花京院しのぶ

  • つわぶきの花 – 花京院しのぶ

    あんないい人 いないわと意見聞かずに 列車に乗った秋の陽ざしに 揺れているつわぶきの花 親ごころ親を棄てても 男のもとへ走った娘を 叱れない むかしわたしも 父さんに惚れて駆け落ち して来たものよ今はひとりに なったけどつわぶきの花 咲き匂うあの人誰にも 譲られないとみつめた娘の 目がつらい 先が見えない ふたりでも力あわせて しあわせになれ動く列車の 窓にみたつわぶきの花 色を増すいのち投げ出し…

  • 望郷やま唄 – 花京院しのぶ

    赤い 赤い夕日の向こう遠い山並み ふるさとは しんしんと雪かじさま晩酌 ばさまはこっくりこみんな達者か かあさんもイヤー イディア 逢えず三年 また二年三味が道づれ 望郷の ああ一人旅 泣いて 泣いて別れた駅の空にひと筋 流れ星 遠ざかる汽笛思い出すたび 頬ぬらすのは涙なんかじゃ ありませんイヤー イディア かわいがられた あの夜の夢はそのまま 夢のまま ああおんな旅 花が 花が咲いたら花にりんご…

  • 望郷新相馬 – 花京院しのぶ

    花は咲いても 淋しいものは人の別れと 春の雨会津恋しや 遠い空帰りたくてもナー 帰れはしない土産ばなしも ない今は ない今は ハアー はるか彼方は相馬の空かヨー ナンダコラヨート 雪は解けても 故郷の里は夢も咲かない しばれ空何度飲んだか ご免酒飛んで行ってもナー おふくろさんは肩ももましちゃ くれんだろ くれんだろ いつになったら ひとこと言えるかけた不幸の 詫び言葉夜行列車の 遠あかり今日も涙…

  • 望郷五木くずし – 花京院しのぶ

    故郷は どんなに どんなに 遠くてもいつもこころの 中にある夕焼け ネムの木 母さんの背中が恋しい 子守り唄おどま 盆ぎり 盆ぎり盆から先きゃ おらんど盆が早よ来りゃ 早よ戻る 故郷に 残った いとしい あの人は今じゃやさしい 人といるたまには 電話を くれるけど訛りも似ている 父さんにつらい 恋して夢から 醒めりゃよもっと他人に なるばかり 故郷は 涙の 涙の 隠し場処(ばしょ)何度埋(うず)め…

  • 望郷よされ節 – 花京院しのぶ

    星が星が 星がまたたくよ遥か故郷は その向こう風のすきまに 望郷よされコップ持つ手が かじかむ冬だああ 帰ろかな 帰ろかな よされの里よよされ よされ ああ…… 酒に酒に 酒におぼれてよぐずる ぐずる はぐれ者夢もちぎれた 他国のくらしいまじゃ会えない あの子やあいつああ 呼んでいる 呼んでいる よされの里よよされ よされ ああ…… 雪は雪は 雪はどか雪よ山に里に 降りつもる北の念仏 あのわらべ唄…

  • 津軽の舟唄 – 花京院しのぶ

    風が 風があばれる 吹雪になるか海猫(ごめ)が時化(しけ)だと さわいでる十三(とさ)の湊は 恋港せめて釣ろうか あの娘(こ)を陸(おか)でおとこ追分 岩木山惚れて冬越す エンヤコラサノ エンヤラセ 首に 首に手拭 巻きつけながら沖の向こうに 手をあわす恋の水揚げ 神だのみあの娘(こ)内気な とべないカモメこころ深浦 五所川原波は片恋 エンヤコラサノ エンヤラセ 露地を 露地を曲がれば いつもの酒…

  • 望郷あいや節 – 花京院しのぶ

    あいや あああ あーあれをごらんよ 寄り添うカモメ幼なじみか 恋仲か津軽はるかに 風の中あいや あああ あー はぐれ旅あとを追うのかヨォ ふたりづれ あいや あああ あー遠い山なみ 夕陽の港夢をぬくめた 北の町瞼とじれば なつかしやあいや あああ あー 祭り唄姉や弟はヨォ 達者でか あいや あああ あーなみだ隠して 飛んでけカモメ赤いくちばし ふるわせて津軽海峡 雪が舞うあいや あああ あー 波の…

  • 望郷さんさ時雨 – 花京院しのぶ

    遠い恋でも 想い出傘はあなたに寄り添う ふたつ傘そっとつないだ 指と指命を預けた 恋でしたほろり ほろほろ 涙ぐせさんさ時雨が また降りかかるションガイナ お国なまりで 互いの名前笑って呼び合う 雨の宿いろり囲んで ふたり酒しみじみこころに 沁みました今も 消えない 面影がさんさ時雨が また酔わせますションガイナ 夢に出てくる あなたの傘は追っても追っても 遠くなるどこで暮らして おられます今でも…

  • お父う – 花京院しのぶ

    お父うナーヨー 帰って来やれ故里(くに)の津軽を 忘れたか逢いたさ辛さで 身もやせる手紙書くにも わからぬ居場所早くナーヨー肩を寄せ合い 暮らそじゃないか お父うナーヨー 帰って来やれいろりかこんで 温まろや心配ばかりが 先にたつたった五人の 家族じゃないかお父うナーヨー風に吹かれて 飲んではないか お父うナーヨー 帰って来やれ生まれ故郷は いいもんだ離れていくとせ ちぎれ雲誰もお父うを 恨んじゃ…

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