東京60WATTS

  • 夏は終わりぬ – 東京60WATTS

    なんだかめっきり涼しくなると はしゃぎまわっていた夏がぬけがらみたいに木にぶら下がる 夜は冷えるから風邪ひかないように楽しいことばっかりないさ 笑ってられるくらいの毎日が終わり半袖でいられなくなった僕らは そろそろ重ね着に悩んだりする笑ってばっかりいた夏を あっという間の短いあの夏を遠く遠く空に浮かぶ夏を ヒマワリに埋もれた夏を 花火がふたりを照らしたりする 風がふたりを吹き飛ばす小さな胸を腕にか…

  • 夕がた片想い – 東京60WATTS

    都会の人ごみにくたびれて地べたに座ったまま刺すような夕日のまぶしさにだんだんおかしくなってきそうだ街が狂気におびえながら今日が過ぎるのをずっと待ってる 君は今頃何をしてるの? 僕はやっと今答えがわかったところさ思想も主義も何もない あるのは君への愛だけだよ 駅前でトラックが叫んでる 思いっきり叫び返したら刺すような夕日は消え去って僕はようやく歩き出すんだ街が凶器を振りかざして今日という日を終わらせ…

  • はなうた – 東京60WATTS

    僕はちょっと遠いとこに行くけど ずっと君のこと考えてるたまにはそうだな 一年に一度くらい会って話せたらうれしいよくだらないこと つまらないこと なんでも話してよ 最近なんだか いいことばっかり思い出すんだ出会った頃のこと覚えてるかい?まだ寒い季節でふたりともふるえていたねそれなのに帰ろうって言えなかった つないだ手が冷たくてびっくりしたよ 僕は背を向けてはなうた口ずさむどこまでも続きそうな枯れた並…

  • 夕焼け – 東京60WATTS

    僕にとって大切なことでも 君にとってはどうでもいいことばかりできることって限られているけどできないことってなんでこんなにあるんだろう 雨がやんで濡れた道に出ると曇った空からため息ひとつこのまま遠く連れ去ってくれないか 風に飛ばされてずっと遠くへベイベー今僕のまわりの景色が白くかすんできた 君が最後に笑ったのはいつだい? 君が最後に泣いたのはいつだい?僕が最後にできることはあるかい? 君が最後に言う…

  • 月夜にムーンウォーク – 東京60WATTS

    「ごらん月がほらまぶしいくらい街を照らしてる空を覆ってた雲を僕が吹き飛ばしておいたのさこのままふたりでずっと歩いていたい」そんな言葉を言えるはずがなくて黙って君の手を握ったんだ 照れくさくて顔を見れないよ白くすきとおる君がきれいだから ああ背中を押してあせらすんだ 早くしろってさあシャララこの公園でキスしたいんだ 空からまっすぐに光が一本だけ届いてる「この道を行けば月まで歩けるね」そう言って君は立…

  • お天気雨 – 東京60WATTS

    晴れた空に透き通る陽ざし伸ばして影が雲の行く道を真似してました まっしろにめかしこんだ月が風をあつめて揺れたりする後ろを振り返った夜が首の辺りをさすってました 笑い声や泣き言や怒った顔をくり返してくるくる変わっていく空模様 予想ができたらな あーあすると空から大つぶの雨が片手に傘を差しながらやってきました しばらくご無沙汰したようでくわえタバコの愛想おくるまた今日が始まるのですかとけだるそうな一日…

  • ウイスキーバーブルース – 東京60WATTS

    ウイスキーを一杯飲っていかないか 感じのいいバーがあるんだこの時間なら酔っ払いもいない 女がしつこくからんでくることもないだろうおまえの嫌いな音楽もかかっちゃいないセンスのないBGMなんかない店なんだ聞こえてくるのは氷のからみ合う音と 酒が自分の喉を通ってく音だけさなんだったら得意のブルースハープを吹いてくれ調子っぱずれのアップライトピアノであわせてやるから聴かせてくれウイスキーバーブルース 金勘…

  • 目白通りいつも通り – 東京60WATTS

    目白通りをゆけば君の家はもーすぐさ朝焼けの道を急ぐ胸焼けの僕がゆくチンチン電車が走る 通りをすり抜けて方向音痴の犬が風に巻かれて腕まくり 通りに面した部屋の窓から君が大きく手を振っているはずさ 目白通り抜けてくいつも通りの道には花咲き誇る街並みが空の下でひざまくら いつも通りの道が朝の光のなかで前日の体温を真っ白く吐き出してるここら辺はまだ眠ってるようだねしーんとした街は君の寝顔みたいだね 泣いて…

  • すべてのバカモノへ – 東京60WATTS

    俺がスターになったら話しかけてくれるなカリスマ性が問われる世の中さ俺がスターになったら気安くしてくれるな君たちとはもう住む世界が違うのさ 今年は原宿でスカウトされてデビュー常に記者に囲まれてインタビューあっという間にスターダムに乗るだろう原宿には俺を真似た若者だらけだろう 港区高級マンションにひとり押し込まれ無理矢理に曲をいっぱい書かされて会社は大儲け 俺はおこぼれそして世田谷におっきな家を建てる…

  • 昇天 – 東京60WATTS

    この街を埋め尽くす大量の人ごみを蹴散らして歩道橋駆け上がる 冷たい街の空までギターケースに君の■■を詰め込んでほらね真っ白な■が見えたよ 雨が真っ赤な■■を洗い流してくれる汚れた身体抜け出して君は綺麗だね 走る車がスピード上げる瞬間が意識を超えて車道に跳ね上がるこなごなの君を胸に僕はもうすぐ昇天するよ タバコに火をつければ浮かび上がる人並み透き通る心なしかもう震える暗い空遠く僕の■■を君の顔にかけ…

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