daisansei
ざらめ、綿飴 – daisansei
凌霄花は落ちてしまったよ 花びらの詰まる排水溝
温泉雑誌の伏せんを取ったよ
積み上げたまま捨ててないけど
台風一過に取り残されたよ ちり積もる心がぽつんと
夕陽を溶かしたら入道雲の飴
食べきれないから甘いねってことにした
ほらね また短くなったよね
そうだね 静かになったかね 東京の音
本当はなにも無い中で暮らしていけたらいいけどね
そうだね どっかにあるのかね
何年後のこと考えてもしょうがないよね
んーそうだね
エアコン切ったら
うなる室外機が空をきる 囃し立てては
どっかでまた祭りがあったよね
ほらね 静かに聞こえてくる
寄っておいでよと遠音に言ってるみたいだね
ほらね まだ午後5時半だよね
ほらね 落ちてるひかりの粒 ざらめみたいでしょ
すっかりとろけて綺麗だね
もっと涼しくなったらね 遠出してみてもいいけどね
お金も無いでしょう 悪くはないけどどうだろうね
うん そうだね