服部浩子

  • 極楽とんぼ – 服部浩子

    ちょっといい話に 乗せられてあなた いい人過ぎるのよ世の中そんなに 甘くないわかっているのか いないのか私がついてて あげないと自由気ままな 極楽とんぼ何があっても 大丈夫いつでもあなたの味方です生きていたら いろいろあるの笑う門には 福来たる あっちゃこっちゃ寄っては 飲み歩き今日もやっぱり 午前様楽しいお酒も いいけれど体を大事に してほしい私のことなど 忘れてさ自由気ままな 極楽とんぼまるい…

  • 情熱のマンボ – 服部浩子

    踊りましょ 今夜は何もかも 忘れて心ときめく マンボ命 燃やしてなんぼ マラカス 鳴らせば眠らない夜が始まる 夢の中へ 誘(いざな)うリズム愛し愛され 踊り明かすの煌めく夜空の星たちがあなたと私に 降りそそぐ 迷わない 決めたの楽しまなきゃ もっと熱くはじけて マンボそうよ 笑ってなんぼ その瞳(め)に 捕らわれ口唇が触れた瞬間 恋に堕ちた 音がしたのよ生きる歓び 感じるままに激しく溢れる情熱はど…

  • 鏡の花 – 服部浩子

    忘れられないひとがいて踏みだせないと笑ってたあなたの背中追いかけてわたしじゃだめですか…あゝ鏡の中に咲く花に恋しているような そんな気がしていたたまれずにうちあけた夜でした 忘れちゃいけないひとならば忘れなくてもかまわない一生分の勇気ですわたしじゃだめですか…あゝ鏡の中の花じゃないこの世の花だから そばで咲かせてふるえる声でうちあけた恋でした あゝ電車の音が聞こえてたあなたの胸の中 抱き寄せられて…

  • サクラ食堂より – 服部浩子

    親の恋しい十五才(じゅうご)から励ましあった 仲でした春の嵐が 一陣吹いてあなたさらったあの日からサクラ食堂 女手一つふたりの夢を 護(まも)って生きる 眠る時間を惜しむよに働いたわね ふたりして情けの深い この下町でおなじみさんが親代わりサクラ食堂 暖簾をあげて倖せでした あゝこわいほど 仕事帰りの常連さんおかえりなさい 日替わりは金目の煮つけ 卯の花添えて超えた涙が隠し味サクラ食堂 たそがれど…

  • 夜雨抄 – 服部浩子

    雨になるほど 涙を流しあきらめましたあなたの心にいる女性(ひと)にあたしは一生叶わないあゝ生きてる女性(ひと)でもないものを小娘みたいなわがままを空を見上げて 詫びながら夜雨(よさめ)に濡れる わかれ道 風が吹くほど ため息ついて覚悟しましたつくしてみたけど あたしではやっぱり代わりになれなくてあゝ小さな荷物で押し掛けた小娘みたいなわがままをあの人許してくれたのは淋しさゆえと 知ってます あゝ不器…

  • 夕月川 – 服部浩子

    暮らしはじめて一年余り遅い春でもお弁当(べんと)作って送り出すかわらぬ暮らしがうれしくてあゝ笑顔でわかれてそのまんま帰らぬあなたの面影がゆらり浮かんで溶けてゆく夕月川は しのび川 この目とじれば あなたにあえる呼び止めましょかこの手を伸ばせば遠ざかるおもかげばかりの川の街あゝ今から一緒に あたたかな幸せ探しの約束は風がさらってゆきました夕月川は なみだ川 あゝ今から一緒に あたたかな幸せさがしの約…

  • 陽炎坂 – 服部浩子

    女に生まれた その意味はあなた あなた あなたに 出逢うため運命(さだめ)につまづく 坂道で倒れても 転げ落ちても またのぼりますつかんだ指から すりぬけた愛がゆらゆら 愛がゆらゆら 陽炎坂 儚くきらめく 逃げ水にこの身 この身 投げたら 死ねますか?別れて終わりの 恋じゃない憎んでも 忘れたくても まだ好きなのよ幻みたいな ひとでしたあなたゆらゆら あなたゆらゆら 陽炎坂 明日は必ず いい日だと…

  • 月酒場 – 服部浩子

    酔ってどこまで 地の果てまでもあなたの姿を 探すのよ揺れる暖簾が おいでと呼んで風だけが座る ひとり酒ぽっかり浮かぶ お月さんため息を夜空に 重ねてみます泣いてもいいですか 月酒場 丸いお猪口に 沈めたものはあなたを憎んだ 醜さよこんな心底 愛した人を忘れ去ることは 出来なくてぽっかり浮かぶ お月さん月に住む兎に 尋ねてみます許してくれますか 月酒場 壁に貼られた 「希望」の文字が静かにわたしを …

  • 呉れない情話 – 服部浩子

    宿の湯上がり 衣紋(えもん)を抜いて夜風でうなじを なぐさめるそんな自分が 虚しくなってこの身体(からだ)そっと 抱きしめる面影浮かべて 別れの理由(わけ)を聞けば答えて 呉れないあなたなぜなの なぜに 呉れないの 漆(うるし)お膳に 紅葉(もみじ)が添うて季節の移ろい 告げている何度重ねた 素肌と同じ温もりのお酒 流しこむそんなに飲むなと いつかのようにそうよ叱って 呉れないあなたなぜなの なぜ…

  • 紅筆哀歌 – 服部浩子

    紅をひと筆 引く手の重さ来ないあなたを 待つ夜更け化粧鏡に 映るのは二年あまりで 落ちた肩ひどい男(ひと)だと 甘えてすがり明けて朝には 紅が泣く 奪い取れない さだめの恋になんで心を 寄せたのか浴衣うなじの ほつれ毛を月の灯りが 照らし出す影を重ねる つかのまだけは風よ静かに しておくれ 咲いた花なら 散りゆくまではあなた綺麗と 言われたい涙隠して くちびるをいつも色染め 耐えてきたもしも別れの…

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