河口恭吾
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大人を休もう – 河口恭吾
暗い話なんか お願い 今日はやめてくれくだらねーって言いながら 大きな声で笑おう だいぶ腹出てんなぁ 昔はモテていたのに面影もないお前の自虐ネタは反則さ だから ちょっと前の気分 サイアクでもあ~今が楽しいならいいじゃない たまには大人を休もう 難しいこと忘れようあたま空っぽにして はしゃごうぜ先延ばししたところで 変わるものでもないさ答えはお前の中に もうあるだろ これからのこと代わる代わる 話…
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春節のチャイナタウン – 河口恭吾
チョコミントのアイスキャンディーかじれば夏の予感にぎやかな通りを冷やかして昼下がりのチャイナタウン 恋人たち肩を寄せ何を語っているの肩ぐるまされた女の子 笑い声がひびく とてもいい気分なのさ 日差しは祝福のようにそそぎ奇跡のようなバランスのきらめきに見とれてとてもいい気分なのさ やさしい思い出浮かんで消えた誰もが愛されていると いま感じながら 晴れ渡る空 赤い風船が 高くのぼっていくスパイシーな香…
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おかげさま – 河口恭吾
彼女はイライラ 新規登録 ログインID パスワード便利さを追い求めるが故 不便さ強いられる皮肉 飲み物買うだけなのに いちいち開くの面倒アップデートは決まって急いでいる時だけど 新しい彼氏ができたよ アプリケーションのおかげ身長体重収入住んでるとこ 希望を入れただけ新しい仕事見つけたよ アプリケーションのおかげ学歴職歴 志望動機 コピペで コピペで 送るだけ 送るだけ 彼女はモヤモヤ 新規登録 ロ…
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置いてけぼり – 河口恭吾
令和にゃ今だになじめず 心じゃこっそり昭和を引きずって昔のバイト仲間に会えば平成話に花を咲かす パワハラセクハラ日常茶飯事 みんな先生に殴られた大人は乱暴だったけど なぜかヒドい書き込みはなかったな 行き過ぎた正しさは どこへ行き着くのか わからない わからない令和が夕日に燃えて 置いてけぼりメランコリック 殺してしまったたまごっちポケベルの愛してる置いてけぼりメランコリック カラカラ鳴るMDプレ…
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Mr.ハイボール – 河口恭吾
よこしまな気持ちが溢れていくほど 街は綺麗にかがやくだろうその時だけでもいいから ほしいもの お金と時間 秤にかけて さみしさは一番高価なアクセサリーあなたの胸元 やさしく揺れているから 2杯目のハイボールより きれいなウソの方がお店じゃ高くつくけど良いのさ大人になるとどうしてもタダじゃ ほめてもらえないから3杯目のハイボールより 短い夢の方がお店じゃ 高くつくけど良いのさ大人になると昼間の夢を …
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アダンの海辺 – 河口恭吾
太平洋にポツンと浮かぶ 涙の形をした島で甘い常夏の風によく冷えたモヒートをあわせて 昨日も明日も消えていく強い日差しの中であなたの微笑みを ただ焼き付ける ミントグリーンに透けて 広がる白い珊瑚リーフの彼方の水平線 雲のない空背中の水着の跡が いつか消えるようにこの夢よ どうか覚めないで 続きを見せておくれ 大きなマングローブの木陰で ほてった肌を休めてプルメリアのかんざしをつけた あなたに何度も…
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Don’t know why – 河口恭吾
バックミラーに昨日が震えながら消えていく視界が小さくなるまで彼はスピードをあげた 探してるものは遠くにきっとあるはずと彼は家族や恋人もすてて突然 街を出て行った Don’t know why Don’t know why Don’t know why黒い車 飛ばしてDon’t know why Don’t know why DonR…
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鍵 – 河口恭吾
抱きしめられた腕に夜が答えを探す求めてるものが同じとは限らない はじめは褒めた服もどうせ邪魔になるだろさみしいだけなら選ぶ鍵が違う 幸せなんか わからない優しさだって まちがえる あなたの嘘を 隠さないでわたしの嘘も 教えるから 自分から飛び込んで怪我をする恋もあるくちづけの後は言葉には頼れない 幸せを企めばあきらめるものばかりまた彷徨うだけならきっと見てるDoorは同じ 約束なんか 信じないぬく…
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美しいもの – 河口恭吾
大切にしてた何かを 踏みにじられてしまっても信じてたものが突然粉々に砕けても 砕けても 夢見ることをやめないで どうか恋を忘れずにいくつになっても大切なことは きっと変わらない やりきれない夜も 一人じゃないから生きてりゃ良いこと きっとあるから 流した涙の向こうへ 行こうぜ 行こうぜあなたのままでそこにいるだけで嬉しい人がいる美しいものってなんで 少し悲しいんだろう生きていくことって多分 そうい…
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悪い恋人 – 河口恭吾
その気にさせて突き放して 夢は悪い恋人背中を向けたら 甘い声 明日をささやくのさ 小さな勝ち負けだけじゃ測れない 美しさ捨てないでと惚れちまったら 仕方ないさ 振り回されて泣いて笑って出会わなければと吐き捨てても その手をどうしても離せない夢から愛されないとしても 惚れちまったら 仕方ないさ 悪びれもせず手まねきして 夢は悪い恋人これ切り最後と会うたびに ヨリを戻してしまう 若さを言い訳に出来た夜…