Tele

  • ぱらいそ – Tele

    光が見えなくなって言い聞かせる、オーライ、眠い目を擦った。何にもなれないままで進む。 満員電車の片隅で抱き抱えたバックパックと仄暗い空。誰だか知らない、知ることもないけど押しつぶすんなら中身くらい愛せよ。 あらゆる倫理は優しさを無視して僕ら運び出す、何が楽園だ。這いずる意識が踊りだした。春夜に戦ぐ風さえも。 光が見えなくなって言い聞かせる、まだ僕は大丈夫。張り詰めた糸を渡るまともさを讃えるなら抱き…

  • ひび – Tele

    優しさに形があるなら、それはあなたを介した何かだ。誰も答えを知らない問いのさ、解説本で棚が埋まってた。 羽田行きの電車が動きだす。閑散とした車内、日が満たす。ガラスがくすみ外は見えないな。そんな事を誰も気にしていなかった。 枯れた未来にお湯を注ごう。皺に許しを、ひびには愛を。爛れた指でなぞる暮らしを抱きしめた時、張り裂けたエゴ。Y字を過ぎ振り返ると、涎垂らし侘しい、あの嘘。 正しさに舵を取らせたら…

  • シャドウワークス – Tele

    10時半に寒気がして5分後に飛び起きました。もうとっくにもぬけのからに変わった集積所。手を引いて帰りたがった園児の母は泣きました。予鈴の残響が重なり響いた。 無関心な、ままならん、僕たちはカサンドラ。15分遅れの電車に乗り込み目を閉じました。 1000年後にゃ骨もなくって名前すら残らぬ阿呆に労働の在り方を説かれちまった。同様に僕の書く音楽も、恋人に投げかけた言葉すら、1000年経ちゃヘドロにすらな…

  • 砂漠の舟 – Tele

    ねえ、依存心だって許してよ一等星。もっと触れてよ。ねえ、理想論だって資本に飲まれちゃってもう痛えよ。 ガラクタ、ほら並べ。はためく布はずっと前に涙を吸わなくなった。彼方へ、掻きむしったせいでまた君が頭からこぼれ落ちた。 ねえ、孤独はずっと暈した混声で嘘を抱きしめろ。だから、騒げ。誰かの地獄じゃ声は、風に。涙を拭い去るようさ。彼方へ、掻きむしってしまえばいい。腑のような温もりを、待っていた。 いつか…

  • DNA – Tele

    終末を僕たちはスキップしてさ。差分違いの今日を生きた、枯れ果てちまったトーキョー。順番を待っていた自由の切符は、矛盾以外残んなかった。ふたりぽっち踊っていた。 ねえ、涙、何故か噛みつき合う僕ら、いっそ歯形で憶えあって。誰が見ても先のない屋上で、愛を語っていた。 DNA運んでゆけ、僕ら頭の先まで無我夢中。DNA運んでゆけ、どこからどこへゆこうがシステム。そうさ、今、忘れちゃう前に全部、思い出しといた…

  • あくび – Tele

    あくびの仕方があなたによく似てしまったから今は、これを愛だと呼んでしまうと思った。ひび割れたネイルも、着膨れたニットの毛玉とか全部、僕だけに見せるのが嬉しくて、虚しいの。 情熱に値札を、少年に生きた挫折を。当面の間は独りで散歩もいけやしないな。 ねえ、きっと君は忘れてしまうだろう。君は忘れてしまうだろう。だから、思い出さないで。あゝ、夜明けに淹れた微温い珈琲も、投げつけあった花束も、どこにも無くっ…

  • サイン – Tele

    「私の先入観のルールには一つ一つあなたのサインが書いてて時々思い出さなくていい時にその線をなぞってみるの。」 綺麗だった、鰭みたいな、あなたの筆先のアイデンティティを全部ちょうだい?綺麗だった。ずっと、綺麗だった。ねぇどう 「私の前日譚のヒーローなら、仮面をゴミ処理場の裏に捨てたわ。今頃、ハイタッチで茶濁してアレルギーが出るような声で笑うんでしょう、」 僕ら奪って、泣いて、何になんだろう。印を付け…

  • 残像の愛し方 – Tele

    言い残した言葉がまだ。触れようとした背中がまだ。その濃淡は揺らぎながら尾を引いて、引いて、こびりついたまま。 風呂桶が映した僕を、掬い取って今日を流し落とした。瞼の裏にこびりつく君だけが、乾いた暮らしの残像。 愛したかったんだ、一切合切をこの腕で。もっと、もっと、錯覚を越えて。勘違いがまた、現実を塗り替える。そんな瞬間をずっと。僕だけに頂戴。 不意に溢したため息から、悟らせ合った。冷たい戦争のよう…

  • ブルーシフト – Tele

    全部、ブルーになる。ブルーになる。ブルーになる、その瞬間。ねえ、ブルーになる。ブルーになる。ブルーになる、はずだった。 ブルーになる。ブルーになる。ブルーになる、その瞬間。ねえ、ブルーになる。ブルーになる。ブルーになる。 わかってゆく。首筋についた昨日の残骸。滲んでゆく。大人びたまんまの子どもたちは、踊り足りない。踊り足りない。君の肌が邪魔で仕方ない。踊り足りない。何も足りない。目が眩むほど透き通…

  • 包帯 – Tele

    君からする死の匂いは焼きたてのパンに少し似て、トースターの底、溜まっていた思い出を愛し損ねている。 忌諱からくる庇護し合いは外来の花が育つようで。水面を全て埋め尽くした。美しく、息が、詰まる。息が詰まる。 日々、絡まる譲り合いはコンセント積もる、埃の匂い。ある朝全てがなくなってしまっても、多分いいんだろう。 木々さざめく庭の端で、爪先立ちを繰り返す。諦めた後啜る珈琲は、少し甘い。 ダクトに流れる暮…

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