平井菜水
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想い出があなたを離さない – 平井菜水
波の音が 静かにくりかえす真夏のざわめきが 嘘のように握りしめた 夢の欠片(かけら)たちがまるで砂のように こぼれてく ふたりで過ごした 眩しい日々はすべてがあなたに 彩られてた 時はいつか 痛み癒(いや)すけれど想い出があなたを 離さない 人は誰も 何かに怯(おび)えては知らず知らず愛を 遠ざけるの通りすぎる ありふれた季節に答えを見つけても 帰らない 素直な微笑みは 取り戻せても流した涙は 真…
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てのひらの短編集 – 平井菜水
読みかけの本のページ開いたそよ風で 髪を乾かす日曜 短編みたいな あなたと恋で心も本も閉じていた 窓を開けて 深呼吸しましょう ハートも今日は休日(おやすみ)だわ窓を開けて 風にあたりましょう せつない気持ち 冷ますように… あなたから借りたCDかければあなたから借りた優しさ流れる 短いドラマに リフレインはなくて返せないまま 消えたけど 窓を開けて 掌(てのひら)かざせば 未来(あす)の入り口 …
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はかなさのしくみ – 平井菜水
たそがれに 君はためいきを何度もついて うつむいた華やかな 街のざわめきに背を向けて さよならの代わり 愛に終わり来ること 二人すでに 感じてたね 別れはいつでも はかなく揺れる傷つきながらも とまどうばかり泣いてもいいよね こんな時には最後の言葉 何も言えるはず なくて 夕闇に 君はたたずんでせつない涙 こらえてるいつだって やさしくほほえむ君がいた 鮮やかな記憶 すべて夢のまわりで 人の心 め…
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たゆまない夜に – 平井菜水
時計の振り子の 音に夜降り積む花びら くっきり 時を彩るようあなたが いなくても 心は 静かで通じる 熱い想い いつでも たゆまなく変わらず 一人でも夜を 過ごせる自信がとても心地良い変化あなたを知ってからの 素直な心模様が私を包む 今日も 眠りにおだやかに誘って 夢なら あなたが いつも寄り添ってるいとしい 笑顔が 光を浴びながら少しの せつなさに 寝返り 打つけど会えない 夜は次の 約束 とき…
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あなたへの空 – 平井菜水
心の翼ひろげ 潮風に身をまかせて自由な海鳥(とり)のように はるかな空 飛んでいきたい ラジオつければ お気に入りのラブソング今日はきっと いいことが そんな予感 車を停めて ひとりきりのSEASIDEあの日の恋 風と波が さらってゆく 途切れた 二人の時間今は せつない記憶のかけら 心の翼ひろげ いつしか強くなれたら瞳に 同じ光 宿る人と めぐり逢いたい 流した涙も いつかみんな 微笑みに変えて…
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嵐の中から呼ぶ声に – 平井菜水
なぜ止めないのかなぜ泣かないのかただ微笑んで見つめてる いま手離したらもう二度と来ないあの幸せな熱い日々 嵐の中から強く呼ぶ声に翼を傷つけても飛び立ちたいなら あなたに あなたと あなたが あなたをそんなふうに生きてた それでも 今でも どこでも 何が起きてもあなたの空 命に替えて守りたいの 明日目が覚めたときまだ夢のようにそのぬくもりを探すでしょう あなたとおんなじ空を飛びたいとどれほどはばたい…
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けんかの後で – 平井菜水
雨の雫が かわいた心 濡らしコスモスも 淋しそう突然 彼の呼び出し電話はずむ 胸 さわぐわいつもの店 甘いワイン貴方 待ってるわけんかした わけなんか なぞってたけどやっぱり 一番 愛してるLet’s have a nice day today 小雨まじりの 外路樹ゆれて彼が かけつけるわ期待と不安 弄びながら明るく 手を振ったのTシャツにジーンズ 照れた顔してとても 素敵なのさりげな…
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風に向かって – 平井菜水
風に向かって 瞳閉じたらすべてわかった気がしたの出逢ったことも 別れたことも偶然じゃなかった それぞれにあの瞬間を選んで生きたはず 悲しいのは あなたを責めたことできるなら この気持ちであなたと話したい 過ぎた日のあやまちは輝いたメッセージ 時代はいつも 記憶のかけら拾い集め 歩いてゆく未来の罪も 昨日の罰も空と繋がっている それぞれに流されてそれでも生きている 嬉しいのは あなたに逢えたこといま…
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お願いだから – 平井菜水
このままずっと走り続けてどこまでもいつまでも遠いところまでバックミラーに消えてゆく街星のないこの恋と似ている空 何も言わない横顔みつめたまま助手席からあなたの肩まで手をのばした 傷つけていいから気まぐれでいいから何もないことがもう苦しいわがままを許していとしさを許して今夜だけでいいそばにいてお願いだから あなたのいない部屋に電話が彼女から何回もかかってる頃きれいな指が心配そうに動いてるその様子闇に…
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輝きたいから – 平井菜水
人は誰も 道に迷い 傷ついてそれでもなお 夢を求めて たたずむ過ぎた時の 熱い想い 深くなる闇の中で こみあげるうずき重い雲間から のぞくひかり心 溶かせる 夢のつづきいのちは 輝きたいからせつないのですいのちは かけがえないからいとおしいのです見えない未来(あした) 探しながら 人は誰も 愛を求め 傷ついてそれでもなお あきらめきれず ふたたび人と人の 波間深く 流されていつの間にか ほどけない…