本名陽子
半分だけの窓 – 本名陽子
古い部屋を二段ベッドでふたつに仕切って
小さな窓もふたつに仕切って
谷底みたいな私の部屋の小さな机
本から目をあげて半分だけの空を見ても
いつもおんなじ 丘と高圧線
半分だけの空
あの丘からこっちを見たら
団地の中のひとつの棟の
ありきたりのたくさんの窓の
そのひとつの狭い穴から
とび立ちたがっている私が見えるのかしら
それとも
臆病に様子をうかがう私が見えるのかしら
古い部屋を二段ベッドでふたつに仕切って
小さな窓もふたつに仕切って
谷底みたいな私の部屋の小さな机
本から目をあげて半分だけの空を見ても
いつもおんなじ 丘と高圧線
半分だけの空
あの丘からこっちを見たら
団地の中のひとつの棟の
ありきたりのたくさんの窓の
そのひとつの狭い穴から
とび立ちたがっている私が見えるのかしら
それとも
臆病に様子をうかがう私が見えるのかしら
春を告げる風が頬をかすめるたびせつなさに泣きたくなる思い出がつまった青いこの制服脱ぐときが近いからもうすぐ あなたもただ違う道を選び私からはなれてゆくの忘れない
空から来た雫が流れて海になるようにいまは遠い夢でも未来で叶うと信じたい道に迷ったり悩んだり時のなか揺れながらいるけど生きてく強さやその意味知るためだと思えるから
カントリー・ロードこの道 ずっとゆけばあの街に つづいてる 気がするカントリー・ロードひとりぼっち おそれずに生きようと 夢みてたさみしさ 押し込めて強い自分を