田中あいみ

  • 恋人よ – 田中あいみ

    枯葉散るタ暮れは来る日の寒さをものがたり雨に壊れたベンチには愛をささやく歌もない 恋人よ そばにいてこごえる私のそばにいてよそしてひとこと この別れ話が冗談だよと 笑ってほしい 砂利路を駆け足でマラソン人が行き過ぎるまるで忘却のぞむように止まる私を 誘っている 恋人よ さようなら季節はめぐってくるけどあの日の二人 宵の流れ星光っては消える 無情の夢よ 恋人よ そばにいてこごえる私のそばにいてよそし…

  • 別れの朝 – 田中あいみ

    別れの朝 ふたりはさめた紅茶 のみほしさようならの くちづけわらいながら 交わした 別れの朝 ふたりは白いドアを 開いて駅につづく 小怪を何も言わず 歩いた 言わないで なぐさめは涙をさそうから触れないで この指に心が乱れるから やがて汽車は 出てゆき一人残る 私はちぎれるほど 手をふるあなたの目を見ていた 言わないで なぐさめは涙をさそうから触れないで この指に心が乱れるから やがて汽車は 出て…

  • 夏をあきらめて – 田中あいみ

    波音が響けば 雨雲が近づく二人で思いきり 遊ぶはずの on the beachきっと誰かが 恋に破れ噂のタネに 邪魔する君の身体も 濡れたまま乾く間もなくて胸元が揺れたら しずくが砂に舞い言葉も無いままに あきらめの夏Darlin’ Can’t You See?I’ll Try To Make It ShineDarlin’ Be With Me!L…

  • 花のように鳥のように – 田中あいみ

    そこにあるから 追いかけて行けばはかない 逃げ水のそれがしあわせ あるよでなくてだけど夢見る 願(がん)かける花のように 鳥のように世の中に 生れたら いちずにあるがままの生き方が しあわせに近い 指の間を さらさらといつの間にやら こぼれ落ち拾い集めた 欠片(かけら)を見つめ恋の終わりを 知らされる花のように 鳥のように晴れの日も 風の日も 人生そんなふうに思えたら しあわせに近い 誰がわたしを…

  • 別れの予感 – 田中あいみ

    泣き出してしまいそう 痛いほど好きだからどこへも行かないで 息を止めてそばにいて身体からこの心 取り出してくれるならあなたに見せたいの この胸の想いを 教えて 悲しくなるその理由(わけ)あなたに触れていても 信じることそれだけだから 海よりもまだ深く 空よりもまだ青くあなたをこれ以上 愛するなんてわたしには 出来ない もう少し綺麗なら 心配はしないけどわたしのことだけを 見つめていて欲しいから悲し…

  • 翼の折れた天使 – 田中あいみ

    ドライバーズ・シートまで横なぐりの雨ワイパーきかない 夜のハリケーン“Ilove you”が聞こえなくて口もと 耳を寄せたふたりの想い かき消す雨のハイウェイ Thirteen ふたりは出会いFourteen 幼い心かたむけてあいつにあずけた FifteenSixteen 初めてのKissSeventeen 初めての朝少しずつ ため息おぼえた Eighteen “もし 俺がヒーローだったら悲しみを…

  • 圭子の夢は夜ひらく – 田中あいみ

    赤く咲くのは けしの花白く咲くのは 百合の花どう咲きゃいいのさ この私夢は夜ひらく 十五、十六、十七と私の人生暗かった過去はどんなに暗くとも夢は夜ひらく 昨日マー坊 今日トミー明日はジョージかケン坊か恋ははかなく過ぎて行き夢は夜ひらく 夜咲くネオンは 嘘の花夜飛ぶ蝶々も 嘘の花嘘を肴に 酒をくみゃ夢は夜ひらく 前を見るよな 柄じゃないうしろ向くよな 柄じゃないよそ見してたら 泣きを見た夢は夜ひらく…

  • やっぱ好きやねん – 田中あいみ

    もう一度やり直そうて平気な顔をして いまさらさしずめ振られたんやねあんた わがままな人やから 嘘のひとつもつかないで出てったくせに過ぎた事やと笑ってるあんたを 憎めりゃいいのにね やっぱ好きやねん やっぱ好きやねん悔やしいけど あかんあんた よう忘れられんやっぱ好きやねん やっぱ好きやねんきつく抱いてよ 今夜は 見慣れた街の灯が何故だか鮮やかに 映るわあんたの胸で寝てると不思議 あの頃と同じやね …

  • 難破船 – 田中あいみ

    たかが恋なんて 忘れればいい泣きたいだけ 泣いたら目の前に違う愛が見えてくるかもしれないとそんな強がりを 言ってみせるのはあなたを忘れるためさびしすぎて こわれそうなの私は愛の難破船折れた翼 広げたままあなたの上に 落ちて行きたい海の底へ 沈んだなら泣きたいだけ 抱いてほしい ほかの誰かを 愛したのなら追いかけては 行けないみじめな恋つづけるより別れの苦しさ えらぶわそんなひとことで ふりむきもせ…

  • 役者 – 田中あいみ

    愛の幕切れは 涙の数だけあんたの背中に 子守唄芝居がかった ひとりよがりのふられ役なら 慣れっこだから あ~ 女も淋しい 男も淋しい抱かれて 抱いて 別れを重ねたら幸福を想い出と いつも引き換えに泣くしか出来ない わたし役者だね 生きるだけならば カスミを食べて明日もどうにか なるけれど綺麗な時代は きっと短く失くすものだけ 多くなるから あ~ 女も淋しい 男も淋しい心の傷を お酒で洗っても悲しみ…

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