楳図かずお

  • へび少女 – 楳図かずお

    ながいことお世話になりました今までずい分気苦労ばかりかけました何のお返しもできずに行ってしまうことがとても残念です 人など好きになったからお前今日から へび少女人など好きになったからお前今日から大人だよ誰も心に へびを一匹飼っていてそいつが眼を覚ます何も知らずにいればよかった呪う心も知らずにすんだのにお前今日から一人だよ河をわたって行くのかよたった一人で行くのかよせめてお守り持っていけよ 人など好…

  • アゲイン – 楳図かずお

    今 暮れようとする瞬間のたそがれ空を見ていると何故か 目まいににた感動がかけめぐります! 青春はいつもかけ足 気ままなお前美しい草花に見とれているうちもう行ってしまうよ私をおいていつもの喫茶店で備えつけのコミック雑誌毎週読み夜更けまでおしゃべりしたあの時評判だったマンガのヒーロー今はもう変わっただからもう一度会いたいお前にせめてもう一度会いたいお前にアゲイン 青春はいつもかけ足 気短かなお前ちょっ…

  • 闇のアルバム – 楳図かずお

    男心にはいつも雨が降る雨に濡れて真赤なバラが咲いている素適な人とめぐり会いいつのまにやら恋をして気が付きゃ雨が止んで青空がたまに見えるだけど又雨が降りだす男心にはいつも雨が降る雨に濡れて真赤なバラが咲いている暗闇で 女心には小さな部屋がある部屋の壁に真赤な服が掛けてある毎日でもいいからおしゃれしていつでも恋をしたいから大きらいな雨など降るな外を見ていつも思うだけど又雨が降り出す男心にはいつも雨が降…

  • 森の唄 – 楳図かずお

    人は時に どこか遠く誰も住まない森へ行きたいものです何も悲しみあるというのでなくても幸せが足りないというのでなくても森につつまれて思い切りけもののような声でウオー ウオー ウオーみだらなほど叫んでみたいものです 人はある日 はるかかなたに黒々とした森を かいま見るものですたとえにぎやかな街の通りであっても二人の打ちとけた時間であっても森をめがけて ひと息にけものになったつもりでウオー ウオー ウオ…

  • 蝶の墓 – 楳図かずお

    私が死んだら蝶々になるわと云ってたやつだからなんで死んだか知らないけど部屋の中がいつものまんまでステレオからはサバの女王きこえてた窓が開(あ)いていたからきっとほんとにあいつは蝶々になって好きな人のところへ飛んでいってしまったのだろう なんであいつがとみんな首をかしげて云うくらいだから何が原因だか知らないけれどこの俺にも少しは罪があるのかも知れない俗っぽい付き合いだったから窓が開いていたからきっと…

  • 洗礼 – 楳図かずお

    友を止(と)めることば払い捨て許されない恋と知りながらこの人だけは離したくない許したまえ許したまえ窓に明りがともり家の中から笑い声がきこえるそんな生活が夢だった涙の洗礼受けようとも許されないことと知りながらとっくに心は決めています許したまえ許したまえ 神さま……あなたがそこにおいでになるならたった ひとつたった ひとつ私の心からの願いをどうか かなえてほしいかなえたまえ!かなえたまえ! 割り込むす…

  • おとぎ話のヨコハマ – 楳図かずお

    ヨコハマ やせた女がたずねもせぬのにおとぎ話をしてくれたヨコハマに初めて雪が降った日どこから来たのかマッチ売りマッチはいかが マッチはいかが いかがもう もやすしかない あの窓の下でこれだけが私のだいじな宝ものそれから どうしたのかとたずねても どこから来たのかマッチ売りマッチはいかが マッチはいかが いかがもう もやすしかない あの灯のかげでこの辺じゃ 誰だって見知らぬ顔同士それから どうしたの…

  • イアラ – 楳図かずお

    イアラ……もうあなたの顔さえ忘れた捜し疲れてひなびた町で宿をとれば見上げる空に月夜は苦手だ もの想いさせるから過ぎてしまったことが日毎日毎美しくなるなくしたものは 取(と)り戻せないからせめて未来へ向かってあるく永遠のロマンを求め果てしない時を越えてイアラ私を呼ぶ声が聞こえる もうあなたの名前も忘れた捜し疲れてひなびた町で宿をとればおりから降る雨雨はいいもんだ行きかう人さえ絶(とだ)えるからせめて…

  • YOU ARE MY DESTINY – 楳図かずお

    You are my destinyYou share my reverieYou are my happinessThat’s what you are You have my sweet caressYou share my lonelinessYou are my dream come trueThat’s what you are Heaven and heaven…

  • おろち – 楳図かずお

    私が誰だかわかりますか?もう私のこと忘れたでしょうね あなたの名前はおろち 私が勝手に付けましたあなたの心は風だから 姿なんかは見えません見えないあなたと肩並べ遠くの街へと旅しましたその頃私は不愛想でみんなは冷たいやつだと云いましたあああれから月日が過ぎて私も人並みに愛する相手 できましたその時初めてあなたのいないことに気が付いておもわず名前を呼びましただけども今では本当に遠くの街であなたが 花な…

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