松本八千代

  • かもめの波止場 – 松本八千代

    霧笛が鳴いて 寂しさ寄せて桟橋捨てて 船影消えて後はざんぶら 波音ばかり海峡ってサ……わかれ涙の 溜り水越えて行けない 運命の海よ恋は置き去り かもめの波止場 灯りが濡れて 寒さが沁みて潮風吹いて 浜梨散って胸にざんぶら 未練が寄せる女ってサ……旅の男の 仮の宿愛の古巣に 帰って来てよひとりつぶやく かもめの波止場 命が燃えて 死ぬほど惚れて絆が切れて 幸せ逃げて夢もざんぶら 波間に揺れるばかねっ…

  • 哀しみ冬紀行 – 松本八千代

    サヨナラの 向こうに何があるのか 知りたくて夜の船に 乗りました死ぬことも 出来ずにひとり聴いてる 波枕やはり泣いて しまいますつらいですね 冬の旅は思い出さえも 凍りつく風の音に さえぎられて祈りの声も 届かないどうしてあなたを 忘れられるでしょう さいはての 町ではお国自慢の 舟歌が低く低く 流れます訪ねゆく お寺に夢人たちの 声がする生きて行けと 言うのですつらいけれど もう泣かない哀しみ置…

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