山本あき

  • 駅 – 山本あき

    見覚えのある レインコート黄昏の駅で 胸が震えたはやい足どり まぎれもなく昔愛してた あの人なのね懐かしさの一歩手前でこみあげる 苦い思い出に言葉がとても見つからないわあなたがいなくても こうして元気で暮らしていることをさり気なく 告げたかったのに… 二年の時が 変えたものは彼のまなざしと 私のこの髪それぞれに待つ人のもとへ戻ってゆくのね 気づきもせずにひとつ隣の車両に乗りうつむく横顔 見ていたら…

  • 愛の終りに – 山本あき

    時の流れがそっと 街路樹を染めるみたいにあの人の心も 変わってゆきましたもうすぐさよならの日が 来るのは分かっているけど今でも信じている あの日の温もりを愛はいつだって仕方なく こわれてゆくけどだまされて捨てられた訳じゃないそんなふうに云ったなら 笑う人もいるけれど人を信じられない 人よりは幸せ もう逢えなくなるのが そんなに今は恐くない心のどこかでまだ 信じられないのでしょう電話でさよならを 云…

  • 花咲かす雨 – 山本あき

    花咲かす雨 花うれし雨涙は心の 花に降る春は間近です おんな誰でも 恋の道旅をする同じ旅なら 晴れたらいいですねけれど時には 胸に冷たい恋時雨 涙が落ちる花咲かす雨 花うれし雨心よ育てと 降ればいい春は間近です おんな旅路は せつな坂ばっかりで少しため息 ついてもいいですか冬のひとり寝 窓を叩くは虎落笛(もがりぶえ) 別れた影よ髪とかす風 頬撫でる風やがては優しい 風になる春は間近です けれど時に…

  • 愛がみえない – 山本あき

    時間を下さい 少しでいいのあなたの重荷に ならないほどの悲しい恋だと 言い聞かせても涙さえ明日を 探してしまうせめて心だけ わたしの部屋に抱かれたぬくもりが 消えないように愛しても 愛しても 愛がみえない 明日を下さい 少しでいいのベッドで週ごせる そんな一日叶わぬ夢だと 自分の胸に引き止める言葉を 隠してしまうせめて心だけ わたしのそばにちっちゃな倖(しあわ)せが 壊れぬように信じても 信じても…

  • 涙の河を越えて – 山本あき

    にじむ夕暮れ なつかしい駅家路を急ぐ 人ごみのなか古いベンチに あなたの影が今も私に 手を振るようであれから悲しい 時間と暮らし涙の河を やっと越えたのあなたを愛して よかったといまなら言える この胸に 狭いアパート 木枯らしの音いつも硝子(ガラス)を 震わせていたふたりぬくもり 確かめ合えは薄い毛布も 陽だまりでしたあれから何年 うらんだことも涙の河に やっと捨てたの別れたわけなど 並べても明日…

  • 恋しくて – 山本あき

    霧雨ふる夜(よ)は 心が乱れます淋しくてせつなくて 眠れないのわがままいったり すねるのもあなたでなければ ダメなのよ日なたの匂いの 甘える胸が恋しくて 恋しくて 恋しくて 悲しさ辛さに 悩んでいる理由(わけ)を私にも少しだけ 分けてほしい真っ直ぐ生きてる 人だから苦労にめげない 人だから知らずに涙が こぼれてきます恋しくて 恋しくて 恋しくて あなたに愛され 逢うたび嬉しくていとしさに包まれた …

  • 哀しみ模様 – 山本あき

    雨降る夜ふけは 嫌いです哀しいあの日が 戻るから一度も振り向く こともなく小雨に消えた うしろ影…ゆらゆらゆらと あなたが映る女心の 水たまり今もぬくもり 恋しくて他の人など 愛せない 酔ってる私は 嫌いですそれでも飲まなきゃ つらいから寄り添い甘えた あの腕に今頃誰が いるのでしょうか…ほろほろほろと 涙が落ちる女心の 水たまり揺れる面影 飲みほせばにがい酒です ひとり酒 ゆらゆらゆらと あなた…

  • 支笏湖ブルー – 山本あき

    コタンの森の湖に 浮かべたままの思い出を訪ねてみたの ひとりきり恋と気づいていたけれど言葉に出せず 見つめてたあの日と同じ 支笏湖ブルー 思い出たどる湖に 会いたい人の面影を探してみたの いつまでも水の青さに染められて想いは今も そのままに心にしみる 支笏湖ブルー 季節を映す湖に 今年も夏が通り過ぎ思い出だけを 置いてゆく誰も知らない恋だけどあなたがくれた ひと夏の忘れはしない 支笏湖ブルー 忘れ…

  • 大阪の女 – 山本あき

    まるで私を 責めるよに北の新地に 風が吹くもっと尽くせば よかったわわがまま言って 困らせず泣いて別れる 人ならば とても上手に 誘われてことのおこりは このお酒がまんできずに 愛したの悪いうわさも 聞いたけどやさしかったわ 私には あなたのそばで 眠れたら幸せそれとも 不幸せ夢を信じちゃ いけないと言った私が 夢を見た可愛いい女は あかへんわ きっといいこと おきるから京都あたりへ 行きたいわ酔…

  • 猫のいる部屋 – 山本あき

    どしゃぶり雨に 震えてる子猫を抱き上げ 腕の中 きみも確かに置いてかれたの 悪いやつだねうちにおいでよ この部屋は今日からひとり 毛布にあいつの匂いするけど 愛とか恋とか今はいらない 小さなぬくもり分けて眠ろう 噂になったら いけないよ電話をかけても 叱られた 猫も内緒は 息が詰まるね声をあげたい時もあるよね この部屋の 合鍵返し無理だとあいつは 肩を落とした愛とか恋とか 悩むことより 忘れてあげ…

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