしのぶただ一人 ただ一人 恋の終りかこの岬 知床は知床は沈む夕日に明日を祈る夢をなくしたはぐれ花はぐれ花本当の愛をしっかり抱いてこのまま死…
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夜汽車が着いたら – 野路由紀子
貴方と私は 数えで十九私が年上に 見られてしまう幼なじみの この恋は悲しい別れで 終わるのね 小雨降る駅 夜汽車を待つ間がなぜにこうまで 乱れる心 予定時刻に 夜汽車が出るわ二度と会えない 貴方を残して 実らぬ恋だと 知ってはいても帰らぬ貴方だと わかっていてもせめてもうあと 二三日貴方といっしょに いたかった 小雨降る駅 夜汽車を待つ間がなぜにこうまで せつなくなるの なんにも言わずに 黙ってい…
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彼岸花 – 野路由紀子
彼岸花あかあか ゆれている道をふたりして来たのよ 花束をさげて今はない父と母 眠ってるお墓に告げるのよ「このひとに 嫁いでゆきます」と幸せな私に ひと目見せたくてはるばると帰ってきたのよ ふるさとへ 鰯雲ながれる 北国の青空おさえても溢れる 幸せのなみだ今はない父と母 眠ってるお墓に父さんの好きだった お酒をかけながら「幸せにします」と 手を合わすあなた彼岸花 真っ赤に燃えてる昼下がり 人気の新着…
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恋は馬車にのって – 野路由紀子
雪どけの丘を越え 行くの馬車にゆられ 彼の待つ町へただひとり手作りの 服に熱いこころつつみ 急ぐのよ風はまだまだつめたくて この頬を刺すけれど何もかも今しあわせに 向って走るわ小指のとなりで キラキラ輝く指輪は彼の 約束のしるしなの鈴の音をふりまいて 馬車は行く この橋を渡ったら すぐに馬車はめざす町へ 入るのよ音を立てこの胸が さわぐ人に聞かれそうで 恥ずかしい暦の日にち消しながら 待ってたのこ…