放課後居残り掃除で ひとりモップ片手に妄想
世界がひっくり返るぐらいの 由々しき大事件が
ここで起きればいいな
窓の向こう 騒がしさに
ふと身を乗り出したらさ
悪の大王が 降臨してた
テスト前の 火曜日の真ん中に
この右手にモップ
立ち向かえ少年
「君は伝説の勇者」語る老人
まばゆいほどにモップ
冗談みたいな事態は
どうやらさっきの僕が
望んでた夢みたいだ
「あいつにはモップ以外 一切の攻撃は効かないわ」
真面目な委員長 真面目な台詞
ちょっと笑いそうになって飲み込んだ
この右手にモップ
振りかざして声援
「濡らした方が効果的」語る老人
切ないぐらいにモップ
都合の良い解釈で
世界は着色されてって
ぐちゃぐちゃ
この右手にモップ
左手にもモップ
老人が分裂増殖して
魔王はどっか行った
右膝にもモップ
百億の老人
どうやらここらへんが
想像の限界みたいだ
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