石原詢子

  • 愛はかげろう – 石原詢子

    窓ガラス 流れ落ちてゆく雨を細い指先で なぞってみるくもりとかして すべる指先に伝わる冷たさ 心にしみる忘れ去られた 部屋の片隅貴方の影 今もゆれてる 愛はかげろう つかの間の命激しいまでに 燃やし続けて別れはいつも 背中合わせに人の心を ゆらして 別れ言葉を 口にする貴方はいつもとちがって やさしすぎたはき出すタバコの 煙の影が教えてくれた 偽(つく)り言葉とあつく いだかれた日々を倖せと言えば…

  • 恋雨~KOISAME~ – 石原詢子

    振り返るのは 今日が最後よ報われないと わかっていたわ何度 時間を巻き戻してもきっと あなたを好きになる 冷たい雨が 私を濡らすこの想いは届かない… 冬の空を 見上げてみる悲しみ色に染まる時雨はやがて 霙(みぞれ)になる恋雨 降りしきる 「愛してる」より 深い言葉があるとしたなら 伝えていたわけれど あなたと見えない明日(あす)を歩くことさえ できないの 冷たい雨は 私を濡らし傷跡だけ残してく… …

  • 母春秋 – 石原詢子

    楽に楽しく 生きてく道はたくさんあったと 想うけど母さん… あなたが 選んだ道は家族(まわり)を楽しく することでした空ゆく雲に 吹く秋風(かぜ)に追憶(おも)う涙の 母春秋 冬に埋もれて 春待つ花は強さと優しさ 福寿草母さん… あなたの 笑顔の裏のこぼれる命の 強さが欲しい降り積む雪の 白さよりこころ清らな 母春秋 落ち葉カサコソ 転がる先に必ず待ってる 春がある母さん… あなたが 歩んだ道を一…

  • 風花岬 – 石原詢子

    風に 風に… 風にひらり青い空へと 舞う風花心を突き刺す 未練などすべて捨ててしまいたいあなた あなただけが いないのよひとり ひとりの 風花岬 雪が 雪が… 雪がちらり頬に冷たく 舞う風花行き場をなくした 愛なんて風に乗って飛んでゆけわたし わたしだけが 独りきりなみだ なみだの 風花岬 花は 花は… 花はふわり胸の隙間に 舞う風花愛した人には 愛されず泡のように 消えた日々あなた あなただけが…

  • 五島椿 – 石原詢子

    白い灯台 島の風恋をしたのは 椿の咲く頃ふたりのしあわせ 教会(ここ)で誓ってこの島で あなたと生きてゆく五島椿は 縁結花(むすびばな)私の胸に咲く 恋の花 紅く色づく 島椿夢を紡いで しあわせ探すのぬくもり分け合い いのち重ねいつまでも あなたのそばにいる五島椿は 縁結花(むすびばな)心に凛と咲く 恋の花 冬の寒さに 耐えるから強く芽吹いて 五島(しま)に春が来る明日(あした)を信じて 灯すあか…

  • 流れる雲に – 石原詢子

    ふわり ぽっかり浮かぶ雲くっ付いたり 離れたりまるで私たちのようねケンカして泣いて ブルーになるの仲直りしたら 寄り添う雲のように 優しくなるの流れる雲に身をまかせふわり ぽっかり揺られよう行き先なんて 見えないけれどあなたとならば どこへでもゆける ふわり ぽっかり浮かぶ雲動き出した 時の空そうよ 晴れたり曇ったりわた雲のように いつしかそれが雨風に打たれ ちぎれ雲になろうと 再び会える流れる雲…

  • 夜汽車 – 石原詢子

    夜明けには粉雪が景色を変えるでしょう凍てついた暗闇の奥へ、奥へと夜汽車は走る愛はお祭りですか笛や太鼓のにぎわいに浮かれても、はしゃいでも夢のまんなかでサヨウナラハラハラ このからだ元に戻してとハラハラ 泣きながら破った写真つなぎます 堅いイス揺れるたび思い出が突き刺さる冷めたお茶 くちびるが熱いくちづけしのんではじくいつも寝物語りで明日を約束しましたね赤い糸見えていたあの日、あの頃がなつかしいハラ…

  • 予感 – 石原詢子

    あなたは長い道を 走りすぎたのゆっくり歩きましょう違う夢が見えてくる少女のようなあどけない心で抱いていてあげたい 一晩中……疲れたあなたがとても愛しい誰にも言えない事も 隠さないで 両手を伸ばすけれど 遠い星空あなたを愛しそうな予感だけが降りてくる私の胸で生き返ってほしいなつかしい匂いに 顔うずめて……心配しないで眠り続けてこの世の出来事すべて 忘れるまで 少女のようなあどけない心で抱いていてあげ…

  • 一途 – 石原詢子

    指先 ひとつ 見ただけであなただって わかるのよその手に 私は支えられ生きてきたのよ この道をふたり 心 重ねながらあなたと暮らして いけたら…いい 足音 ひとつ 聞くだけであなただって わかるのよどんなに 険しい 山道もうしろ姿が 道しるべふたり 愛を育てながらあなたと歩いて 行けたら…いい グラスを ひとつ 持つだけであなただって わかるのよぬくもり 少ない 街だけどついて行きます どこまでも…

  • 月のエレジー – 石原詢子

    月がでた 月を見てたら訳もなく 涙が落ちたこの都会(まち)は 他人ばかりね誰もみな ひとりぼっちよ あの人は やさしかったよ抱かれたら 暖かかった愛なんて いつか醒(さ)めるわこころには 雪が舞ってる 泣かないよ 泣けばなおさら惨(みじ)めだよ 生きてることが故郷(ふるさと)の 母の背中の子守唄 聞いて眠るわ 月がでた ビルの谷間に寒々と 草花(くさばな)照らす叶うなら 月の光よ幸せな 夢を見させ…

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