菊池桃子

鏡 – 菊池桃子

やっと涙が止まった午後
一番好きな ドレス着て
街に…出た。
軽い…スキップ始めて
笑って…みた。
私、ほら元気でしょ?

でもあの店の 大きな鏡
のぞけば心 写ってしまう
過去も未来も今日の涙も
隠せない。

子供だった遠い日よ
パパに小さな ウソついて
黙って…いた
誰も…気づかずいたけど
鏡には
憂い顔 写ったの。

そう あの日から見つけ出したの
鏡が魔法 持っていること
鏡よ鏡 今の自分を
確かめて―。

何 愛するか?
何 求めるか?
何 秘めてるか?
すべてが写る。
鏡よ鏡 今の私が
そのままに

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