田中あいみ
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TATSUYA – 田中あいみ
中学二年の お母ちゃんの傷口(きず)から生まれた 私(うち)やもんそうやアンタに 会えるまで男をにくんで 生きてきた竜也 竜也 どうして どうして 私(うち)ひとり竜也 竜也 残して 残して 逝ったんよ後を追いたい… 追いたいけれどおなかのこの児(こ)が 動くんよ アンタを殺した オートバイが今夜も街中 暴れとる私(うち)はあの爆音(おと) 聴くたびに憎しみばかりが 逆巻(さかま)くよ竜也 竜也 …
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叱らないで – 田中あいみ
あの娘がこんなに なったのはあの娘ばかりの 罪じゃないどうぞ あの娘を叱らないで女ひとりで 生きてきたひとにゃ話せぬ 傷もある叱らないで 叱らないで マリヤサマ あの娘が戻って きた夜の外はつめたい みぞれ雨どうぞ あの娘を叱らないで夢をなくした 小鳩にはここが最後の 止り木よ叱らないで 叱らないで マリヤサマ あの娘の涙は うそじゃないうそで泣くほど すれちゃないどうぞ あの娘を叱らないでなにも…
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噂ばなし – 田中あいみ
寝返りうっても あんたはいない片手で捜して 夢から覚める戻って来るのか 来ないのか最後のけんかの 理由(わけ)も忘れたよ馴染みの店では別れたなんて 言ってるそうねそれならそれで いいからさあんた… あんた…荷物のひとつも 取りに来い おまえが最後の 女だなんて男の言葉(せりふ)は 羽根より軽い戻って来るのか 来ないのか鍵さえ替えずに 待っているのにさいいヤツだったとしみじみひとり 飲んでるそうねそ…
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私は私… – 田中あいみ
愛されたいけど私 誰かの代わりじゃ嫌なのよあなたは笑ったけれど ほんとの心はどこにあるのあなたのいない国際線は 心変わりな雨模様肩を寄せ合う人波の中 私はもう縋(すが)らないの誰も知らない私は私 あなたの望む女(ひと)じゃない行方知れずの私も私 あぁ染まらない色を纏うのよ 愛されたいけど私 言葉じゃ伝わりきらないの駆け引きなんていらない 私はいつでもここにいるのひとりでくぐる搭乗ゲート どこかへ向…
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愛の懺悔じゃないけれど – 田中あいみ
愛の懺悔じゃないけれど Woh… 100万ドルの 夜景よりおまえの瞳が 綺麗だとあまい囁き 誘われ抱かれ時に流れて 消えた恋港離れる 白い客船(フェリー)出て行くあんたの 背中のようで…愛の懺悔じゃないけれど 胸が 胸が疼(うず)くのよ捨てられて 悔しくて 悲しくて…でも恋しくて 噂じゃあんた 年上の彼女と二人で 暮らしてるうちの鍵さえ 返さぬままでいつか帰ると いうつもり?丘の上から 見える街の…
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放されて – 田中あいみ
水に七色 ネオンの花は夢がありそに 浮かれてるけど私はあんたに 放されたままひとり曽根崎 はぐれ鳥 忘れなあかん…忘れなあかんあんたなしでは よう生きられん 忘れなあかん…忘れなあかんおんなやもん酒落た女で いたいのやけど私(うち)はやっぱり 演歌です あいつばかりが 男やないとグラス片手に 気取ってみてもゆうべ大阪 捨てたと聞けば知らず知らずに 目が濡れる泣いたらあかん…泣いたらあかん泪ぼろぼろ…
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冬のリヴィエラ – 田中あいみ
彼女(あいつ)によろしく 伝えてくれよ今ならホテルで 寝ているはずさ泣いたら窓辺の ラジオをつけて陽気な唄でも 聞かせてやれよアメリカの貨物船が桟橋で待ってるよ冬のリヴィエラ 男ってやつは港を出てゆく 船のようだね哀しければ 哀しいほど黙りこむもんだね 彼女(あいつ)は俺には 過ぎた女さ別れの気配を ちゃんと読んでて上手にかくした 旅行鞄に外した指輪と 酒の小瓶さ優しさが霧のようにシュロの樹を濡ら…
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想い出まくら – 田中あいみ
こんな日はあの人の まねをしてけむたそうな顔をして 煙草(たばこ)をすうわそういえばいたずらに 煙草をすうとやめろよと取りあげて くれたっけねぇ あなたここに来て楽しかった ことなんか話してよ 話してよこんな日は あの人の小さな癖もひとつずつ ひとつずつ 想い出しそう こんな日は 少しだけお酒を飲んであの人が好きだった うたをうたうわゆらゆらと酔ったら うでに抱かれて髪なんかなでられて 眠りたいね…
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ごめんね… – 田中あいみ
好きだったの それなのに 貴方を傷つけたごめんねの言葉 涙で 云えないけど 少しここに居て 悪ふざけで 他の人 身を任せた夜に一晩中待ち続けた 貴方のすがた 目に浮かぶ 消えない過ちの 言い訳する前に貴方に もっと 尽くせたはずね連れて行って 別離(わかれ)のない国へ せめて今夜 眠るまで 私を抱きしめていつも我がままを 許して くれた場所まで 戻りたい 消えない過ちに 泣き続けるのならこのまま …
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酒と泪と男と女 – 田中あいみ
忘れてしまいたい事やどうしようもない寂しさに包まれた時に男は酒を飲むのでしょう飲んで 飲んで 飲まれて飲んで飲んで 飲み潰れて眠るまで飲んでやがて男は 静かに眠るのでしょう 忘れてしまいたい事やどうしようもない悲しさに包まれた時に女は泪みせるのでしょう泣いて 泣いて 一人泣いて泣いて 泣きつかれて眠るまで泣いてやがて女は 静かに眠るのでしょう 又ひとつ 女の方が偉く思えてきた又ひとつ 男のずるさが…