霧島昇

旅の夜風 – 霧島昇

花も嵐も 踏み越えて
行くが男の 生きる道
泣いてくれるな ほろほろ鳥よ
月の比叡を 独り行く

加茂の河原に 秋長けて
肌に夜風が 沁みわたる
おとこ柳が なに泣くものか
風に揺れるは 影ばかり

愛の山河 雲幾重
心ごころは 隔てても
待てば来る来る 愛染かつら
やがて芽を吹く 春がくる

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誰か故郷を想わざる – 霧島昇

花摘む野辺に 日は落ちてみんなで肩を組ながら唄をうたった 帰りみち幼馴染の あの友この友ああああ 誰か故郷を想わざるひとりの姉が 嫁ぐ夜に小川の岸で さみしさに

三百六十五夜 – 霧島昇

みどりの風に おくれ毛がやさしくゆれた 恋の夜初めて逢うた あの夜の君が今は生命を 賭ける君たそがれ窓に 浮ぶのはいとしき人の 旅すがた我ゆえ歩む 道頓堀の水の

旅役者の唄 – 霧島昇

秋の七草 色増すころよ役者なりゃこそ 旅から旅へ雲が流れる 今年も暮れる風にさやさや 花芒時雨ふる夜は 蟋蟀(こおろぎ)啼いてなぜか淋しい 寄せ太鼓下座の三味さ

湖畔のギター – 霧島昇

山の湖畔の 夕月に咲いた白百合 亡き人恋しかえらぬ君と 知りながら思う心の せつなさよギター悲しや すすり泣き愛の印に 頭字(イニシャル)を君ときざみし 白樺い

胸の振子 – 霧島昇

柳につばめは あなたにわたし胸の振子が鳴る鳴る朝から今日も何も言わずに 二人きりで空を眺めりゃ なにか燃えて柳につばめは あなたにわたし胸の振子が鳴る鳴る朝から

目ン無い千鳥 – 霧島昇

目ン無い千鳥の 高島田見えぬ鏡に いたわしや曇る今宵の 金屏風誰のとがやら 罪じゃやら千々にみだれる 思い出はすぎし月日の 糸車廻す心の 盃に紅はさしても 晴れ

若鷲の歌 – 霧島昇

若い血潮の 予科練の七つボタンは 桜に錨今日も飛ぶ飛ぶ 霞ヶ浦にゃでっかい希望の 雲が湧く燃える元気な 予科練の腕はくろがね 心は火玉さっと巣立てば 荒海越えて

麗人の歌 – 霧島昇

紅い帯締め 花嫁人形明日は売られて どこへゆく泣いてみたとて あの人が告げぬ想いを ああ なんで知ろ夢はやぶれて 花嫁手形はでなたもとが 恥かしや覚めて浮世の 

南進男児の歌 – 霧島昇

きみが剣の 戦士ならわれは南の 開拓士共に明るい 日本の希望に燃える 若き民進め丈夫 われ等こそ南進日本の 先駆者(さきがけ)だいまぞ男と 生れ来て拓け南の 陸

郷土部隊進軍歌 – 霧島昇

兄や妹や 父母の歓呼の声に 奮いたちさらば出征(ゆく)ぞと 故郷を遠く離れて 幾百里来る日来る日の 戦いに刃こぼれしたる 銃剣(けん)の尖(さき)赤い夕陽に き

淀の流れは十三里 – 霧島昇

宇治の流れに桂と木津と溶けて大川十三里淀のな 淀の流れは十三里港 港 で山ほど積んで上り下りの通い船淀のな 淀の流れは十三里雨の降る日は溢れる水を止めて堤が青々

皇軍の戦果輝く – 霧島昇

握る 拳が 感激に燃えてふるえた 大号令臨時ニュースを 聴いたとき胸が 血潮が 沸(たぎ)ったぞグアムで ペンギン 爆沈し初陣飾る 鬨の声競い立ったる 爆弾に焼

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