美松弘二

  • 城崎の夜 – 美松弘二

    恋にふるえる 城崎の夜はあやしい 湯のけむりだめよだめよと ふりきる肩に何であなたは くちづけるああ 悪い人 罪な酒城崎の 城崎の 夜に泣きたい ひとにかくれて 泣いている愛が寂しい 湯島町よしてよしての くちぐせばかり思い出させる 水の音ああ 悪い人 罪な町城崎の 城崎の 夜がせつない 風が静かに 城崎の夜をたたいて 来るとゆういやよいやよと 言いきれないで愛の名残りに 身をまかすああ 悪い人 …

  • 湯の花の夜 – 美松弘二

    別れの夜の つれなさを情のあやが ひきとめる許して下さい 許して下さい肩で呼吸する 白衿の色も仄かな 影障子ああ 湯けむりの夜湯の花の夜 乱れた帯に 顔ふせてあまえてみせる 京人形涙を下さい 涙を下さい夜が流れる 稗田野の淡い夢です こころですああ 山里の夜湯の花の夜 保津川つつじの こぼれ散る小さな庭の 石畳忘れて下さい 忘れて下さいそっと も一度 頬寄せて哀の別れを かみしめるああ 湯けむりの…

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