鳥羽一郎
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一膳の箸 – 鳥羽一郎
やっと叶った ふたりの夢は紺ののれんの 小料理屋“でくのぼう”だと 怒鳴られながら腕に仕込んだ 百の味棒は棒でも おまえとならばおんなじ長さで まっすぐで今日からふたりで 一膳の 一膳の箸 奥に小上がり テーブルひとつ六人座れる カウンターネタの仕込みは 港の仲間いつもいいもの 届きます今は苦労が 楽しみでして箸にも棒にも なれないが女房のおかげで 一膳の 一膳の箸 杉の小枝で こさえた箸は山の香…
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鳥羽の海女 – 鳥羽一郎
おやじ操る 小舟から浮き樽かかえて 鳥羽の海女水面(みなも)ひと蹴り さかさまに青き潮(うしお)の 底めざすドーマン・セーマン お守り下さい白き足裏 鳥羽の海女 岩を伝って まだ潜る真一文字(まいちもんじ)の 命綱アワビはがして ウニ拾い真珠の玉の 息を吐くドーマン・セーマン お守り下さいもうひとかせぎ 鳥羽の海女 浜にあがれば 母の顔東京のせがれに 小包みをアジの干物の その下に小瓶に詰めた 鳥…
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哀傷歌 – 鳥羽一郎
ひとつどうぞと そそぐ手に過ぎた昔の 影がある傷を隠さぬ 薄化粧わかっているさ 俺しかいない優しい夜を やれるのは 昼と夜とが あるように恋に表と 裏がある未練なみだは 今日かぎりわかっているさ 俺しかいない孤独のつらさ 分けるのは 追えば逃げてく ものばかり夢の名残(なご)りが やるせない逃げちゃいけない つらくてもわかっているさ 俺しかいない明日(あした)をともに 歩くのは 人気の新着歌詞 男…
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風を起こせ – 鳥羽一郎
風が吹くのを 当てにして人生のんびり 寝て待つな今日でおさらば 風待ち港天は苦労に 味方する船だせ 漕ぎだせ 走りだせ風は自分で 起こすもの 惚れた女を 遠くから眺めるだけでは 甲斐がない網を打たなきゃ 魚は獲(と)れぬ嵐 覚悟で ぶつかれよ船だせ 漕ぎだせ 走りだせ愛は激しく 奪うもの 目先の波を 追いかけて船酔いしている 奴ばかりはるか未来に 心を向けりゃ見ろよ希望の 陽が昇る船だせ 漕ぎだせ…
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つれづれの酒 – 鳥羽一郎
未練が飲ませる 酒がある思い出捨てたい 酒もある惚れた女の ためだとか身を引くバカが いたっていいだろう憂き世 つれづれ ひとり酒淋しいね… 男って 酒では洗えぬ 傷がある月日じゃ消せない 傷もある風が暖簾を かき分けて面影何度 運んでくるのやら憂き世 つれづれ ひとり酒淋しいね… 男って 遠くで見守る 恋がある死ぬまで忘れぬ 恋もある俺の心も 知らないで恨んでくれりゃ それでもいいだろう憂き世 …
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されど人生 – 鳥羽一郎
酔い醒(ざ)め水の 冷たさが五臓六腑に 沁みわたる旧友(とも)を送った 冬の夜もう一度ひとりで 飲み直そうかされど人生…おまえの分まで 生きるさと写真につぶやく 別離(わかれ)の酒だ 何年ぶりで 逢った女(ひと)時が昔へ 巻き戻る胸に切ない 初恋は遠くに流れて 消えゆく星かされど人生…彼女(あのこ)をおまえと 張り合ったあの日が青春 思い出酒だ 倖せだった おまえには悔やむことなど ないだろうな俺…
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母ちゃんお嫁にゆかないで – 鳥羽一郎
逢いたかったら 瞼をとじろ母は瞼の 裏にいるだけど気になる 故郷の空を仰いでそっと あの子は叫ぶ母ちゃん 母ちゃん お嫁にゆかないで 若いやさしい 母ちゃんだからひとりぽっちは 可哀そだいつも祖父(じ)さまは 手紙に書くが俺はいやだと あの子はすねる母ちゃん 母ちゃん お嫁にゆかないで つらいときには 戻ってゆける愛の塒(ねぐら)さ 母ちゃんは自分ひとりの 止まり木だから写真をなでて あの子はせが…
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風雪花伝 – 鳥羽一郎
人がゆく道の裏に 花は咲く…昔そんなふうに おそわったもんです時代おくれだろうと世の中が捨ててしまった ものにこそ大事なものが ありはしないでしょうか 奈落へ落ちた 不器用者(もん)がいつか咲かせる 桜花誠を洗い…誠を尽くす…それが男の 合言葉お噂は聞いて おりましたそちらこそ まっすぐなお人だ男の道の 風雪(かぜ)を背に一期一会の 一期一会の 酒を酌む 損をして生きてきたなんて 思っちゃいけない…
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みのり – 鳥羽一郎
朝陽が昇る さあひと仕事鍬(くわ)を担げば 小雀踊るヨ霞(かすみ)の空に 綿雲ぽかりおーいおーい 元気に育て田んぼは緑の 揺りかごだおーい おーい おーい くの字の腰を ヨイショと伸ばしゃ村もお山も 夕陽に染まるヨたなびく煙 囲炉裏火(いろりび) とろりおーいおーい 切り上げようや女房と夕餉(ゆうげ)が 待ってるぞおーい おーい おーい 倅(せがれ)の十八番(おはこ) 稲刈り唄を調子外れと 案山子…
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母よ (ライブ音源) – 鳥羽一郎
どこか遊びに 行けばいい母へやっとこ 云える様になった俺みて ほほえんでここで「いいよ」と 背をむけた瀬戸の大橋 渡ってよこんぴら参りに 行ってこいせめてわずかな 夢荷物苦労まみれの なあ母よ どこか親子で 旅をしよう俺が嫌なら 嫁と行け海を見つめて うなづいて泪浮かべて 振り向いた能登の湯の町 ゆっくりとバスにゆられて 行って来いせめてわずかな 夢荷物背中曲がった なあ母よ 北の街でも 行かない…