山本精一

  • サナギ – 山本精一

    いくら待っても 人になれないいくら呼んでも 人に会えない孤独がいつでも側にいてくれるとは まるで限らないうたがうことでしか何も話し合えない人 うしろすがたが 誰かに似ているけれど どうしても 思い出せない これから いくつのものがたりが 生まれて 消えてゆくだろう?生き急ぎ 生き遅れたわたしのまるい背中みんな忘れて 話さないからどんな昔も まるで過去になれない 雨がふりだしたみんな ぬれてる 人気…

  • 未来図 – 山本精一

    はじまりという終わり時計のネジ廻すのは誰?進むべき明日なんて疑い続けくたびれてしまった 風が渦巻く空狙い撃てあざやかに弛むカイトの糸放つことができたら 世界はぬかるみと破れた地図で出来上がっているんだ 防波堤の上をすべる夢 濡れた髪蔓草に指這わし茨の口づけを 実の房と宝石をその胸に散りばめてみよう 雨に消えない町壁一面 その未来チョークでひかれた道に無数の花が舞う 人気の新着歌詞 ゴミ箱のなか &…

  • ORGEL – 山本精一

    アミの目の上を すりぬける彼とっくに色もあせて 風にあおられてまい上がる彼小さな弧を描きながら胸にかくれてのひらに乗り ささくれた 気分の 真ん中であそびのない かたい弓思いきり引いて ねらいを定め 猫の眼のようにたくさんかわる(また眼を閉じている。見られたくない。)考えているまわりの気配を見ては、たのしいかどうか?さびしいかどうか? 人擦れの音の中浮んでる思うのはあの影の絵 彼らといっしょに見え…

  • EVER GRAY – 山本精一

    今日は何をしても どれもつまらない鏡を見ながら 顔をしかめたりむりやり誰かに 電話してみたり久しぶりに 本をひらいては閉じて あたらしい僕らは深みどり急な光あびて色あせる 生きてることには 思いもなにもないそう思うなら それもいい生きてるあいだは 限られることばかりそう思うたび 救われる 今日は何をしようか なんて気もしない鏡に貼りついた 顔がゆがんでるあかりをつけたり すぐ消してみたりそのまま朝…

  • DELUSION – 山本精一

    いつも途中まで 憶えていたもの家に着いたら 忘れてしまった何も思い出せないまま ほんの少しなら 自分のこともわかる気がした けれどそれよりも今は眠らせてほしいんだ 始めから色のついた眼鏡をみんな放り投げてどんな時も 真ん中にある変らないもの 失くせないもの いつも帰りには ひとりになった行きは多勢で にぎやかな声につつまれていた気がした夜の公園で ひとりつぶやいた声が消えたら くらい砂場がほのかに…

  • SHOOT – 山本精一

    そこには怖れもなく沈んだ心もなく昂まることもなくとりたててうたがいもせずゆがんだ夢もなく投げつける鎖もない力を込めるものもあきらめるものもない 何だか 今ならよく見えるありふれた 日々の泡の中で生まれている 何かの芽が こころを閉じる人何でもうたがう人何にでもおびえる人だれにでもゆだねる人うしろをふりかえる人ふりかえったらひきかえす人約束をやぶる人それにも気づかない人 お前は なぞに満ちあふれてま…

  • POWDER – 山本精一

    もう少しはたぶん ここにいるかもしれないこんなにも静かな 気持ちになれるなら今はまだどこにも 灯りはともらない今はまだ誰にも 光は届かない こころは急になぜか 冷たくなってしまう誰のせいでもないことだけは わかるけど 望んでたものなら どこかへ忘れてきたそれも今では 想い出にもならない何でもいいから 誰かと話したい何でもいいから むちゃくちゃに壊れたい こころは急にそこで 遮られてしまうほんの小さ…

  • 12色のバラッド – 山本精一

    時のたつのも忘れるほど 部屋の中で埋もれいつも何かしら ふさぎ込んでいる おそろしいほど 繰り返してスリ切れた日常は気付かないくらい ゆがんで見えてる 今は求めることも しなくなってるずっとむかしのことばかりのぞき込んでいる そのうち俺は何にでも なりたいものになるいつのまにか そう思い込んでいた。 気が付くのが遅すぎたのか 身動きもできずに同じところから はなれてゆけない 今さらながら分るのは …

  • ゆうれい – 山本精一

    また、きのうによく似た白い朝がゆっくりはじまってみんなの期待に応えるような いつものわたしになるなにも 話すことがないときは ふいに おしゃべりになるコトバがあふれて そのはやさに まるで追いつけないもがいているだけ。 ガラス越しに 見える街の色は モノクロームのままとおい昔の写真の中でさえ わたしはいない それぞれのしあわせと かなしみは ふたり はしの上でありそうな時も はなれる 時もいつも …

  • 真昼間の獏 – 山本精一

    あなたの白さは とても 軽くて言葉に乗せても まるで疲れないあなたのせかいはいつも 迷路でそんなところも とても 嬉しい 真昼間の夢のなかを ゆらぎながらこのまま こうしていてもいいそんな 気持ちになって夢は獏に 獏は俺に食べられている夜明け前 家があり 部屋があり イスがあってもそこには もう 俺はいないから仕方がないので外へ出て行き場のないところばかり捜して まんなかくらいのゆるい生活の中弄ば…

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