nano.RIPE
-
星とぼくの座標 – nano.RIPE
ぼくらにもっと知恵があれば光の元へ届くのだろうぼくらにもっと夢があれば光の果ても描けるだろう 羊が眠る静かな夜 結んだ星に名前を付けた88の物語の続きは誰が描くのだろう いつかはすべてが終わるとしても 消えゆくことなど恐れはしない見えないものにも命は宿り そうしてぼくらは生まれてきたよ ぼくらはきっと思うよりも知らないことで守られてきた隣で眠る小さな灯を絶やさぬ術などないとしても 生まれた意味なん…
-
果てなきブルー – nano.RIPE
見上げたのはいつかの青い空 その奥に広がる青い宇宙どこまでも行けると信じていた あの日から軌跡は続いてる 今も 手にしたのは小さな夢の粒 ひとつひとつ拾い集めてきたそのすべてがぼくを守るように この胸の深くで光ってる 今を歌え あの空を抱えて何度でも 突風に飛び乗れ てっぺん駆け上がれ 果てなきブルーと共にあれ栄光の正体を 存在の証明を 気高き獣のように声を上げろ 閉じ込めた痛みは消えないまま 敗…
-
初期衝動 – nano.RIPE
羽を宿したクツで昨日を飛び越えた あの日のぼくには譲れないものがあった変わり続けることで汚れてしまった? いつから世界はこんなに色を失って モノクローム なにを隠したディスコードの真ん中から聴こえてくる音が今 始まりを告げた 何度だって構わない 抗うほどにキレイに鳴って途切れない衝動で掻き鳴らし続けるよ 鼓膜の向こうにある未来 自由を求めた末に自由を手放した 似合わない言葉は誰にも届かなくてあかく…
-
ぼくと大人とチョコレート – nano.RIPE
大人になったら大好きなチョコレートも鼻血が出るくらい食べられると思ってたそしたらきっと泣き虫なぼくの涙のスイッチもなくなると思ってた 大人になったら大切なものが何か迷わないくらいに強くなると思ってたそしたらきっと穏やかに日々を笑って愛していられると思ってた だけどもまだわからないよ 泣き虫も直りそうにないなヒトリボッチに震える夜がなくならないのはだれのせい? ねえ ココから進めないとしてぼくを縛り…
-
月の出る丘 – nano.RIPE
茜に染まる街並みにぼくの影はどこまで伸びるのもっと遠くまで行けたらいいと思うけれど「月の出るとこを見に行こう」 きみの声は耳に甘くぼくは少し強くなれたみたい 勘違いでも良いと思った 名前を呼んだらすぐに消えるようで思わず息を止めてしまうよ 昇る月を見て横目できみを見た ぼくらしく生きるとか二の次でいいや雲の隙間からまあるい瞳のように ふたりを見つめてる その光を仰ぐ月の出る丘で ゆっくりと空を横切…
-
トロイメライ – nano.RIPE
お気に入りのワンピースが皺になった 直しもしないで見てた夢は夢の続き もやがかったため息まじりの部屋 梁だらけのこの部屋では折れ曲がった空しか映せないぼやけた色 ちゃちな光 願う前に消えてくプライド きみがいなくちゃうまく眠れない そんな夜にはもう飽きたんだ夢か現かバーチャルかリアルかなんてさ もうどっちでも 空っ風 遠い未来 空まで飛ばしてよ 暗い海の底はキレイなの探してた トロイメライ あたし…
-
星に届くよ – nano.RIPE
明けの空に浮かぶ優雅な三日月 眩しすぎて行方不明の星の屑だれもかれも眠りの淵で瞬き 知らん顔で夜露を食べる花の種 この世界からぼくだけを連れ出してよついでにちょっと成層圏からこの街を見下ろしたら ぼくが生まれた朝もきみに出会えた夜も万華鏡のように妖しく光り絡まって蘇るよ夢を濡らした日々を自分勝手に積み上げて雲に届けばひと口でほら泡のように消えた 急ぎ過ぎたメトロノームの音色に 色を付けたあの日のぼ…
-
ジルコニア – nano.RIPE
取りこぼしたきみの欠片 闇に溶けて見失った仮初めでも光るのなら その姿を辿る地上ではない 空でもない 中途半端なこの空間をぼくはひとり漂っていた 標などもうどこにもない 風に鳴く木々の声は恐ろしくいつか見た悪夢の奥底へと引き戻すよ せめて夢でまた会えたら だれも嫌いにはならずに何者だってもう構わない 現れてよ慰めが欲しいわけじゃない 思い出になんて縋らないずっと消えないままで 擦り潰したきみの欠片…
-
リミット – nano.RIPE
ぼくらに残された時間がゼロになる前に 可能性を映す鏡 恐る恐る覗き込めば薄目で見えたぼくの姿に思わず目を背けたよ どうしても欲しいものがある その代わりにどれだけきみを傷付けただろう鏡の中ぼくが醜く笑った この先へ進めばじきにゼロになる あの日きみが泣いたことさえも気付かずにぼくは何を掴もうとしていたのだろうそんな犠牲に見合う未来がどこにある ゼロになる前に ありのままでいられるよにココにいると決…
-
クライマックス – nano.RIPE
降り注いだ光に目を細めて息を継いだ首を伝う雫に鳴る鼓動 すべての音が遠くで響いた 思い出すのはきみの声 ぼくをただ導くような聞こえる はじまりの音 照り付ける夏の陽に弱さを隠して飛び出した今のぼくに残された時はあとどれくらい?終わらないでもう少し 届かなくて苛立つこともあった そんな夜は首に下げた小さな約束を握り眠った 唇を噛んで 負けることより怖いのは逃げ出してしまうことだ聞こえる アルプスの声…