山崎ていじ

  • 追憶-北の駅- – 山崎ていじ

    傘を斜めに 隠した涙雨の舗道に 落ちては消えるこの世には 逢ってはいけない人が居る終わりかけた愛は 消えそうな恋は何にすがれば 心 心戻りますか悔やんでも 消すに消せない望んでも 添うに添えない雨の中 立ちつくす ああ 北の駅 風に押されて 真夜中の駅未練ばかりの 女がひとりこの世には 逢ってはいけない人が居る命かけた恋も あの夜の愛も時間と き は無情に 心 心変えるのですね悔やんでも 許しきれ…

  • 桜の下で – 山崎ていじ

    去年ふたりは 桜の下で夢を肴(さかな)に 飲んでいた酒に逃げてる 今夜の俺を笑いたければ 笑うがいいさ独り淋しく 花見(はなみ)酒(ざけ) 惚れて別れて 別れて惚れてもつれ話の 後始末俺にその借り 残したままでお前そのまま 知らないふりか愚痴(ぐち)を重ねて 手酌(てじゃく)酒(ざけ) 居ないお前と 乾杯すれば春の寒さが 襟(えり)に這(は)うグラス合わせた ふりしてみても酔えば酔うほど 逢いたく…

  • 居酒屋「ての字」 – 山崎ていじ

    我慢我慢の 世間の風によくぞ耐えたぜ 春・夏・冬と風にゆらゆら 提灯(ちょうちん)揺れて今夜は早い 店じまい暖簾(のれん)下ろして 手酌で飲めばやけに やけに 沁(し)みるぜ 苦い酒 こんな店でも 俺には城さ古い品書き 値段も変えず男ひとりで 切り盛りすれば窓から月が 覗(のぞ)いてる紺の作務衣(さむえ)に 前掛け締めて作る 作る お通し 母の味 愚痴を肴(さかな)に 呑む奴(やつ)いればなぜか泣…

  • 伊勢街道まつり唄 – 山崎ていじ

    日永追分(ひながおいわけ)来てみれば お伊勢さままで十八里まつり太鼓に誘われて ひょいと見上げた大入道(おおにゅうどう)世の中は(ソレ!)おかげさま(ア、ヨイショ!)老いも若きも 手を取って(ヨイサーヨイサー)東西南北 福来(ふくきた)るまつり唄なら 伊勢街道 鳴子(なるこ)振る手も熱くなる 安濃津(あのつ)よさこい恋囃子(こいばやし)祭りのあとの寂しさに お神酒(みき)ひっかけ膝枕(ひざまくら)…

  • 酔わせて候 – 山崎ていじ

    酔って乾杯 酔わせて返杯(へんぱい)暖簾(のれん)下(おろ)して 酔わせて候(そうろう) 船が港に近づけば心急ぐぜ一本道さ女盛りを束(たば)ねた髪で博多の帯に袂(たもと)をはさむ女将(おかみ)のエクボに気が走る 海を切り裂く波しぶき鰹漁(かつおりょう)なら任せてくれと親父譲りの一本釣りさ黒潮なびく大漁旗(たいりょうばた)よ波止場で灯(あか)りが待っている 一升瓶から焼酎(さけ)注(つ)いできゅっと…

  • さよならバンクーバー – 山崎ていじ

    船が港を 離れていくわ三本マストの 白い船壁にもたれて 目を閉じて私 ここで 見送るわさよなら あなた ひと夏の恋素直に好きと 言えなくて真っ赤なブイが 揺れているさよなら さよなら バンクーバー 夏の高原 出会ったあの日見渡すかぎりの ラバーナム黄金色(こがねいろ)した 並木道私 きっと 忘れないさよなら あなた ひと夏の恋トンネル抜けて 振り返り夕日と共に 消えていくさよなら さよなら バンク…

  • 別れのボレロ – 山崎ていじ

    朝日が昇る その前に鍵は置いてね いつもの場所(ところ)この恋は 危険だと 知っていたのに逃(のが)れられない 私が悪い守れぬ約束を した貴方(あなた)信じたふりを した私罪はどちらも 同じでしょうか涙にくちづけ それでサヨナラあゝ 別れのボレロ 別れることは マニキュアを落とすことより 簡単(らく)だと泣いたこの愛は 行(ゆ)き止まり 知っていたのに戻りきれない 私が悪いお前が命だと 言う貴方(…

  • 騙されて – 山崎ていじ

    今日も口から 出まかせの嘘を平気で ついている言葉の端(はし)の ほころびも気付かぬふりで 微笑(ほほえ)んでなぜか 憎めぬ あんたの嘘に 騙(だま)されて…酔って二人で はしご酒 あの日出会った 居酒屋で「横に座って いいですか?」断るスキも 与えずに仔犬のような なつっこさ知ったかぶりの あんたの嘘に 騙(だま)されて…酔って朝まで 添い寝する 夢の話の その続き頬(ほお)づえついて 聞いてい…

  • 浜防風 – 山崎ていじ

    海が荒れる 日本海この身投げ出し 気が付けば海からも 捨てられて孤独の波が 押し寄せるやってられないよ この寂しさに砂地に根を張る 浜防風(はまぼうふう)よお前の強さが 俺にも俺にも俺にも欲しい 外が雨で 泣けるのか俺の未練が 泣かすのか「捨てといて ほっといて」涙の顔が 離れないやってられないよ この哀しさに雨風(あめかぜ)耐えぬく 浜防風(はまぼうふう)よお前に背中を 叩いて叩いて叩いて欲しい…

  • 幻の小夜曲 – 山崎ていじ

    思わせぶりに 僕をみつめて恋に落ちたと 君がささやく星の降る 夜の浜辺は 恋の恋のステージ裸足で踊る 君を追いかけて抱きしめる すり抜ける気が付けば 愛はかげろう誰もいない誰もいない ひとぼっちの夜 あなたの愛が 生きるすべてと濡れた瞳で 君がみつめる星が消え 暗い夜空に 赤い赤い三日月両手を広げ 君をうけとめて抱きしめる すり抜ける振り向けば 愛はかげろう君のいない君のいない 息もできない夜 裸…

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