西山ひとみ

  • 夜明けのタブー – 西山ひとみ

    だますなら 死ぬまでだまし続けて欲しいそんなことを言うけど嘘は嘘むなしいものよ今さら懺悔はタブー探りすぎるのもタブーだけどふたりきりになればうそのように 消え去るタブー過去を悔やむのは 人生のタブー 雨の音 聞いてる眠れぬままの夜明け思い出すのはあなた信じてはくれないでしょう今さら電話はタブー女の涙はタブーだけどふたりきりになれば夢のように 消え去るタブー恋をやめるのは 人生のタブー 夢のように …

  • 大阪の雪 – 西山ひとみ

    なんねんぶりやろか大阪に雪が降るこの頬につめたい口づけをくれるの好きで 好きで 好きで 好きで どうにも好きで 好きで 好きで 好きで ならずに都会の雪は純でもつもれば邪魔になる身を引くときめていたあんたを泊めた日から ほの暗いこの部屋でもう少し眠ってて人生に愛より深い罪ないから好きで 好きで 好きで 好きで わかれて好きで 好きで 好きで 好きで ゆくけどつぐなうように生きても不幸なわけじゃない…

  • 魂のラバンバ – 西山ひとみ

    バイラ バイラ ラ バンバ 何も言わずバイラ バイラ ラ バンバ みつめて踊りましょう 愛のドレスは裏切りに濡れたら 溶けてしまうのバイラ バイラ ラ バンバ 幻ならバイラ バイラ ラ バンバ ケセラセラ風になびく 髪にさえも触れず心だけで 別れ惜しみましょう明日からは わたし一人 踊る夜明けまで最後まで魂のラバンバ バイラ バイラ ラ バンバ シャツのうでをバイラ バイラ ラ バンバ まくって踊…

  • ゆうぐれ文庫 – 西山ひとみ

    あの子のことは もういいよどうか倖せ みつけてね彼岸参りの 帰り道どしゃぶりのバス停でつぶやいた お義母さんあなたを愛した 女が二人あなたを失くした悲しみを競い合いながらただささやかに 生きると決めた夕暮れの ものがたり わたしの知らぬ あの人の子供の頃をぽつぽつとやんちゃなくせにやさしくてそのままに育ったと微笑んだ お義母さんあなたを愛した 女が二人あなたを失くした悲しみを競い合いながらただひそ…

  • 薔薇と檸檬 – 西山ひとみ

    薔薇と檸檬 薔薇と檸檬 薔薇と檸檬棘のないバラ薔薇と檸檬 薔薇と檸檬 薔薇と檸檬甘いだけのレモン誰だってそんなもの 欲しがりはしないわ 床に転げ落ちた黄色いレモンつけた歯形さえも愛しいなにもかもがとても嬉しい若い 激しいジェラシーも 薔薇と檸檬 薔薇と檸檬 薔薇と檸檬貴方の指の中で薔薇と檸檬 薔薇と檸檬 薔薇と檸檬命枯れたけど女として最高の人生だったわ なんてあなた 一途(いちず) 可愛い愛人(ア…

  • 冬ホテル – 西山ひとみ

    どうして男は 浮気をするの?それとも全てが 本気と言うの?困らせながら 戯れながらあなたの胸に 身を投げる キャンドルが ゆらめいて涙を流して 燃えている冬ホテル 忍び逢うふたり白い壁 吠える影かなしい獣は わたしなの? どうして女は 淋しくなるの?それとも男も 淋しいかしら?こころの隙間 身体で埋めて眠れるならば それでいい キャンドルが ゆらめいて涙を流して 消えてゆく冬ホテル 嘘つきなふたり…

  • 裏切りの花 – 西山ひとみ

    あなたを死ぬほど 傷つけたいのふたりが出逢えた 足跡だから綺麗な夢で 消えるのはいや酷(ひど)い女だと 覚えてて 裏切りの花 昼顔はからみつき しがみつき 生きてゆく花ひとりきりでは 枯れてゆくだけあなただけはと 信じてた さよなら聞いたら 生きてゆけない棄てられる前に 棄ててしまうの男の時計 ベッドに置いて三文芝居の 捨て台詞 裏切りの花 昼顔はからみつき しがみつき 生きてゆく花あなたの愛に …

  • 大阪・あんたの街やから – 西山ひとみ

    あんたとあたしは 十五のあの夏天神祭(まつり)で 知りおうていつか天満に 北向きのマンション見つけ 同棲(くら)したわ大阪は捨てても… 忘れん言うけれどそれより叶えて 東京であの夢恋はいつも 本気やけど涙みせずに 見送るわ ほんまにゴメンと 謝(あやま)るあんたの背中の向こうに 陽が沈むネオン浮かべた この道頓堀川(かわ)をこの次見るの いつやろね大阪は捨てても…やさしい街やから許してくれるわ 上…

  • 圭子の夢は夜ひらく – 西山ひとみ

    赤く咲くのは けしの花白く咲くのは 百合の花どう咲きゃいいのさ この私夢は夜ひらく 十五、十六、十七と私の人生暗かった過去は どんなに暗くとも夢は夜ひらく 昨日マー坊 今日トミー明日はジョージか ケン坊か恋ははかなく 過ぎて行き夢は夜ひらく 夜咲くネオンは 嘘の花夜飛ぶ蝶々も 嘘の花嘘を肴に 酒をくみゃ夢は夜ひらく 前をみるよな 柄じゃないうしろ向くよな 柄じゃないよそ見してたら 泣きを見た夢は夜…

  • 想い出ぼろぼろ – 西山ひとみ

    ドアを細目に開けながら夜更けにアイツが 帰ってくる蛇口に顔を 近づけて水飲む音が 聞こえてくる言い訳繕う その前にやさしさ装う その前に聞いておきたい事がある…だけど幸福ぼろぼろ こぼれるから寝がえり打って夢ん中 時計をはずす影一つ薄明りの中 映っている着替えの間 漂うは私の知らない 移り香だよ言い訳繕う その前にやさしさ装う その前に聞いておきたい事がある…だけど涙がぼろぼろ 溢れるから布団かぶ…

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