山本正之

三日月メランコリー – 山本正之

映画をみようねって約束したのに
プロレス見に行ったあの娘の
りんごのような丸いおでこに
ピストルつきつけた

いっしょに走ろうねって指きりしたのに
初日にカゼひいたあの娘の
トウフのようなやわなうなじに
縄紐まきつけた

そうだね他人のものはいい
他人のものだからなおさらいい
けれど他人のものだから
自分の手の中にきやしない

街の食堂でカツ丼たのんで
隣のやつが天丼食べてたら
急に天丼を食べたくなるのは
はたして軟弱だろうか

うしろ姿の仔猫がみつけたものは
三日月だけだろうか 蒼い夜空だけだろうか

銀座はいやだねよそよそしいね
赤坂気をつけて水商売の香り
新宿ダメだねタワーがいばってる
渋谷もパス乱れがましくて

中野は恐いよ献血させられそうで
上野はオットットレゲエになるにはまだ早い
とんで六本木ファッションの溜り場
青山なんかオナラをかけちゃえ

たとえば池袋の立教通りの
マダムシルクの一番奥の
テーブルがいい…やさしさに逢える
淡い蝋燭がいい

友情なんてこの世に一つ
有るか無いかの宝石だからね
人混みにキラリと光る
視線に気を配ろうね

うしろ姿の仔猫がみつけたものは
三日月だけだろうか 蒼い夜空だけだろうか

檻の中にいる子供の猿を
人の子供が眺めてる
どんよりとした真昼の憂鬱
眺めているのは猿の方かもね

コペルニクスが生きてたことを
絵本で読んで初めて知った
傷つけるべきものは自分ではなく
他人だったと知らされた

片目を開けて語り合う
人と人との歯車は
丸と四角と三角と
絡みあうのはいつのこと

苦しみだけの恋人は
夜の隙間を走りだし
無情の紅いシグナルに
つぶやきさえも阻まれた

それじゃあまたねと手をふって
ギターリストは家路へ帰る
振り向かないで小さく消えて
少年時代を見たような

あなたもぼくもメランコリー
おんなじ重さのメランコリー
廊下の隅のオルガンを
弾いているよなメランコリー

うしろ姿の仔猫がみつけたものは
三日月だけだろうか 蒼い夜空だけだろうか

冒険好きのノラ犬が
面影橋をくぐってく
ガラスのビルを見上げたことを
誰が気づいているだろうか

電車のドアに息をふきかけ
小指で書いたひと言は
お別れか愛なのか
発車のベルに消えてゆく

あなたもぼくもメランコリー
おんなじ青さのメランコリー
柱にもたれてハモニカを
吹いているよなメランコリー

うしろ姿の仔猫がみつけたものは
三日月だけだろうか 蒼い夜空だけだろうか

映画をみようねって約束したのに
プロレス見に行ったあの娘の
りんごのような丸いおでこは
明日に色づいて

やがて満ちてゆく 三日月かもね

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