竹山逸郎

大江戸七変化 – 竹山逸郎

男 落目が 大事と知れど
黄金の夢を 砕かれりゃ
影もやつれる 血の涙
えがく大江戸
えがく大江で アレサエ 七変化

好いた同士が 相合傘で
はだしで 濡らす袖ならば
なんの辛かろ情づく
投げたからだに
投げたからだに アレサエ 花も散る

ちっちゃかろうと 隅田の育ち
白魚の目は あの黒い
意気でぶつかりゃ 柳河岸
月にくずれる
月にくずれる アレサエ 泥人形

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国境に咲く花 – 竹山逸郎

鈴の音たよりに越える国境よオゴニカ赤く沙漠に咲けど暮れる夜空に星も見えずランタンの暗い灯にまた浮かぶ あゝゝあゝゝ 夢よ吹く風身を切る北の国境よ鞭(むち)音高く

別れの夜汽車 – 竹山逸郎

送りましょうか 送られましょうかつらい別れの夜汽車の笛よめぐり来るやら 来ないやらまた逢うときが男 泪を笑顔でかくしゃ たばこが苦いなまじ情は 泣かせるばかり無

泣くなタムタム – 竹山逸郎

街の灯り 街の霧濡れて哀し わが影よめぐる月日 旅の空泣くな 泣くな タムタムよ知らぬ他国 知らぬ花あの娘(こ)いとし わが恋よ旅に流れ 逢えぬさだめ泣くな 泣

国境の船唄 – 竹山逸郎

磯の千鳥か 身は浮舟の夢もかなしや 荒波まくらあゝ国境の国境の港の灯り燃えてしみゞ 誰をまつ月のデッキに 飛沫(しぶき)を浴びて見れば果てない 千里の潮路あゝふ

東京どろんこオペラ – 竹山逸郎

青いあの土手のあの娘が来たよワシの顔見て一目で惚れたチュウ……とこられて昼寝の夢がさめりゃワン公がなめていたどろんこ浮世も天国だスットン どろんこ ペロペロスッ

銀座三四郎 – 竹山逸郎

月が冴えれば こころも冴えて男が今宵 たどる道何んで知らさりょ 女の胸に銀座三四郎よ 何処へゆく一度誓って 封じたからはこらえこらえた 腕なれど街の狼 咆えれば

異国に祈る – 竹山逸郎

雪の曠野の 空に呼ぶ妻よわが子よ 父母よたとへ異国に 果てるとも届け祖国へ あゝ この一語荒ぶ吹雪に 身も凍る辛さ苦しさ 切なさよウランバートル 暁に祈る春の日

シベリア定期便 – 竹山逸郎

津軽の海の白鳥よ心あるなら伝えてよあゝたゞひとり渚に立ちて待つこゝろはるかなるシベリヤの空今日も暮れゆくたゞよう波の渡り鳥白き翼のかなしさよあゝ流れ星祈りて待ち

異国の月 – 竹山逸郎

おなじ明るく 照ればとて異国の月の つれなさよじっと堪えて 還るまでさみしいでしょうが お母さん月にはるばる 行く雁をいく秋友と 数えたかじっと堪えて 戀(こい

旅路の果ての港町 – 竹山逸郎

赤い夕日が まぶたに滲む流れの果ての 港町抱いたギターに思いを寄せりゃ捨てた故郷も 君ゆえ恋し暮れりゃ灯影も はかなく暗く港の風に 花が散る泣くなギターよ旅路は

小雨降る城ヶ島 – 竹山逸郎

小雨降る城ヶ島白き燈台千鳥は波に泣き濡れてあゝ 君は帰らぬ人三崎はけむる小雨降る城ヶ島遠き思い出白帆も濡れて帰る船あゝ 君は悲しき夢三崎はかすむ

国境のバラライカ – 竹山逸郎

バラライカ あゝバラライカふるさと恋し バラライカ胸にしむ 哀しき調べ紅い夕陽は 沈みゆくはるかな あの空よなつかしの あの空よ果てもなき あゝさすらいをともに

浅草の肌 – 竹山逸郎

覚えているかえ お月さんトチチリチンの 姐ちゃんをチラとなびいた デアボロの長いマントも なつかしや浅草の肌 若い肌瓢箪池面(ひょうたんいけも)の お月さんわた

今日われ恋愛す – 竹山逸郎

夢の花房 抱きしめて慕えば涙 あふれくる語れよ モナ・リザ微笑(ほほえ)みの謎きみに 今日われ恋愛すサリー 夜の名 絹の肌秋波(ながしめ)あまき 歌姫の銀座を離

月よりの使者 – 竹山逸郎

白樺ゆれる高原に龍胆(りんどう)咲いて恋を知る男の胸の切なさを啼け啼け山鳩 幾声も夜霧の駅に待つ君のおもかげ強くふり捨ててはかなや月に泣き濡れし白衣の袖よ いつ

異国の丘 – 竹山逸郎

今日も暮れゆく 異国の丘に友よ辛かろ 切なかろ我慢だ待ってろ 嵐が過ぎりゃ帰る日もくる 春がくる今日も更けゆく 異国の丘に夢も寒かろ 冷たかろ泣いて笑って 歌っ

武蔵野エレジー – 竹山逸郎

月にひと声 「グッド・バイ」とつげて残して 武蔵野原の青葉のかげの 川霧夜霧消えて行く身は 夢の夢君を命の 春の灯としたいまつりし せつない恋よ世間も親も ゆる

恋も涙も夜の雨 – 竹山逸郎

恋も涙も 夜の雨泣いてみたとて 添えぬひと赤いグラスに 燃えのこる見果てぬ夢の 切なさよ暗い浮世の 窓ガラス細る夜毎の 影法師誰もつらくは あたらぬに泣くかお前

青春ブギウギ – 竹山逸郎

楽しわが青春(はる) 街のひと角花売る店に よればわが胸喜びあふるあの花より この花よりうるわし花はやさし笑顔で 花売る乙女楽しわが青春 口笛吹いて花咲く丘に 

誰か夢なき – 竹山逸郎

思いあふれて 花摘めば白い指さき 入日がにじむあざみなぜなぜ 刺(とげ)持つ花かたとえ ささりょとあぁ 誰か夢なき森の梢に 照る月もくもれ男の 切ない涙つよくあ

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