貴方は もう忘れたかしら
赤いてぬぐい マフラーにして
二人で行った 横丁の風呂屋
一緒に出ようねって 言ったのに
いつも私が待たされた
洗い髪が芯まで冷えて
小さな石鹸 カタカタ鳴った
貴方は私の からだを抱いて
冷たいねって 言ったのよ
若かったあの頃 何も恐くなかった
ただ貴方のやさしさが 恐かった
貴方は もう捨てたのかしら
二十四色の クレパス買って
貴方が描いた 私の似顔絵
うまく描いてねって 言ったのに
いつもちっとも似てないの
窓の下には神田川
三畳一間の 小さな下宿
貴方は私の 指先見つめ
悲しいかいって きいたのよ
若かったあの頃 何も恐くなかった
ただ貴方のやさしさが 恐かった
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さみしさのつれづれに手紙をしたためています あなたに黒いインクがきれいでしょう青い便箋が悲しいでしょうあなたの笑い顔を 不思議な事に今日は覚えていました19歳(
ある日突然 二人だまるのあんなにおしゃべり していたけれどいつかそんな時が 来ると私には わかっていたの或る日じっと 見つめ合うのよ二人はたがいの(に) 瞳の奥
ひとはだれも ただ一人旅に出てひとはだれも ふるさとをふりかえるちょっぴりさみしくて ふりかえってもそこにはただ風が吹いているだけひとはだれも 人生につまづいて
この広い野原いっぱい 咲く花をひとつ残らず あなたにあげる赤いリボンの 花束にしてこの広い夜空いっぱい 咲く星をひとつ残らず あなたにあげる虹に輝く ガラスにつ
冷たくされて 今は飽きられあなたのことを恨めば淋しい女性 どこにもいると人は笑うだけ傷つくことが 愛だと知ってすべてを水に逃がせば死にたいなんて 愚かなこととき
あゝ雨が降ります岬町昔宿場の軒(のき)ぬけて恋の石段のぼりますきのうはみんな忘れて来たわあなたの背中がぬれてます灯もつきます 燈台にあゝ夜に降ります磯しぐれ二人
夕暮れの街角で見た淋しさはうす紫の花模様とりに行けない忘れもの思い出させるゆらゆらと通りゃんせ 帰りゃんせ七つの頃に帰りたいけど通りゃんせ帰りゃんせひとり寝の夜
何千何万の螢火(ほたるび)の海があなたの魂を迎えにゆきますああ 答えて下さいやさしい人ともう一度生きてもいいですかあなたの想い出抱きしめて生きる覚悟でいたけれど
私の涙に気付きあなたが投げかけるつくろったやさしさは何のつもり(ジョーク)今はただむなしい(ストップ・ザ・ジョーク)ギターみたいにうまくはいかないね(ジョーク)
愛したこころの ともし灯が消えない別れはつらすぎる襟を立てても ふせげない逃げてくぬくもり とまらない風よ 吹け吹け吹け 吹け吹け吹けせめて吹け 南風涙かわかす
せせらぐ流れに ひと足早い秋気持ちはうれしいけれど私は残ります生まれたこの街 見捨ててゆけないの愛したあなたは旅人 ここが別れ道ああ それでも 待っています川面
時がたてば忘れられると誰もいう胸の傷に時間だけが薬だと一人旅は北をまわってヨーロッパパリに三日そして今はマドリードポツリポツリ やがて白く舗道を叩いて雨が降るし
彼と別れて来たとこなのよそんな風じゃないでしょう泣いてもいないし くやんでもいないいつもの私に見えるでしょう悲しい時には 悲しみと仲良く出来る私なのちょっとそこ
「僕を愛しちゃいけない」と別れ間際にひとことほほの涙を あなたはかくして列車に飛び乗った愛を失くして 何が残るの夢はあなたなのよ声は届かず 赤いランプが闇に消え