HANNAH

  • 錆びた魔法の行方 – Hannah

    朝日が放つ刃で痛みを覚える肌に刻み込まれた記憶の足跡 今夜 月を引き裂いて明日を迎えに行く小さくも深い傷を縫い合わせて 波に呑まれ息もできずただ溺れている涙に満ちた海の果てへと沈めるわ澄んだ瞳に潜む殺意を学んでいく この街で遮らないで 脱ぎ捨てるのこの鎧を 舟は港を過ぎて声は埋もれる聞こえても届かない乾いた祈りさえ 錆びた魔法の行方を見つけ出したならここで私に見せて その幻 波に呑まれ息もできずた…

  • 道標 – Hannah

    呼吸するには狭すぎる部屋でここに横たわるのあなたとふたり それぞれの荷物を抱えて明かされる全てを知ることでしょう 手に入れたことで失った多くの物見せてあげる 仕舞い込んでいた吐息も今焼き尽くしてしまえ差し出される手が旅立ちを誘う連れられて行くその果てに何が見えるのだろう温もりを求めまた拒むだけ あなたの声が木霊して響く私は我に返り歯をくいしばる あなたがくれる変わらない色が包んでくれるからこの心を…

  • 桃色前線 – HANNAH

    桜の花びらが 夜空へと舞う瞼に映る 遠い故里 寄せては返す 母への憶い旅人のように 心彷徨い続けて いつも置き手紙 「ごめん」の一言素直になれない わたし置き去りにして 埋められない隙間に黙ってうなずく母がいたよ 桜の花びらよ そよ風に乗せ届けと願った 17の春鮮やかに切なく 母への祈りさよならも言わず 黙って旅に出た朝 水面一面に 乱れ降り注ぐ花びらの上を 歩くように帰りたい 抱き締めてよ その…

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