永井裕子
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おんなの花道 – 永井裕子
背のび爪(つま)立ち あしたは見えぬ歩き続けりゃ 駒もでる希(のぞ)み捨てずに 耐えながら夢に向かって 生きたならいつか出番が きっと来るきっと来る…おんな花道 風が吹く 運は天から 歩いちゃ来ないドンとぶつかり 掴むもの恋はおあずけ 夜の酒憂さをとことん 晴らしたら時は必ず やって来るやって来る…おんな花道 日が昇る 冬の嵐で 積もった雪も春になったら 溶ける道地図に明日(あした)は なくっても…
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役者 – 永井裕子
愛の幕切れは 涙の数だけあんたの背中に 子守歌芝居がかった ひとりよがりのふられ役なら 慣っこだから ああ 女も淋しい 男も淋しい抱かれて 抱いて 別れを重ねたら幸福(しあわせ)を想い出と いつも引き換えに泣くしか出来ない わたし役者だね 生きるだけならば カスミを食べて明日もどうにか なるけれど綺麗な時代は きっと短く失すものだけ 多くなるから ああ 女も淋しい 男も淋しい心の傷を お酒で洗って…
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雨夜譚~渋沢栄一伝~ (2024バージョン) – 永井裕子
人の世は 志し杉の如く 葵は義を以って 花と咲く 雨の終わりの ひと雫落ちて澱むか 利根の川風は武州の 如月に産ぶ声あげる 赤子ありやがて白眉と 知る由もなし 時の流れか 世のさだめ葵散っても 名を残す天の使命と 心して枯れ木に花を 咲かせたい恩に背いちゃ 男が立たぬ 「男はいかに 丸くとも 角を持たねばならぬもの金はボロに包んでも 金でもあるが石は錦に包んでも 石のまま… 夢なき者は 理想なし更…
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無縁坂 – 永井裕子
母がまだ若い頃 僕の手をひいてこの坂を登るたび いつもため息をついたため息つけば それで済むうしろだけは見ちゃだめと笑ってた白い手は とてもやわらかだった運がいいとか 悪いとか人はときどき 口にするけどそういうことって 確かにあるとあなたを見てて そう思う忍(しの)ぶ 不忍(しのばず) 無縁坂(むえんざか) かみしめるようなささやかな 僕の母の人生 いつかしら僕よりも 母は小さくなった知らぬまに白…
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ほろ苦酒 – 永井裕子
女の胸の 淋しさをお酒でなだめる 裏通りあなたの腕を 振りほどき別れて来ました 私からお酒の苦さが チリチリ沁みる わがまま言って 困らせたあんなに良い人 いないのにこの手の中の やすらぎを離してしまった ばかでした涙のしずくが ホロホロ沁みる あれからひとり また冬が何にもなかった いい事はグラスについた 口紅をふき取る指先 震えますお酒の苦さが チリチリ沁みる 人気の新着歌詞 はぐれ雲 …
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櫻紅 – 永井裕子
艶は七分で 遅咲きですがおんなでよかった あなたに逢えた春の宵ですきっと今宵は 月の下くちづけうける 唇にそっとかさねる おんなの櫻紅 なぜか鏡に じれてるわたし鏡が知ってる せつない恋は罪はなけれどひろい世間を せまくしてあなたに付いて 来たのですきょうは特別 おんなの櫻紅 まさか稲妻 春雷(しゅんらい)ですね帯締しめてる 手もとをせかすこれも倖せそうよいいこと あるのでしょうはだえも爪も いの…
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酒場にて – 永井裕子
好きでお酒を 飲んじゃいないわ家にひとり帰る時が こわい私よあのドアを開けてみたってあなたはいない暗い闇が私を 待ってるだけよまた長い夜をどうしてすごしましょう愛の香りも 消えたあの部屋 どうぞお店が 終る時までここにおいてひとりだけで飲んでいるから死ぬことも出来ず今でもあなたを想い今日もひとり酒場で泣いてる私また長い夜をどうしてすごしましょう愛の香りも 消えたあの部屋 死ぬことも出来ず今でもあな…
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男の道しるべ – 永井裕子
たかが夢だと 他人が嗤う夢は持つもの 掴むもの生きるこの道 転んでもただでは起きぬ 意地もある夢は 夢は 夢は男の道しるべ花を咲かせて あゝ飾りたい 朝は西から 陽は昇らない時を待つ身に 春が来る義理と情けで 人は立つ背いちゃ駄目と 両親(おや)は言う夢は 夢は 夢は男の道しるべにぎり拳が あゝ熱くなる 苦労つづきの いばらの道は誰も好んで 歩かない負けて逃げるな 諦(あきら)めるなと自分にいつも…
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華と咲け – 永井裕子
雨が降らなきゃ 草木も枯れる天の恵みが 川となるどんな小さな 名もない花も生きる力が 凛と咲く母の大地に 根を張って夢よ一途に 華と咲け 親にもらった 命の糸は月日重ねて 紡(つむ)ぐもの明日(あす)は茨の 険しい道も夜にまたたく 星が降る天を仰げば 父の声生きてこの世で 華と咲け 愛と情けの 天びん棒を意地で支えて 一歩ずつ石につまずき 泣きたい時は人の痛みを 知る時か涙わけあい 支えあい男一輪…
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そして…女 – 永井裕子
この世が果てない 海ならばわたしは沖ゆく うたの舟きれいに見える 白い帆は海峡あらしの 傷もあるそして そしていま…女でうまれ 女で育ち女で恋して 女で生きる 男のつよさを 見せるひとお酒のあまさで 誘うひとわたしのゆめは さりげなく愛してくださる ひとがいいそして そしていま…あなたのために 命を捧げあなたのために いつでも泣ける この世の果てない 海原をわたしは帆まかせ うたまかせ万感こめた …