KΛKERU

サクラコ – KΛKERU

さよならをまだ言えないままに
桜だけがふいに咲きこぼれる
ほどけた指先花びらみたいで
君のいない春が胸に積もってく

駅前のカフェ 窓ぎわの席
君が座ってた椅子が少し空いている
砂糖ひとつぶ落とすみたいに
あの日の笑い声が静かに消えた

「またね」の意味をごまかしたまま
改札の影でうつむいた靴
呼びとめたくて息を呑んだのに
名前さえ風にさらわれた

ゆっくり散ってくピンクの雨
触れたら崩れる記憶たち
届かないことを知りながら
まだ君を探してる

さよならをまだ言えないままに
桜だけが空を染めてゆく
ほどけた約束 花弁のようで
掌からこぼれた未来のかけら
君のいない春をうまく歩けない
舞い落ちるたび君を思い出す
言えなかったままのさよならの言葉
今も胸の奥で咲いている

「元気でいてね」短い文字が
光る画面から胸に突き刺さる
返事を書くほど遠くなるから
未送信のままポケットで揺れる

今さら泣いても変わらないね
分かっているのに零れてく
手放す勇気と抱きしめたい日々
同じ場所ですれ違ってる
壊れそうな僕を止められない

さよならを今言わなきゃいけない
桜並木 背中押してくる
「また会えるかな」震える声で
笑った君の目が滲んで見えない
君のいない春を受け入れるたび
ひとひらずつ心が薄くなる
振り向けないままで歩き出してゆく
もう二度と名前を呼べなくなる

もしあのとき強く引き止めたら
違う景色に辿り着けたのかな
答えのないまま春が過ぎる

最後の風が髪を撫でていく
手の甲に触れた冷たさは
消えたぬくもり 名残みたいで
ひとり「ありがとう」を呟いた
立ち止まるほど弱くはないと
忘れたふりを重ねていたんだ
それでも僕はここに立って
君を愛していたそれだけだったんだ

さよならのあと見上げた空に
桜だけがやさしく降りしきる
散りゆく光が頬をかすめても
君を責めることはもうしないから
君のいない春をいつか好きになれたら
舞い落ちる花をそっと踏まず歩く
さよならをまだ言えないままに
心のどこかで手を振っている
名前を呼ばず胸にしまって
君と過ごした春を忘れない

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