高田みち子
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最後の散歩道 – 高田みち子
歩くだけで 距離がわかる黙って二人出逢った頃を思い出してる 上手く切り出してねひとしきり 感傷で涙があふれたらお互い思いの 大人の言葉で終われるように こんなにあなたのこと知っていても移ろう温度は 見えない 今さら 悪びれるのは卑怯だわあなたは あなたのまま私は 私のままだれのせいでもない そうこれは 仕方ないこと熱がやがて冷めるのを待つだけ 優しくすれば 嘘になる過ごした日々が 長過ぎただけ乾い…
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午前4時 – 高田みち子
あなたは眠りについたそして手をさしのべる私 天使になれたかしら? どこまでも降り続くその髪に頬に 舞い降りてくるまるでこの部屋中鳴り止まない 音楽 あなたを失う淋しさに待ちわびるのは時間を巻き戻す奇蹟だけ 今ならまだ 昨日に戻れそうな 気がするのに もうすぐ扉が開いて影が あなたを連れてゆくそして 何ごともなく今日は 始まるでしょう 窓辺にのぞく 白い月語るすべもなく 見下ろしているせめて 朝が来…
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Still Crazy After All These Years – 高田みち子
I met my old loverOn the street last nightHe seemed so glad to see meI just smiledAnd we talked about some old timesAnd we drank ourselves some beers Still crazy after all these yearsStill crazy after…
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驟雨 – 高田みち子
あなたのこと思って泣いた記憶のどこかで 重なり始める雨が降る前の風の匂い 忘れかけた時間の隙間開け放された 遠くへ吹かれ 雨になる前のざわめき戻れない恋に落ちた あの日 こぼれ落ちてくる胸を打ち鳴らすこんなに激しい雫が私を洗い流しても 泣いている熱の醒めぬままだれかの あなたじゃ愛せないのに 夢の中でも 降り続けてる目を覚ましても 降り続けてる止む事のない雨の音 あなたに手をのばすぬくもりのない …
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TALEA DREAM – 高田みち子
まどろむ まどろむけだるく絡む 夏の日差し目覚めの予感はひとり揺られて 波の静寂 あなたに 言えない水辺でなびく 熱の行方知らない誰かと流されていった 難破船 蜃気楼は儚い夢やがてどこかへ指に触れて 重ねた嘘切ない痛みだわ きらきら 煌めく最後の夕日 夏の背中海の底まで蒼く滲む季節を 見つめてた 形の違う 砂の城壊しては 誘う小ビンにつめた「s.o.s.」あなたに届くまで このまま このままあなた…
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Farewell Mr.Old City – 高田みち子
古椅子にもたれ 長い間同じ色の空を見て絶望も裏切りもないかわりにこの街は 君に何も与えない 美しい花よ新しい風に吹かれておいで消えゆくものに 縛られないように振り返るのは ずっと後でいい ハイウェイを下り何度も何度も手を振る今ごろ君は流れる景色の中 不安に押されてもやがて朝暁けが歓びを連れて満ちてゆくだろう 僕は そう闇夜を抜ける 星になろう輝きの中 生きてく君を誰よりも愛している 美しい君よ新し…
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New Life – 高田みち子
ほどけた靴ヒモを結び光の中へ駆け出すこの歓び きみに伝えようOh, Dear Love 風踊る 草の匂い胸いっぱいに 溶ける指先 太陽に届く僕ときみの New Life New Life, New LifeNew Life, New Life 壊れた昨日はただ 古い映画さ今から きみに伝えよう本当の Romantic 詰め込んだトランクに溢れる 未来と思うまま 東から西へ紫の Cadillac N…
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時の涙 – 高田みち子
僕は 惑星を攻めるはみだしてゆくこれじゃ何も見つからない間に合わない ここに来て 僕だけのものと時間が 心 乱すけど 孤独は宇宙に眠る木馬に揺られ 僕は夜を攻める引き剥がしてゆく泣いて「厭だ」と叫んでも可笑っている 過ちは 僕だけのものと?いつになれば 大人でいられるの? 知らない闇が 照らす導かれるまま 誰かが 果てに消える追い越してゆく哀しみに慣れてゆくやりきれない ここに来て 僕の眼を見て若…
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溜め息 – 高田みち子
誰かのための孤独ならもう 嘘はつけない誤魔化し消せない 心この腕をあなたへと伸ばす このまま 揺れながら揺れて 愛しさに誰もいない 夜の向こうへあなたを閉じこめていたい こんな気配幾度も 諦めてきたけどあなたが 最後の罪になると 『愛してる』なんて言えない言葉で なぞるほど色褪せてゆくだけ このまま 揺れながら揺れて あなたへと過去もすべて 優しいはずよ悲しみが見えなくなるまで このまま 揺れなが…
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初秋 – 高田みち子
悲しみ電車に揺られてひとつめの駅は明るい日差しの中に君がいた 僕の姿を見つけたら穏やかな微笑みで窓越しに優しく手を振った 悲しみ電車に揺られてふたつめの駅であの頃の 懐かしい歌が流れていた 淡い夢ごと 青春は振り返るたび 遠ざかる あの日の僕を見かけたよ夕暮れの駅ですれ違い肩越しに希望の風が 吹いていた 悲しみ電車に揺られて面影は遠く空っぽの 手のひら見つめ涙ぐむ 変わり続ける毎日にこの胸の奥 軋…