石原詢子

  • 風花岬 – 石原詢子

    風に 風に… 風にひらり青い空へと 舞う風花心を突き刺す 未練などすべて捨ててしまいたいあなた あなただけが いないのよひとり ひとりの 風花岬 雪が 雪が… 雪がちらり頬に冷たく 舞う風花行き場をなくした 愛なんて風に乗って飛んでゆけわたし わたしだけが 独りきりなみだ なみだの 風花岬 花は 花は… 花はふわり胸の隙間に 舞う風花愛した人には 愛されず泡のように 消えた日々あなた あなただけが…

  • 五島椿 – 石原詢子

    白い灯台 島の風恋をしたのは 椿の咲く頃ふたりのしあわせ 教会(ここ)で誓ってこの島で あなたと生きてゆく五島椿は 縁結花(むすびばな)私の胸に咲く 恋の花 紅く色づく 島椿夢を紡いで しあわせ探すのぬくもり分け合い いのち重ねいつまでも あなたのそばにいる五島椿は 縁結花(むすびばな)心に凛と咲く 恋の花 冬の寒さに 耐えるから強く芽吹いて 五島(しま)に春が来る明日(あした)を信じて 灯すあか…

  • 流れる雲に – 石原詢子

    ふわり ぽっかり浮かぶ雲くっ付いたり 離れたりまるで私たちのようねケンカして泣いて ブルーになるの仲直りしたら 寄り添う雲のように 優しくなるの流れる雲に身をまかせふわり ぽっかり揺られよう行き先なんて 見えないけれどあなたとならば どこへでもゆける ふわり ぽっかり浮かぶ雲動き出した 時の空そうよ 晴れたり曇ったりわた雲のように いつしかそれが雨風に打たれ ちぎれ雲になろうと 再び会える流れる雲…

  • 夜汽車 – 石原詢子

    夜明けには粉雪が景色を変えるでしょう凍てついた暗闇の奥へ、奥へと夜汽車は走る愛はお祭りですか笛や太鼓のにぎわいに浮かれても、はしゃいでも夢のまんなかでサヨウナラハラハラ このからだ元に戻してとハラハラ 泣きながら破った写真つなぎます 堅いイス揺れるたび思い出が突き刺さる冷めたお茶 くちびるが熱いくちづけしのんではじくいつも寝物語りで明日を約束しましたね赤い糸見えていたあの日、あの頃がなつかしいハラ…

  • 予感 – 石原詢子

    あなたは長い道を 走りすぎたのゆっくり歩きましょう違う夢が見えてくる少女のようなあどけない心で抱いていてあげたい 一晩中……疲れたあなたがとても愛しい誰にも言えない事も 隠さないで 両手を伸ばすけれど 遠い星空あなたを愛しそうな予感だけが降りてくる私の胸で生き返ってほしいなつかしい匂いに 顔うずめて……心配しないで眠り続けてこの世の出来事すべて 忘れるまで 少女のようなあどけない心で抱いていてあげ…

  • 一途 – 石原詢子

    指先 ひとつ 見ただけであなただって わかるのよその手に 私は支えられ生きてきたのよ この道をふたり 心 重ねながらあなたと暮らして いけたら…いい 足音 ひとつ 聞くだけであなただって わかるのよどんなに 険しい 山道もうしろ姿が 道しるべふたり 愛を育てながらあなたと歩いて 行けたら…いい グラスを ひとつ 持つだけであなただって わかるのよぬくもり 少ない 街だけどついて行きます どこまでも…

  • 月のエレジー – 石原詢子

    月がでた 月を見てたら訳もなく 涙が落ちたこの都会(まち)は 他人ばかりね誰もみな ひとりぼっちよ あの人は やさしかったよ抱かれたら 暖かかった愛なんて いつか醒(さ)めるわこころには 雪が舞ってる 泣かないよ 泣けばなおさら惨(みじ)めだよ 生きてることが故郷(ふるさと)の 母の背中の子守唄 聞いて眠るわ 月がでた ビルの谷間に寒々と 草花(くさばな)照らす叶うなら 月の光よ幸せな 夢を見させ…

  • ふるさと恋唄 – 石原詢子

    冷や酒 徳利 耳もとで揺らせば聞こえる 波の音…女ひとりの 淋しさよ帰るその日は いつになるハ~ 故郷が酔えばなおさら 近くなる 指折り数えりゃ 母の年令(とし)越してまだみる 母の夢…膝のぬくもり 優しさよ胸に面影 また浮かぶハ~ 故郷が酔えばなおさら 近くなる お酒にむせた ふりをしてこぼれる涙を 指で拭く鰹取る船 出る頃か帰るその日は いつになるハ~ 故郷が酔えばなおさら 近くなる 人気の新…

  • はんぶん東京人 – 石原詢子

    おくにのなまりが聞きたいな 近そうで遠くなあなたのふる里 方言(ことば) カラオケの唄声にはにかみ手拍子送るひと半分の東京人あなたは北国生れ「元気かい」こころとこころがとけ合う夜におくにの話しに花が咲きゃ祭りの太鼓が聞こえてくるような気分 肩を抱く聞き上手おとこは甲斐性で決めろよと半分の東京人あなたは浪花の生れ「元気かい」こころとこころがとけ合う夜におくにの話しに恋も咲くふらりとその気でチョッピリ…

  • 道しるべ – 石原詢子

    水にさらした 袖の布が過去を流して 川面にゆれるつらいおもいで 抜き取る様にここは木曽路の 小京都通りすがりの人ばかり抱いてください あなたわき目ふらずに あなたそうよ あなたの胸が 道しるべ めくる暦の 淋しい音がいつか知らずに 涙にかわるついて行きたい なり振り捨てて春は名ばかり まだ寒い夢であなたに 逢えますか仕掛け花火ね 恋は燃えたら それで終わり灯り点して あなた 道しるべ ここは木曽路…

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