深居優治

雨降りのアポリア – 深居優治

俄か雨をカーテンで隠して
柔らかな緑とコーヒーの匂い
砂糖を入れ過ぎたぬるい空間
優しい嘘を鳥が啄ばんでいた。

最後に言った言葉は
『もう、居なくなるね。』
『もう、居ないのと同じだよ。』
氷のような皮肉と繰り返す情景。
同じところを行ったり来たり。

満たしてしまえばさ
水を注ぎ過ぎたバケツみたいに
少しずつ入れ替わって
透明な記憶に変わるの。
今はまだ濁って、あたたかい。

巡り巡って、過去色になったあなたを
バラバラにするのは時間の流れ。
僕も飲み込まれてしまうかな?
今日の僕が死んで、新しい朝が来ても、

思い出してしまうんだろう、
冬に雪が降るみたいに。
あなたが水面に映る、
ただの嘘なら、どれだけ良かったか。
繋ぎ合わせたあなたはまだ
居なくならないじゃないか。

この日々を壊して、壊して、壊して、
明日を繋いで、繋いで、笑ってよ。
傘を無くして立ち尽くす。
出会えた行詰まりが、あなただっただけ、
それだけ。それだけのこと。

人気の新着歌詞

君という雨 – 深居優治

君が壊した世界だ。雨音、ポツリポツリ、今日も傘と歌う。『僕が居ない』と思うこの心は誰のもの?君が居ないとこの身体は傘の中で消える。何から話そうか。自分一人を守る

水槽の脳 – 深居優治

『彼の頭の中には重力があるの』ってヘルマは言った僕の知らないところで。ケルトは言った『君の頭と、彼の頭が繋がっているというのならそれを肯定しよう。』ヘルマは言っ

うつろ – 深居優治

意味の無いものを探しすぎて移ろう僕は意味にまみれた世界であなたを探すだけなら容易いことだと笑った。もう全て見たつもりでいた描いたあなたは虚、移ろう。戻れはしない

漂泊の殻 – 深居優治

不完全な彼の物語は不完全なまま終ろうとした。気付いてしまった。僕の中で僕を叩くのは僕でしかなくて。誰かのせいにするのは、一人じゃ心細いから。不安を象って、壊して

虚構の朝 – 深居優治

昨日と違う生活それは大きく見れば同じ繰り返し。明日も同じ心それは近くで見れば赤の他人。目を閉じるようにあなたは居なくなって、耳を塞ぐように、世界は知らないものに

白痴 – 深居優治

彼の名前を憶えているのは僕だけどこにも居なくなってから彼の物語は始まった。綺麗な物語ばかりを見過ぎて薄れてゆくものと、消えないものの両方に手を引かれて宙に浮く。

相対温度 – 深居優治

『君さえ居れば、それでいいよ』と誤解してたの、僕が僕に出会うまで。何度目の春ですか?何度繰り返してもぬくもり感じるのはやたら長い冬を越えるから。何度目の冬ですか

空洞 – 深居優治

明日の夢を見ない夜は水滴が落ちる音がして私は枯れてゆく言葉の繭に火を点けた。誰も居ない場所で響く、束ねた空洞の音。本当は強く、強くなりたかったの。

水の記憶 – 深居優治

待ってる間に景色は沈んでゆく。呼吸の仕方を忘れて私は彼を作った。私が居るのは水の中。押し流されてから気付いたの。遠くに消えて見えなくなっても私は形を変えてどこに

アオ – 深居優治

『優しくなりますように。』僕は生まれた時から嘘の塊みたいだな。もういいよ、もういいよ。誰かが望むイメージ。そんな僕にはなれないし、僕が思い描いた僕に明日もまた笑

呼吸の綾 – 深居優治

『僕は間違えてしまった。』『私は間違えてしまった。』世界を薄めている言葉にもなれないなら吸って吐いてを繰り返す機械ならよかったな。ねぇ、繰り返すことも上手く出来

再構築 – 深居優治

空白に染められた空を時計の針が泳いでゆく。空白に満たされた空を病的な雲が全部食べてしまった。空っぽだ。空っぽだ、空っぽだと嘆くうちは未だに空っぽという存在に満た

Back to top button