水城なつみ
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寒牡丹 – 水城なつみ
雪の重さに 耐え抜いて咲かす命の 美しさ我が身けずって 育ててくれた紅差す指の か細さよ寒い浮世に 凛と咲くあなたのようです 寒牡丹 胸に募った 寂しさを分かり合えない 日もあった手と手重ねて 温(ぬく)めるようにあなたとふたり 生きてきた冬の夜風の 冷たさに負けずに咲いてる 寒牡丹 苦労ばかりの 明日でもきっと笑顔で 越えられる器量気立は 母親ゆずりいつかはなろうね しあわせに深く心に 根を張っ…
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トラック野郎おとこ旅 – 水城なつみ
男の背中に 一思(ひとおも)いの炎転がし稼業 夜の渡り鳥ヒラヒラヒラリと 荷台絵(はこえ)の蝶々男の華道 飾り舞うソレヤーイヤ ソレヤーイヤ国道6号 茜空夜空に一番 俺の星 灯りを頼りに ただ孤独を走る想い出滲む 女(ひと)が浮かび来るユラユラユラリと 男のロマン煙草をふかして 朝が来るソレヤーイヤ ソレヤーイヤ峠の坂道 ヒヤリ旅脇道逸(そ)れるな 夢が啼(な)く 弱音に聞こえる カモメ一羽鳴いて…
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あかつき情話 – 水城なつみ
銀の鱗がヨー 海原染めて網を引く手に 命がたぎるこれが銚子の 夜明けだとあんたの口癖 聞こえる頃さ波を枕に 大漁 大漁祈るよ 幼なじみでナー 育った同士明日に漕ぎ出す 十九の船出夢を誓った 君ヶ浜あの日の眼差し 変わりはしないひとり波止場で 恋しさ 恋しさ募るよ いつか一緒にサー なれると信じ女房きどりで 飯炊く番屋今日は大漁 祝い酒あんたの笑顔が この胸照らす惚れて惚れぬく 大漁 大漁節だよ 人…
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恋のパシュート – 水城なつみ
真っ赤な車をカッ飛ばして 貴方は天国 有頂天(うちようてん)キラキラ女と 逃げ回る 懲(こ)りない浮気パシュート(パシュート)パシュート(パシュート)つかんだ恋は 離さないパシュート(パシュート)パシュート(パシュート)諦めないわ パシュート ボリューム全開リズム刻み 貴方はロックの スター気分?遠吠え出来ない オオカミは 闇夜に消えるパシュート(パシュート)パシュート(パシュート)仕掛けてあるわ…
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恋花火 – 水城なつみ
夏の夜空は 納涼出逢い旅のあなたも 誘われた打ち上げ花火 見上げれば高く咲きます 誇らしくヒュルル ヒュルルル ヒュルルル ヒュルル諏訪湖花火は 夢灯り 夏の恋路は おもかげ出逢いならぶ微笑み 肩を抱く炎の滝は ナイアガラあの日結んだ 絆ですヒュルル ヒュルルル ヒュルルル ヒュルル諏訪湖花火は 星灯り 夏の湖畔は しあわせ出逢い心なごみの 水鏡あれは消え口(くち) 色模様あなた教えて くれました…
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玄海みれん – 水城なつみ
あんな男と 思っても涙しょっぱい 海よりからい泣いてくれるな 玄海カモメ泣けば未練が 騒ぎ出す憎い恋しい 女の胸を遠い海鳴り また揺する 夢に思い出 打ち寄せるひとり旅寝は 波音ばかり空を見上げりゃ 玄海月夜月が未練で にじみます呼んでみたって 届かぬものをなんでつぶやく あの名前 恋はいつでも 五分と五分そうは言っても 男が悪い傷に沁みます 玄海しぶき沁みて未練が 重くなる怒涛逆巻く この海峡を…
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艶花いちりん – 水城なつみ
あなたの命に 私の命ふたつ重ねりゃ 希望(ゆめ)になる世渡りべたで 不器用だけど幸せゆっくり 捜しましょうあなたが咲かせて くれました艶花いちりん 恋の花 涙は哀しい ばかりじゃないと胸に抱かれて 知りました浮き世の嵐 背中で受ける日溜まりみたいな ひとだからあなたが咲かせて くれました艶花いちりん 恋しずく 死ぬまで大事に するよと言って照れる笑顔に 惚れ直すこの日のために 歩いて来たの九十九(…
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くれない渡り鳥 – 水城なつみ
浮き世づたいの 気ままな旅をなんで邪魔する 恋ひとつ私くれない 渡り鳥一つ所にゃ 住めないたちさ止めてくれるな 振り向く肩に涙焦がして 陽が沈む 情(じょう)と未練の 振り分け荷物ここで捨てなきゃ 歩けない私くれない 渡り鳥一夜限りの 夢から覚めりゃ風に吹かれる 綿毛のように明日はいずこか 西東 愛を知らない わけではないが惚れたハレたは もう御免私くれない 渡り鳥忘れられない 面影ひとつ抱いてい…
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幸せもういいかい – 水城なつみ
こんな夜更けは 思い出列車私の心を コトコト走る今度こそはと 思ってもいつも涙で 終わる恋幸せ 幸せ もういいかい隠れてないで 出ておいで後ろを見ないで 生きるから私に下さい 女の春を お酒飲んでも 探せはしない哀しい心の 捨て場所なんてつらいこの世の 雨あらし耐えりゃ陽も差す 花も咲く幸せ 幸せ もういいかい誰かの胸に 住めるまでぬかるみ道でも 歩きます私に下さい 女の春を 幸せ 幸せ もういい…
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恋紅 – 水城なつみ
遠く汽笛が急かせるようにあなたの呼んでる 声になる今日の帰りを 故郷で指折り数えて 待ちました月も雲間に 月も雲間に夢のようです あゝかくれんぼ 下駄の音さえ ときめく胸に聞こえてきます からころとあの日と同じ 帯締めて嬉しさこらえて 駆け出せば髪にはらはら 髪にはらはらさくら舞い散る あゝ里の駅 耳をすませば 昨日のようにふたりの想い出 連れてくる祭り囃子(ばやし)を 聴きながらおくれ毛優しく …