石井里佳

  • 鎮恋歌 – 石井里佳

    百年の湖(うみ)の底錆びた錨(いかり)は藻にからまって叫んでも喘(あえ)いでも声は砂に吸い込まれてく 空回りのカラ返事など沖のあぶくとなってでも 愛し方なんて 教わっちゃいないのよ あばよ ぽろりぽろぽろとこぼれる息も出来ぬ恋に波よ 引き裂かれてしまいそうなこの身を 沈めて 沈めて 哀しみのペンダント赤い髪の少女が見てるお願いよ その手を、ね入れてみてよ 私の心に 冷たいのがお宝で そう温かいのが…

  • BLUE – 石井里佳

    一人きりの夜だから何度も思い返して静まりかえった部屋に残る行き場のない想い 素顔に戻れる場所を見つけてはまた壊して選んだこの道 鏡の中何度も問いかける すべて望むほど子供じゃない綺麗ごとだけじゃ生きれないただ夜明けの雨に そっとたずねる答えはその先にあるはず ありのまま生きる強さ私が私でいられるためのブルー明日は待ってはくれないけど雨上がり 月明かりああ今日もやさしく 私を包み込む きっともどれな…

  • LOVE – 石井里佳

    涙の 落ちる音が向こうから 聞こえてくる窓辺の つぼみたちの祈りを 風が運ぶ 誰かを 守るために生まれて きたみたいに飛び立つ 小鳥たちは彼方の 空を目指す 傷付いてく世界で君の手を握った ゆらり 揺られ 沈む太陽は朝を待つ人のもと 行くのでしょうゆらり 月が 昇る暗闇も飛び行く鳥たちの 痛みを 癒していく 静かに 星が光る優しく 語るようにこれ以上 離れぬよに光は 瞬き合う 壊れていく世界に愛だ…

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