野狐禅

  • 自殺志願者が線路に飛び込むスピード – 野狐禅

    「せっかく空を 自由に飛べるようにこんな立派な白い羽根が ついているのにこんなところに 迷い込んできたら意味がないじゃない バカだねぇ」君はそう言うと 便所の小窓を開けふわふわ白い羽根の ついたタンポポの種子をそっと逃がしてあげるのだったケツをかきながら 隣に突っ立っている僕を見つめて「あんたも同じだよ」と 僕の睫毛についた目ヤニを指で弾いた ナメクジみたいに君の体を這う毎日 自殺志願者が線路に飛…

  • ぐるぐる – 野狐禅

    その四角い囲みからは 今にも希望が溢れんばかり卒業アルバムの中の自分の個人写真から 思わず目を逸らしてしまいますあまりの切なさに「遺影!遺影!」などと奇声を発しつつスキップを踏めば 焼酎の空き瓶ふんづけて仰向けにドサリとぶっ倒れました くるぶしを蚊に刺されたときのようなやるせなさをニコチンタールでコーティングされた胸一杯に吸い込めば僕とこの街との絆みたいな 生暖かい夜風がカーテンをトントン叩きます…

  • カモメ – 野狐禅

    僕はもう疲れきってしまってね部屋のカーテンを 全部閉めきったんだよ僕はもう疲れきってしまってねダンボール箱の中に 閉じこもったんだよ 青を塗って白を塗って一息ついてから最後に僕の気持ちを塗った空の絵を描いていたつもりが海みたいになってしまってひらきなおって カモメを描いた 僕はもう疲れきってしまってね部屋のカーテンを 全部閉めきったんだよ僕はもう疲れきってしまってねダンボール箱の中に 閉じこもった…

  • トレインとレイン – 野狐禅

    季節を選ばなければ 日付を選ばなければ旅に出れなくなってしまったのは いつからだっけな立派な意味を見出さなければ 立派な理由を見出さなければ旅に出れなくなってしまったのは いつからだっけな 君が素敵な運動グツを プレゼントしてくれた例えばそんくらいのことでよかったよなそんくらいのことで どこまでも走り続けていけたよな ああ 列車に揺られ 心の雨雲の下をぼくのスタート地点はどこだ?トレインとレイン …

  • 地獄 – 野狐禅

    銭でも降ってこないかとアホ顔で空を見上げれば慰めみたいな粉雪が灯油臭いジャンパーに落ちる 閉じ忘れた瞼の奥に朝日が差し込んでくるバイト雑誌を放り投げ冷めたメシに箸を突き立てる 過去を消せる消しゴムをくれよついでに今を消せる消しゴムをくれよ天国なんてものからは程遠く暮らしというよりはむしろ地獄 笑っちまうのはそれでも明日を信じていることさ 引き出しの奥の小さなアルバムをパラパラとめくってみればあの頃…

  • さよならの唄 – 野狐禅

    今までぼくらが交わしてきた色とりどりのさよならを大学ノートに並べたら貼り絵みたいで哀しいね 私はもう出会いたくない私はもう一人ぼっちがいいそんな本音さえも打ち明けられるそんなあなたに出会えたらな あの人は青だった あのこは赤だったあいつは茶色を装った銀色であのヤローが意外にもオレンジ色だと知ったときはいい意味でほんとにビックリしたもんだよな 私はもう出会いたくない私はもう一人ぼっちがいいそんな本音…

  • ローアンドロー – 野狐禅

    夢はいつだってムシのいいもの あんまり眩しく描きすぎたものだから闇雲に目を伏せあったら 僕の姿もうつろい消えゆくだろう 誰もが踏みしめてきた諦めの轍や きらびやかな果てに見えなかった現実やあるいは一つ咲かせた幸せのはなむけに 季節はうつろい消えゆくだろう それでもくすぶり続けている あてどない時間をもがき苦しんでゆくきっと それは惨めだろうけど そこに何か見えるならば進む道は そこしかない進む道は…

  • シーグラス – 野狐禅

    私が全てを歩みきってスッカラカンの空き瓶になったそのときはどうか私をヒョイとつまみあげ大好きなあの島の海にポチャンとやっちまってください 漂って 漂って その身を細らせて漂って 漂って その身を縮ませて消えてなくなってしまうその前に君のペンダントになれたらな 例えば君が歩くときは一緒に跳びはねてあげられるような例えば君が眠るときは君の心をそっと撫でてあげられるような 漂って 漂って その身を細らせ…

  • あほみたい – 野狐禅

    夕立は私のつむじを三連符で小突いて全てを忘れさせるような 思い出させるような あほみたいほーみーたいあほみたいほーみーたい 雑踏に消えて行く 君の後ろ姿を内緒話のように ひそひそ話のように じっと見つめていた あほみたいほーみーたいあほみたいほーみーたい 人気の新着歌詞 東京紅葉 – 野狐禅 近頃 君の夢ばっか見て 寝起きどうも切ないから近頃 俺 いっそ寝んのやめた目ん玉血走って 若干…

  • えいえいおーと泣くのです – 野狐禅

    喉を詰まらせた掃除機みたいうー うー うー 唸ってばかり 首のひん曲がったギターみたいどうにもこうにも 調子っ外れてばかり えいえいおー えいえいおー えいえいおーと泣くのですえいえいおー えいえいおー えいえいおーと泣くのです 君にもう一度 ぼくの本当の走り方を みせてやりたくってよ 君にもう一度 ぼくの本当の声を聴かせてやりたくってよ えいえいおー えいえいおー えいえいおーと泣くのですえいえ…

Back to top button