陰陽座

  • 紫苑忍法帖 – 陰陽座

    名前を 持たずに 生まれた野草を 見逸るは 已む無し何かを 訴う 声さえ何処かで 無くした 侭で あなたを 憶う あなたの 在りし日を行先 累累の 果てに 胸が 病むともわたしの 裡に あなたの 在る 限り零落 犬死にの 相に 呑まれまいと 為るを決して 忘れはしない 生命は 棄てると 覚えた誇りは 掃えと 学んだ骸は 塵なと 肥なと最後は 曝れた 頭よ あなたを 憶う あなたの 在りし日を行先 …

  • 大嶽丸 – 陰陽座

    (壱) 囚われた 心に 其方の 影見返ると 見すこと 強かなる 実に 惘るは 面妖な 真似ぞ逢い 見るのは 晦ます 容貌 夫れ夫れの 想いは 曇りなし見せ掛けの 艶など 要らぬ貴方を 見せて わらわらと 群がる 雑兵共粉々に 捩りて 雷電で 消す あな 見惚るは 剛強の 業よ見据えるのは 破壊の 夜明け 其れ其れや 願うは 腰の物不心得 戯ればむ 者が妾を 欲りて 崩れ落ちる 心嫉し 手を見破りて…

  • 三千世界の鴉を殺し – 陰陽座

    丸い 此の 玉を 隠れて 囓る 鼠零る 選り骸を 杜撰に 捏ねて泥を 塗し 其の 貌を 変えてゆく 三千界やら 三界からよんないもん ないよんなったら主と 朝寝の したやの (おい)七転八倒 言いよっても毎晩 安臥に (はい はい)眠れるようには ならんもんかいな 清い 此の 郷土を 小分けで 捌く 戯け穢し 其の 口で 出鱈目 吐いて他から 放ち 竈ごと 奪いやがる 何 天界やら 各界からしょん…

  • 地獄 – 陰陽座

    無想の 雪が わたしを 廻り 舞う真白な 時間が わたしの 手を 解くの 今 夢の夢絵が 飛び出して 視界が 廻る 根雪の 底は 身体を 温める 夜具睡りの 儘に 雪はね 頃 帰るよ 皆 同じこと眼を 閉じたとき 世界は 終わる 顔のない 狐狸たちが よしなに 生える救われぬ 者たちの 仕事は 其処にある 耳を 塞いで 事もなく声を 歪めて 悪怯れずにやついて 魚免膠も無い 鬼たちが 奴らを 守る…

  • 鈴鹿御前 -鬼式 – 陰陽座

    一時に 抛られた 業物が 閃き変化が 勇み 舞うあしらいを 悟りて 項垂れる 殿御よ其方は 恋人 心 寄せたのは 本の 七日振り彼の 鬼の 継ぎに遮莫 否や 命 果てる迄いざ然ば 番わんと 鬼神女に 惚られた 将星の 秘策は弥縫な 騙し討ち企みを 承知で 狩り場へと 赴き唱うは 忠節 心行合えば 千の 魔を 葬り嫁荷の 代わりに逸り 過ぎたのは 私なる 理合いいざうれ 参らんと 彼の日 見た 虚空…

  • 鬼神に横道なきものを – 陰陽座

    (惨) 強張る 躯籠めに 穢れと 謀を 見ゆ攣も 蹇も 無みして 直に 此の 賊等を 縊る 累世の 業を 振り 撒いて阿修羅の 胤か 其の 傲りに 嘔吐う也 下卑たる 朱塗りの 童 上塗りに 朱を 濺ぎ歯噛みと 戦慄きに落とした 首級も 己が 逝くを 知らず 随気の 極み 人共よ枕く 骨の 主 改め 出直せ 比良に 大江に 郷里を 追われ三年 妊みし 鬼子なれば 見目麗しくも 嫉みの種 蒔いて沙門…

  • 鈴鹿御前 -神式 – 陰陽座

    (壱) 神女の 爪牙に 情は無し如何な 御言の 小瑕も 無きに成す曾ての 同胞と 後る 毋れ 屠るも 除くも尽きせぬ 禍 人の 御手盛りぞ幻怪の 飛礫快哉を 叫ぶ 諸衛 片や 六根清浄で 能う 姫遊天之瓊矛 以て 彼の 尾錠を 壊いで此方 一心三観で 嗤う 鬼衣天の逆手 打ち 呪うは 誰そや 讒言 劣情 主我の 徒 盛るも 萎ゆるも行き連る 旨 聢と 告げ遣れど天性の 魔障尾花色に 染まれ 片や …

  • 深紅の天穹 – 陰陽座

    愚存たる 戯れに 撃って 心無き 層に 問う故になる 廉で 摩天を 為す邪慢なる 公吏の 結締 腥き 族の 僕汚辱では 足りず 閾を 踏む 穹が 燃える 声も 上げず黙止して 纏う 深紅の 極光千の 雨よ 垢穢を 洗え然れど 時勢は 懶惰を 赦さぬ 去年 量れれば今更に 臍を 噬む土壇場で 抛る 訟訴 道理 無き 滓の 決其奴らの 絵図が 郷里 侵す 子らが 副える 由も 知らず挙げ句に 償う 真…

  • 星熊童子 – 陰陽座

    隙孔は 皆無 (皆無) 鉄艦の 居 万劫の 櫑子 (櫑子)絶境の 僧 (僧) 通謀の 輩 密契 結ぬ (結ぬ) 詭謀 鬼の 面目 貶す 如 (罰点)よもや 手引きて 快なる下種腹が 内なる とは 合邦は 耐う (耐う) 別懇の 徒 忘恩の 害 (害)絶叫の 他意 (他意) 剛悍の 錠 斬刑 待たぬ (待たぬ) 頼光 斯かる 狼藉 有り得ぬと (罰点)入りを 許した 茨の同胞を つと 訝る 腐り合う…

  • 誰がために釡は鳴る – 陰陽座

    体 劣勢 もう 観念 すんのんかい何者で 本邸 寒村 参りや精 一杯 合掌 何 崇伝かい抛る物で 焼嗅の 足りる 迷路 敏感な 骨迷路 鳴り 捉えて 心が 奔る 高らかでいて 摂心 乱れず念う 音じゃなくても 在り来 止まらないで柔らかでいて 熱賛 貰えず居らぬ 如 されても 蒼く 煌めく 其の 魂で 態 決定 もう 団参 せんのんかい贋物ぞ 別邸 本尊 在りやそれにつけても 漸漸 解るなり阿っと…

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