次松大助

喜劇“鴉片” – 次松大助

あれは あわれのこよ ごがつのそらに つばをはいて
なのしった はなをちぎってゆく
あれは めかけのこよ ごがつの そのくびが しろくひかる
くらり、と うまをたぶらかした

あぁだれがために まくはあがろうか
みるものなどもう だれもいなくなった きげき
おぉ おともなく まくはあがろうか
きかざって あおいでも ただ やみがゆれるだけ

あれは からすのこよ ごがつのそらに つばをはいて
ただとてもうつくしいこだった

しゅくさいには いちがたってた とてもたのしみにしてた
どうけの たわぶれが おかしかった

あぁだれがために まくをとじようか
はなにうもれたままで どんなゆめをみましょう
おぉはなびが そらにあがった
かげはわらいころげて、ともだちになりたかった

くらり、なにかゆらぐ うごめく、のどがなにかを さけぶ
あぁせかいは わらいにつつまれる

あれはただの ろうば みせものにされた けもののこよ
あぁとても うつくしかったこよ
あれはただの しょうじょ ごがつのそらにつばをはいて
あぁとても おふろのきらいなこよ

あぁだれがための つきをさがそうか
みるものなどもう だれもいなくなった きげき
あぁだれがための なをつけようか
かたるものもなくなって そよそよとありましょうか

あれは あわれのこよ ごがつのそらを へいげいしては
なもしらぬ はなをちぎってゆく

あれはとおく らいめい、このこの この なをもたぬ きげきを
うぶごえが じゅにくしてしまった おと
くらり、なにかゆらぐ うごめく、のどがなにかを さけぶ
あぁせかいは わらいにつつまれる

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