草笛四郎
おんな無情 – 草笛四郎
伊豆はおぼろ夜(よ)十三夜
傘はいらないこころ雨
濡れてみたさのひと夜の縁(えん)が
忘れられないひとになる
いっそ縋(すが)れりゃよいものを
縋れないほど惚れました
遊び上手をよそおう裏に
かくす涙のせつなさよ
明けの明星(みょうじょう)消えたのに
残る胸の火消せもせず
きついこはぜの五つ目はめて
帰るうき世にしみる雨
伊豆はおぼろ夜(よ)十三夜
傘はいらないこころ雨
濡れてみたさのひと夜の縁(えん)が
忘れられないひとになる
いっそ縋(すが)れりゃよいものを
縋れないほど惚れました
遊び上手をよそおう裏に
かくす涙のせつなさよ
明けの明星(みょうじょう)消えたのに
残る胸の火消せもせず
きついこはぜの五つ目はめて
帰るうき世にしみる雨
花は美しく散りゆくもの人は儚く終わるものあぁ我れ切なくも人と生まれし大きな花 小さな花 愛の花 恋の花花は咲けど散ることも知らず愛(いと)おしやおんな悲しくもひ
淡(あわ)い着物を 選んできたの華(はな)はないけど ひそやかに今か今かと 忍び忍んでこの日をじっと 待ちわびたあゝ 愛して命も あずけたのわたし わたし わた
人の幸せ ふしあわせ心の持ちよう ひとつやで春まだ遠いと 云わんでもやっとここまで きたやない今日はふたりに めぐみ雨こみちの蕾(つぼみ)に ふりそそぐぬれて帰