PIZZICATO FIVE
連載小説 – PIZZICATO FIVE
窓ガラス越しに
雨が降りだすのをみてたら
突然私はあなたを
愛してると気付くの
悲しくなるほど好きなの
死にたくなるほど好きなの
嫌いになるほどあなたが好きなの
古い手帳で
あなたの番号をたしかめて
そして私はあなたに
電話をかけるの
悲しくなるほど好きなの
死にたくなるほど好きなの
嫌いになるほどあなたが好きなの
いつか年をとって
それでもあなたを愛して
いつも苦しい気持ちで
毎日を過ごすなら
私は何だかさびしい
仕方がないけど
悲しいことなの
映画の途中で
フィルムが不意に途切れて
そして私をあなたも
愛してると気付くの
悲しくなるほど好きなの
死にたくなるほど好きなの
嫌いになるほどあなたが好きなの
いつか年をとって
それでも互いに愛して
いつも閑かな気持ちで
毎日を過ごすなら
私はそれでかまなわない
それでも
なんだか少しとまどうの