高峰三枝子

純情二重奏 – 高峰三枝子

森の青葉の 蔭に来て
なぜに寂しく あふるる涙
想い切なく 母の名呼べば
小鳥答えぬ 亡き母恋し

君もわたしも みなし子の
二人よりそい 竜胆摘めど
誰に捧げん 花束花輪
谺こたえよ 亡き母恋し

母の形見の 鏡掛け
色もなつかし 友禅模様
抱けば微笑む 花嫁すがた
むかし乙女の 亡き母恋し

春は燕(つばくろ) 秋は雁
旅路はてなき 孤児ふたり
合わす調べに 野の花揺れて
雲も泣け泣け 亡き母恋し

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情熱のルムバ – 高峰三枝子

嘆きの空の 夕焼けはばらの花より なお紅いもやせ情熱歌えよ ルムバ想い出の 花びらを今宵散らそよどこへ行くのか あの船のなびく煙も 南風ならせ リズムをはやせよ

湖畔の宿 – 高峰三枝子

山の淋しい湖にひとり来たのも悲しい心胸の痛みにたえかねて昨日の夢と焚き捨てる古い手紙のうすけむり水にたそがれせまる頃岸の林を静かにゆけば雲は流れてむらさきの薄き

宵待草 – 高峰三枝子

待てど暮らせど 来ぬ人を宵待草の やるせなさ今宵は月も 出ぬそうな暮れて河原に 星一つ宵待草の 花が散る更けては風も 泣くそうな

しのび泣くブルース – 高峰三枝子

虹の七色 消えたとてせめて紅色 ひといろは燃ゆる心の 奥ふかく秘めてひそめて 思い出にあゝ ひとふしの ブルースに心みだるる この夕べどうせこの世は 流れもの思

燃える瞳 – 高峰三枝子

貴方なしでは さみしくてとても生きては 行けないの泣き泣き今日も 筆をとるだけど だけどなんにも書けない わたしなのいつも冷たい 横顔をじっと見つめる やるせな

おかあさん – 高峰三枝子

ふるさとの風が 心に吹くひるさがりそっと呼んでみたくなる おかあさんあの雲のむこうに 青空があるように悲しみのむこうにいつもやさしいほほえみがおかあさんの おか

懐しのブルース – 高峰三枝子

古い日記の 頁には涙のあとも そのままにかえらぬ夢の なつかしく頬すり寄せる わびしさよああ なつかしの ブルースは涙にぬれて うたう唄ひとつ浮き雲 夜の空なぜ

別れのタンゴ – 高峰三枝子

別れの言葉は 小雨の花か『さようなら』と 濡れて散るあつい情に 泣いたあの夜もはかない ひと夜のつゆかあふるる涙に 夜空がうつる『さようなら』と 流れ星恋のアル

南の花嫁さん – 高峰三枝子

ねむの並木を お馬のせなにゆらゆらゆらと花なら赤い カンナの花か散りそで散らぬ 花びら風情隣の村に お嫁入り「おみやげはなあに」「籠のオーム」言葉もたったひとつ

乙女の戦士 – 高峰三枝子

青い空には 希望の雲があそぶ蝶々にゃ 小ちゃな夢がそうして そうしてうたう乙女の 心の中にゃ誰も知らない 可愛いい秘密誰か泣いてる ミモザの花がかわいそうにと 

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