服部浩子

  • 鏡の花 – 服部浩子

    忘れられないひとがいて踏みだせないと笑ってたあなたの背中追いかけてわたしじゃだめですか…あゝ鏡の中に咲く花に恋しているような そんな気がしていたたまれずにうちあけた夜でした 忘れちゃいけないひとならば忘れなくてもかまわない一生分の勇気ですわたしじゃだめですか…あゝ鏡の中の花じゃないこの世の花だから そばで咲かせてふるえる声でうちあけた恋でした あゝ電車の音が聞こえてたあなたの胸の中 抱き寄せられて…

  • サクラ食堂より – 服部浩子

    親の恋しい十五才(じゅうご)から励ましあった 仲でした春の嵐が 一陣吹いてあなたさらったあの日からサクラ食堂 女手一つふたりの夢を 護(まも)って生きる 眠る時間を惜しむよに働いたわね ふたりして情けの深い この下町でおなじみさんが親代わりサクラ食堂 暖簾をあげて倖せでした あゝこわいほど 仕事帰りの常連さんおかえりなさい 日替わりは金目の煮つけ 卯の花添えて超えた涙が隠し味サクラ食堂 たそがれど…

  • 夜雨抄 – 服部浩子

    雨になるほど 涙を流しあきらめましたあなたの心にいる女性(ひと)にあたしは一生叶わないあゝ生きてる女性(ひと)でもないものを小娘みたいなわがままを空を見上げて 詫びながら夜雨(よさめ)に濡れる わかれ道 風が吹くほど ため息ついて覚悟しましたつくしてみたけど あたしではやっぱり代わりになれなくてあゝ小さな荷物で押し掛けた小娘みたいなわがままをあの人許してくれたのは淋しさゆえと 知ってます あゝ不器…

  • 夕月川 – 服部浩子

    暮らしはじめて一年余り遅い春でもお弁当(べんと)作って送り出すかわらぬ暮らしがうれしくてあゝ笑顔でわかれてそのまんま帰らぬあなたの面影がゆらり浮かんで溶けてゆく夕月川は しのび川 この目とじれば あなたにあえる呼び止めましょかこの手を伸ばせば遠ざかるおもかげばかりの川の街あゝ今から一緒に あたたかな幸せ探しの約束は風がさらってゆきました夕月川は なみだ川 あゝ今から一緒に あたたかな幸せさがしの約…

  • 陽炎坂 – 服部浩子

    女に生まれた その意味はあなた あなた あなたに 出逢うため運命(さだめ)につまづく 坂道で倒れても 転げ落ちても またのぼりますつかんだ指から すりぬけた愛がゆらゆら 愛がゆらゆら 陽炎坂 儚くきらめく 逃げ水にこの身 この身 投げたら 死ねますか?別れて終わりの 恋じゃない憎んでも 忘れたくても まだ好きなのよ幻みたいな ひとでしたあなたゆらゆら あなたゆらゆら 陽炎坂 明日は必ず いい日だと…

  • 月酒場 – 服部浩子

    酔ってどこまで 地の果てまでもあなたの姿を 探すのよ揺れる暖簾が おいでと呼んで風だけが座る ひとり酒ぽっかり浮かぶ お月さんため息を夜空に 重ねてみます泣いてもいいですか 月酒場 丸いお猪口に 沈めたものはあなたを憎んだ 醜さよこんな心底 愛した人を忘れ去ることは 出来なくてぽっかり浮かぶ お月さん月に住む兎に 尋ねてみます許してくれますか 月酒場 壁に貼られた 「希望」の文字が静かにわたしを …

  • 呉れない情話 – 服部浩子

    宿の湯上がり 衣紋(えもん)を抜いて夜風でうなじを なぐさめるそんな自分が 虚しくなってこの身体(からだ)そっと 抱きしめる面影浮かべて 別れの理由(わけ)を聞けば答えて 呉れないあなたなぜなの なぜに 呉れないの 漆(うるし)お膳に 紅葉(もみじ)が添うて季節の移ろい 告げている何度重ねた 素肌と同じ温もりのお酒 流しこむそんなに飲むなと いつかのようにそうよ叱って 呉れないあなたなぜなの なぜ…

  • 紅筆哀歌 – 服部浩子

    紅をひと筆 引く手の重さ来ないあなたを 待つ夜更け化粧鏡に 映るのは二年あまりで 落ちた肩ひどい男(ひと)だと 甘えてすがり明けて朝には 紅が泣く 奪い取れない さだめの恋になんで心を 寄せたのか浴衣うなじの ほつれ毛を月の灯りが 照らし出す影を重ねる つかのまだけは風よ静かに しておくれ 咲いた花なら 散りゆくまではあなた綺麗と 言われたい涙隠して くちびるをいつも色染め 耐えてきたもしも別れの…

  • 霧幻峡 – 服部浩子

    張り裂けた 心にひやり会津の風が 忍び込む真っ白な 霧の中あなたの背中 消えてゆく恋の狭間の 霧幻峡あなた 愛は幻ですか 青々と そびえる樹々に抱かれるような 赤い橋この身体 いつまでもあなたの熱を 感じます夢の狭間の 霧幻峡わたし 何を願えばいいの 明日へと さまよいながら想い出運ぶ 渡し船この愛を 眠らせて三途の川と 呼べたなら恋の狭間の 霧幻峡あなた ずっと愛しています 人気の新着歌詞 上海…

  • 風花港 – 服部浩子

    指の先まで ひとすじに愛したことが 邪魔ですかもたれる背中の あたたかさほかにはなにも 欲しくない涙ちぎれて 風花が波に呑まれて 散る港 ただの一度も 振り向かずあの人乗せた 船が行くしあわせ探せと 置手紙断ち切るように なぜ書いた寒い心の 風花が汽笛追いかけ 飛ぶ港 恨む言葉を 海峡に投げても未練 つのるだけ死ぬまで待つのも おんなだと沖行く鴎 伝えてよ白く儚く 風花が夢をさがして 舞う港 人気…

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