森昌子

  • 恋文 – 森昌子

    そっと指で なぞってみるの 色あせた紙 ちいさな文字をいつのまにか 忘れかけてた 想いはあふれ 涙でにじむ 綴った文(ふみ)は つたないけれど 未来を照らす あなたの祈り 「ありがとうね」…とさりげなく 結ばれた古い手紙机の奥に戻して 自分に問いかけてみるあたたかいその言葉には 励まされて生きてます時は流れて 会えずにいても… 心はそばに 子供の頃 遠い坂道 思い出したら 笑顔になれる夕陽が描く …

  • 家族写真 – 森昌子

    久しぶり集まった 良く似た顔と顔みんなが揃うことなど 何年振りのこと手を止めて母さんが 膝の上孫を抱き「ホントに嬉しそうだ」と 兄さん耳打ちをする気兼ねいらずの笑い顔 ここに父さんいたならと笑顔の写真 話しかける一緒にいるよね お父さんふるさと我が家の 家族写真 忙しく過ぎる日々 離れて知った苦労生意気盛り ずいぶん心配かけたでしょう日に焼けた畳には あのころの椅子の跡並んで食べる夕げの 優しい母…

  • 港の月 – 森昌子

    晴れのち曇りよ 人生は色々あるでしょうさよなら恋人 しあわせありがとうAh…ha… Ah…ha…途方に暮れちゃうわAh…ha… Ah…ha…カモメも泣いている横浜 本牧 昼の月 女のまごころ 無駄にしてあなたは どこへゆく涙の数だけ 灯りがともる町Ah…ha… Ah…ha…風邪などひかないでAh…ha… Ah…ha…坂道のぼったら函館 夜景に おぼろ月 想い出かさねた 石畳祈りの鐘が鳴るあなたと夢…

  • たそがれ三番地 – 森昌子

    落ち葉が溜まる 路地の裏軋(きし)む階段 駆け上がる手書きの文字の 表札にふたりの名前 並んでた風にふりむくたそがれはいまもあなたがいるようであゝ元気にしてますかたそがれ三番地覚えています いつまでも 西日の当たる カーテンは過ぎた歳月(としつき) 滲(にじ)んでく貯金もできない 暮らしでも優しい笑顔 好きだった耳をすませばたそがれにいまもあなたの声がするあゝ元気にしてますかたそがれ三番地忘れはし…

  • 最後の乾杯 – 森昌子

    ありがとう これ以上言葉にできないわ海にしずむ 夕陽を見つめて最後に乾杯しましょういつもお互いを そっとかばいあい愛の強がり言ったけどそうよあなたなら きっとわかるでしょ今日でさよならするけれど まぶしいわ 想い出が心を支えるのたったひとつ 確かなこの愛夕陽に乾杯しましょう広いこの空も 碧(あお)いこの海もずっと終わりがないようにそうよあなたなら きっとわかるでしょ今日でさよならするけれど いつか…

  • あなたの愛に包まれながら – 森昌子

    雨の日も 風の日も色々あって つづく道そして今 あたらしい扉をひとつ 開けましょう振り向けば いつだってこころ支えた 歌があり哀しみの向こうには巡り逢う 明日(あした)があるあの頃よりも 自由になって広い空 見上げている今日は もう一度 生まれる記念日あなたの愛に 包まれながら うれしくて… 悩んだり 悔やんだり翼を折った 夜もある傷ついて わかるのよあなたの痛み 少しは誰もみな 限りある時を旅し…

  • ふるさと日和 – 森昌子

    あの人に逢いたくなってあの人のふるさとへ来たのふるさとへ来たの思い出ばなしはいい匂い私を包んでくれるからなんとなくぬくもる ふるさと日和(びより) 遠い日の夢追いかけて懐かしい裏山へのぼる裏山へのぼる遊んだ仲間はどこにいる涙が心を駆けて行く風ひとつ優しい ふるさと日和(びより) わらぶきの屋根さえ見えず歳月にふるさともかわるふるさともかわるけれども訛(なま)りがあたたかいあいさつ言葉もあたたかいあ…

  • 夕子の四季 – 森昌子

    冬の花が終る頃の 風のつめたさ春がそこにあると思えば なお寒い心なしか人の顔も つらく感じて言葉数も あえて少なく過ごします 夕子が紅をひきたい 日暮れあなたは わかってくれるでしょうか思い 思われ 思いがつづき思われ星が 消えました 夏の雨が屋根を叩き 通り過ぎたら心細い秋がひんやり しのび寄る巡る四季は 人の胸を染める絵筆と思いながら 涙ぐんだり笑ったり 夕子が髪をきりたい 夜ふけあなたは 感…

  • 小雨の下宿屋 – 森昌子

    小雨の下宿屋の窓あなたは 私待ってた古いてすりから 体をのりだしてとても寒がりな 人だからあつい靴下 編んで持ってきたわこの格子戸を あけたらよろこぶ顔が みえる愛するまねごとでも楽しい 私なのよ 小雨の下宿屋の中雨もりかくす カレンダー古いテーブルも みんな顔なじみいつもテレビみて たべるくせひとり暮しの 長いせいでしょうか熱いコーヒー いれるわしみじみ 話したいの大人になる日までは離れてくらす…

  • 哀しみ本線日本海 – 森昌子

    何処へ帰るの 海鳥たちよシベリアおろしの 北の海私には 戻る 胸もない戻る 戻る 胸もないもしも死んだら あなたあなた泣いてくれますか寒い こころ 寒い哀しみ本線 日本海 細い汽笛が こころに刺さる星屑ばかりの 北の空涙さえ 凍る こんな夜吠える 風に ふるえてる胸の痛みを あなたあなた聞いてくれますか寒い こころ 寒い哀しみ本線 日本海 入り江沿(づた)いに 灯りがゆれる名前も知らない 北の町凍…

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