林部智史

  • 花水仙 – 林部智史

    鉢植えの水仙を 買ったのはお風呂がえりの ゆうぐれ時ですこのゆかしさが おまえに似てるとあなたに言われて 嬉しかった新妻みたいに エプロンかけてあなたを世話した 愛の明け暮れ一年のみじかいくらしを懐しみ水をあげてる 私です 花売りのリヤカーが 露地うらに春を今年も はこんで来ましたこのアパートを 出る気はしませんあなたが戻って くるかも知れないお揃いで買った コーヒーカップ戸棚にひとつ ふせてあり…

  • よろしかったら – 林部智史

    マニキュアの乾く間も もどかしくて白い煙草に手を伸ばす Ah……私の中の少年 時々みょうに性悪(しょうわる)であなたのうなじに 焦(じ)れて煙を巻きつける欲しいものが手に入らなければ生きていたって仕方がないの例えば あなたが 男でも例えば あなたが 女でもそれはどうでもいい事なの よろしかったら もう一度よろしかったら 初めからめくるめく やさしさで あなたと私Just a lover today…

  • 愛のくらし – 林部智史

    この両手に 花をかかえてあの日 あなたの部屋をたずねた窓をあけた ひざしの中であなたは 笑って迎えた 手をつなぎ ほほよせてくり返す 愛のくらし花は枯れて 冬が来てもすてきな日々は つづいていた 愛をかたる 言葉よりも吹きすぎる 風の中で求めあう ぬくもりが愛のかわらぬ しるし 人はいくども 愛に出会い終わりのない 愛を信じたある日 気がつく 愛の終わりに人はいくども泣いた 手をつなぎ ほほよせて…

  • 夢一夜 – 林部智史

    素肌に片袖 通しただけで色とりどりに 脱ぎ散らかした床に広がる 絹の海 着てゆく服が まだ決まらない苛立(いらだ)たしさに 口唇かんで私ほんのり 涙ぐむ あなたに会う日の ときめきは憧憬(あこがれ)よりも 苦しみめいてあゝ 夢一夜一夜限りに咲く花のよう 匂い立つ 恋するなんて 無駄な事だと例えば人に 言ってはみてもあなたの誘い 拒めない 最後の仕上げに 手鏡みれば灯(あかり)の下で 笑ったはずが影…

  • 少しは私に愛を下さい – 林部智史

    少しは私に愛を下さい全てを あなたに捧げた私だもの一度も咲かずに 散ってゆきそうなバラが鏡に映っているわ少しは私に愛を下さい たまには手紙を書いて下さいいつでも あなたを想う私だものあなたの心の ほんの片隅に私の名前を残してほしいのたまには手紙を書いて下さい みぞれの捨て犬 抱いて育てたやさしいあなたを想い出しているの少しは私に愛を下さい 人気の新着歌詞 愛と笑顔を、、、 – 林部智史…

  • 合鍵 – 林部智史

    乾いた町に 風が吹くほこりに巻かれて愛が消える私を女にした人なのやさしかった 昨日まで この合鍵が 棄てられないあの扉二度とたたいちゃいけないの唇をかんで憎んでみるけどやっぱり愛しい抱かれたい 乾いた道は バス通りあなたを待つようにバスを待つ死にたくなりそう 夜が恐い嘘でもいい 追いかけて この合鍵が 棄てられないあの扉二度とたたいちゃいけないの振り向きもせずに歩いて来たのに後ろが気になる抱かれた…

  • アドロ – 林部智史

    アドロ 灰色の街夜の不思議な出逢いアドロ あなたの瞳幸せのとき 突然私に アドロ 微笑むあなた夜の優しい言葉アドロ あなたの匂い接吻(くちづけ)のとき 突然私に 死んでもいいわあなたの腕に抱かれて 私は炎あなたは火の鳥燃やして 燃やしてすべてを 私のすべてを アドロ あなたの吐息甘いあなたの唇アドロ あなたのうなじ陶酔(よろこび)のとき もう一度私に Y me muero.Por tenerte …

  • つぐない – 林部智史

    窓に西陽が あたる部屋はいつもあなたの 匂いがするわひとり暮らせば 想い出すから壁の傷も 残したまま おいてゆくわ 愛をつぐなえば 別れになるけどこんな女でも 忘れないでね優しすぎたの あなた子供みたいな あなたあすは他人同志になるけれど 心残りは あなたのこと少し煙草も ひかえめにして過去に縛られ 暮らすことよりわたしよりも可愛い人 探すことよ 愛をつぐなえば 重荷になるからこの町を離れ 暮らし…

  • 秋冬 – 林部智史

    しゃれた日焼けに 涙が流れるあー 秋かしらやさしく 説くように別れを告げたあなたでした心の水面(みずも)に さざ波が立ってあー 秋ですね鏡を見つめて 小さな声で一人でつぶやく 秋の詩 季節の変わり目をあなたの心で 知るなんてもう恋も もう恋も 終るのね 好きな曲ばかり ラジオに流れるあー 秋かしら私のわがままに いつも微笑んだあなたでした深い空から 枯葉が舞ってあー 秋ですねあなたが返した 合鍵が…

  • 忍冬 – 林部智史

    だっていつかこじれて 駄目になるより恋の匂いさせずに そばにいたいわたまに逢ってこうして飲めるだけでも女として少しは 夢があるでしょ…… 失くせない ひとだからつづけるひと幕 友達芝居だけど 忍ぶという字は 難しい心に刃(やいば)を乗せるのね時々心がいたむのは刃(やいば)が暴れるせいなのね もっと楽な生き方 してもいいのになぜかわざと淋しい道をえらぶの……今日は今日の傷みが胸をしめてもひとり席を立…

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