焚吐

天使の寿命 – 焚吐

この世で最大の不思議ここにあり
気力も何も失くしたはずが ふいに立ち上がってみたり
初めて他人のために怒ったり
元を辿ればそこにはいつも君がいたり ああ

照れ屋が時折見せる優しさより
息する如く 意気込むことなく「ありがとう」と言える君がいい
生まれる時代を少し間違えていたら
画家はこぞって神の容姿を君にしただろう

深緑の宝石が揺れる 「明日に疑念はない」 そう言いたげな瞳

間違いだらけの世界に 突如舞い降りた天使
ゴミ溜めだって構わないから どうか君に幸あれ

君に見せたい景色がたくさんある
自然に遺跡 早朝の渋谷 ミステリーサークル 花火
それらを目にした君が紡ぎ出す
真っ直ぐな言葉 僕はそれだけを望んでるんだよ

だから決して僕なんかで埋めないで 埋めないで
頭の中を 瞳の中を ひいては君の構成要素を
たった一欠片の思い出も思い入れも
他に当ててください 返信は不要です

清々しいくらい 自分には分不相応な天使
叶わぬ恋などどうでもいいから どうか君に幸あれ

間違いだらけの世界に 突如舞い降りた天使
嘘も穢れも知らずに生きて 一秒でも長く

清々しいくらい 自分には分不相応な天使
叶わぬ恋などどうでもいいから どうか、どうか、どうか、どうか…
どうか君に幸あれ

天使の寿命は多少延びたかい?
最後にひとつ言うとするなら 「ありがとう」

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