美貴じゅん子

  • 待ちわびて…人生 – 美貴じゅん子

    通り雨降る夜は なぜかあなたがドアを忘れ物 したように叩く気がしてワイングラス二つ 薄い口紅(べに)をつけ馬鹿な一人芝居心の隅 まだ信じてる上手な嘘を泣きぬれて 待ちわびて… それも人生 あなた残したものは 肌のぬくもりひとつ甘えてた その胸を夜が探すのこんなつらい恋と 知らずめぐり逢い堕ちてしまうなんてなつかしいわ 少女の頃が無邪気な頃が今はただ 待ちわびて… それも人生 悪い思い出なんか 棄て…

  • 流氷たずね人 – 美貴じゅん子

    凍りつくよな 岬の果てになぜに鴎よ ついてくる愛の旅路は 追いつけますか想う心の すれちがいなりふりかまわず 抱かれてみたい今日も流氷 たずね人 胸はあれから 雪降るばかりいくら季節が めぐっても浜の焚き火(たきび)に あたれと言われ涙よけいに あふれ出す知らない誰かと 暮らしてますかつらい夢見る たずね人 流れ流れて 岸壁白く行き場失う オホーツク鴎お帰り 風邪引く前に北の祈りは ひとりきりあな…

  • 夢ある限り – 美貴じゅん子

    まるで夢みたい ここにいるなんて広いステージ 今日も歌ってる暗いトンネルを ずっと歩いてた長く冷たい 道を抜け出せずだけどあなたが いてくれたいつも私を 見てくれた励まされ 支えられ 今日も歌ってるありがとう…声の限り伝えたいありがとう…たったひとつだけ ありがとう今もこれからも どうか見ていてほしい信じたこの道を 歩いてゆく たとえ客席が 遠く暗くてもいつもあなたが そこに見えるから夢を失くさず…

  • 海峡流れ星 – 美貴じゅん子

    しぶき舞い散る 岬に立てば涙ひとすじ 夕陽に染まる汐風(かぜ)に混じって あなたの声が海の向こうに 聞こえてくるの逢いたくて 逢いたくて 星になり飛んで行きたい 海峡流れ星 なにが二人を 引き裂いたのかそれをさだめと 言われてみても愛は負けない 世間とやらに命ささげた ひとりの男(ひと)よ手を伸ばし 手を伸ばし 星になり光放つの 海峡流れ星 響く潮騒 伝えておくれ燃える心は あの日のままよいつか必…

  • 三日月まいご – 美貴じゅん子

    夜明けの窓に 三日月この胸うずく 傷の形あなた見送り ひとりの部屋で肌のほてりを 抱きしめワイングラスを 飲み干すなぜ涙が出るのただ待つだけの 三日月まいご 人目を避けて 逢う毎(たび)離れられない 傷が燃えるあなた別れを 切り出さないでガラス細工の はかない風にふるえる 恋ですなぜ出逢ったふたりさだめのような 三日月まいご 朝には消える 三日月どこへ行くのよ 傷のままであなた苦しい 想いを残すだ…

  • 水の炎 – 美貴じゅん子

    約束なんて もらわなくてもいいのよ二人 寄り添いあえばあなたの寝息 一時間でも感じていれば 幸せだからどんなに愛しても 報われない愛は涙の水の底 炎になるのです誰にも知られずに 心に閉じ込めて涙の水の底 静かに燃えながら 激しい恋は あこがれるけど壊れてしまう 明日が怖いあなたの指に つかまりながら行くあてもなく 流れて行くのどんなに愛しても 報われない愛は涙の水の底 炎になるのです夢見ることより…

  • 放浪かもめ – 美貴じゅん子

    日暮れ海鳴り 聞きながらお酌する手も なれました流れ女の 身の上をあれこれ聞かれて はぐらかし「かもめ」と言う名の 仇名(あだな)をもらい港はずれで 空騒(からさわ)ぎ 酔いにまかせた 口説きでもどこかうれしい 朱(あか)い頬みんないい人 ばっかりでどなたのものにも なれないと「かもめ」は陽気に すいすい渡り暖簾しまえば ひとりきり 出船入船 盛り場は恋も一夜の ものがたり胸に眠った はずなのに夜…

  • 雪の海 – 美貴じゅん子

    飛沫(しぶき)あげる 雪の海滾(たぎ)る 吠える 叩くやせた女が 独り立ち尽くすあなたを捨てて 自分を捨ててふぞろいの恋 断ち切れるならああ このまま雪になって海に 沈んでしまいたい 星も見えぬ 凍る海寄せる 弄(なぶ)る 刺さる流れ女が 辿り着いた場所過去(きのう)を捨てて 明日を捨てて人知れずただ 泣いていいならああ このまま雪を抱いて独り 凍えてしまいたい あなたを捨てて 自分を捨ててふぞろ…

  • 桜色のオ・ヴォワ – 美貴じゅん子

    サテン纏う夕映えに 誘(いざな)われた 長い影私のタブリエを着て 絵を描くあなたへと今は胸の中で 手を振るのよ恋の花は 枯れて オ・ヴォワ 桜色に暮れる街 ゆくあてなき まぼろしよ星のみえる丘のもと ほほえんでるあなた今は夢の中で 語らうだけ二人が暮らした 部屋に オ・ヴォワ 恋の月はすみれ色 みちびかれた 絵の二人はじまりの駅に降りて あなたもそこにいたいまは時の中で 見つめるだけ新しい夜明け …

  • 風にさそわれて – 美貴じゅん子

    北風 氷雪 広がる荒野に生れながらの阿呆一筋むずかしい事は あとまわしやれるものから やればよし風にさそわれ 人に流されていい事 欲しけりゃ まわり道 流氷 寒流 しばれる海原思いどおりにならぬ この世に父親(おやじ)の教えは ただひとつ損を承知の徳をつめ月の灯りに 見えることもある最後に 拾える こともある 風にさそわれ 人に流されていい事 欲しけりゃ まわり道 いい事 欲しけりゃ まわり道 人…

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