谷川さと美

  • 波止場のカモメ – 谷川さと美

    出船の霧笛が あの人連れて雨の中へと 消えていく別れの理由(わけ)を 知りながらさよならいえずに背をむけた 鴎よ かもめ わたしを責めないで羽根があるなら… 涙をふいて追ってゆきたい 波止場のカモメ あの日の入り船 うわさを袖に日暮れ冷たく 逃げてゆく何時(いつ)かはきっと 帰るよね恋しさ憎さが渦をまく 鴎よ かもめ 待つ身がつらいのよ沖をみつめて… 泣き叫んでも汐風(かぜ)にちぎれる 波止場のカ…

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