水谷千重子
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石狩挽歌 – 水谷千重子
海猫が鳴くから ニシンが来ると赤い筒袖の ヤン衆がさわぐ雪に埋もれた 番屋の隅でわたしゃ夜通し 飯を炊くあれから ニシンはどこへ行ったやら破れた網は 問い刺し網か今じゃ浜辺で オンボロロオンボロボロロ沖を通るは 笠戸丸わたしゃ涙で 鰊曇りの 空を見る 燃えろ篝火 朝里の浜に海は銀色 ニシンの色よソーラン節に 頬そめながらわたしゃ大漁の 網を曳くあれから ニシンはどこへ行ったやらオタモイ岬の 鰊御殿…
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桃色吐息 – 水谷千重子
咲かせて 咲かせて桃色吐息あなたに 抱かれてこぼれる華になる 海の色に染まる ギリシャのワイン抱かれるたび 素肌 夕焼けになるふたりして夜に こぎ出すけれどだれも愛の国を 見たことがないさびしいものは あなたの言葉異国のひびきに似て 不思議 金色 銀色桃色吐息きれいと 言われる時は短かすぎて 明り採りの窓に 月は欠けてく女たちはそっと ジュモンをかける愛が遠くへと 行かないようにきらびやかな夢で …
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浜辺のエレジー – 水谷千重子
どうせ咲いたとて きっと誰も見やしない浜辺にたおれた紫紅の花よ匂い立つ夜さえ ずっと誰も気づかない浜辺にまみれた紫紅の花よ人知れず咲き誇り 美しく散る運命 あたしのせい こたえて悲しすぎるから微笑うだけただそれだけ それさえ奪う理由を教えて かえす白波が 何度もあたしを馬鹿にする浜辺にうもれた紫紅の花よ海の鳥たちも 遠くであたしを悪く云う浜辺にくずれた紫紅の花よ人目はばかりもせず 泣き叫んでもひと…
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真赤な太陽 – 水谷千重子
まっかに燃えた 太陽だから真夏の海は 恋の季節なの渚をはしる ふたりの髪にせつなくなびく 甘い潮風よはげしい愛に 灼けた素肌は燃えるこころ 恋のときめき忘れず残すためまっかに燃えた 太陽だから真夏の海は 恋の季節なの いつかは沈む 太陽だから涙にぬれた 恋の季節なの渚に消えた ふたりの恋に砕ける波が 白く目にしみるくちづけかわし 永遠を誓った愛の孤独 海にながしてはげしく身をまかすいつかは沈む 太…
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今さらジロー – 水谷千重子
あれは確か 2年前の雨降る夜にあたしの手を 振り払って 出て行ったけ部屋のすみに飾ってある あなたの写真泣きながら 被った日もあったっけ 今さらジロー 好きだとジロー 言わないでよねあたしを捨て 他の女を愛したくせに今さらジロー 罪だよジロー あたしにとって昔は昔… 今は今…ルルララルルララ ルルラララしゃぼん玉だね 愛なんて 元気ですか? ひとりですか? どうしてますか?よそよそしい 笑みを浮か…
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あまえたって駄目さ – 水谷千重子
神だったり 悪だったりボーッと生きりゃ気づかなくて遅かれ早かれMistake 飛ばない奴らが行き交うのをただ眺めて鳴かない雀たちが何度も首かしげるジブンの姿は見て見ないふりで 渇いた日々の憂毒 ため息ひとつ間違う宿したはずの刃を握れずひとり惑うあまえたって あまえたって駄目さ知ってる 棘ばっかり もううんざりキズだらけの茨道も遅かれ早かれShining 暗闇の向こう側に光をさがしているいざという魔…
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カラフル ~台湾百色旅情~ – 水谷千重子
石ころが宝石たちに見えますか?水たまりはキラキラして見えますか?みんな素敵に感じた日となにが今 違っているんだろう(I meet colors. You meet colors.)色とりどりの Merry Happy Lovely & Darlin’君だけのカラフル見つけましょう誰も探してはくれない It’s only my story心 楽し色 悲し色明日はどっちに見える…
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千重子のウインク – 水谷千重子
琥珀色のイマージュに手を振って わたしのユートピア目指すの胸の中で輝くブルーサファイア世界の端まで届け 千重子のウインク 言った言わないが大問題だ 犯人探しが必要見返りばかり気にする女を 見返り美人と呼ぼう何がしたいの? どこに向かってるの? その言葉ウザい嫌い嫌われる勇気ホントに持ってる人なんているのかな パツッと前髪切り過ぎるのは ちょっとあざとい でもやってみたくなる エメラルドの涙こぼれた…
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飛騨の与吉の五平餅 – 水谷千重子
あぁ えいやソリャ もち もち もち、ほりゃ 食べへんかい?ゴッヘイ!ゴッヘイ!ゴッヘイ!ほりゃ食べへんかい? 嵐が来ようが 与吉にゃ構わぬ山越え 叫ぶや 五平餅いらんかえ! もち もち もちそりゃ 食べ放題!?ごし ごし ごしそりゃ 腹ごしらえ フラれた旦那も 涙のあんたも一口 頬張りゃ 極楽いざ!飛騨! 飛騨飛騨 いざ! げじげじ眉に真っ赤な手拭いかぶって四尺五寸 ちっちゃな体でよっといとい …
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五月雨道中 – 水谷千重子
五月雨しんしん降る雨に心揺らし待つ人待ちくたびれちゃう時も何故か笑みが溢れる ちょいと ちょいと ちょいとそこのお兄さん一緒 一緒 一緒に入りませんか? ひとつの傘で恋慕情濡れないよに近づくけど雨の雫が肩へと しゃんしゃんとしゃんしゃんと雨が降るああ じれったいのじれったいの もっと近くへ先は長いまだ少し肩を並べ二人で!二人で五月雨道中 ちょっと ちょっと ちょっと触れた手の甲がなんか なんか な…