少女病

  • Celestial Blue – 少女病

    「目覚めたのは、白雨の降りしきる小高い丘。辺りに人影はなく、ただ唇に暖かな温もりだけが残されていて。僕はどうしてここにいるのだろう。やっと会えたのに、一緒に帰ろうって伝えることもできず。ここで何があったのだろう。シスは、別れ際に耳元で何事か囁いていた。けれどそれがどうしても、思いだせなくて――――」 初めて出会った その瞬間から想いは決まっていたのかな?幸せって言葉の象徴は疑う余地なく、キミの存在…

  • 偽りなき聲 – 少女病

    ねぇ メリディエあなたがいつかね何もかもを そう 捨て去ってしまっても きっと傍にいるわ人はあなたを畏れるかもとも知れないけれども その心の何よりも美しいこと 知っているから―― 「生まれながらにして、王女の友人であることを運命付けられていた。貴族の娘、メイメイ。」 「光を通さぬ漆黒の髪、感情を閉じ込めた昏い瞳、国の唯一の跡継ぎと目された。王女、メリクルベル。」 「二人はいつしか。ただの役割以上に…

  • unleash – 少女病

    凶音が世界に響く 新たなる風を携え浮かんだ二番目の月へ 向けて貫き叫ぶように 全てが誰かに与えられし理なら振り落とされずにどんな運命だって乗りこなしてみせるさ 理由無き咎を贖い 祈り続けたって切り拓けはしない一掴みだけの希望【ヒカリ】でいい 灰色の空に飛ばせ それはきっと小さな願いどんなに無様でも“――――生きたい”無数の声なき想いを乗せて 新しい世界を描け 結末を奪われ 放り投げられた童話の空白…

  • 瓦礫の終音 – 少女病

    「どうして選ばれたのか?」そんな問いに意味など ないと識っても心痛は消えることなく 時計の針は廻る… 「この世界には、不死なる5人の魔女がいる。それぞれが異なる神に見出され、人から成りし存在。神を信仰する人々はその力に畏怖し、崇めた」 「蒼白の果てで紡がれる、心優しい少年と一人の魔女の物語」 褪せた日々は淀み 怠惰に溺れる血塗られた月夜は穢れ 無垢な衝動、翳して 変わらぬ忠誠 誓いし下…

  • lunatic… – 少女病

    交錯する想い達 重なる死の刃欺いては切り裂いた 過去への寂寥感 闇に沈んだ魔女に 光はいらない lunatic… 歪んだ螺旋にいつしか囚われてるシルエラは無力な 自らを呪う罪深く染まる日々に すべてを委ね 想いを貫く 「戦う理由なんてどこにもないはずなのに。命令されたって、何かの間違いじゃ……?」 「黙れ。間違いがあるとしたら、それはお前がここにきたことだけ。愚かで……汚らわしい男。追…

  • 黒紫のオーンブレ – 少女病

    「—-葬列。並ぶ者の居ない、闃寂の空間。参列者は、たった独り。孤独な少女は回想する。共に過ごした美しい思い出の、その全てを。彼女は笑いながら呪う。忌まわしい世界に向けた、底なしの悪意。……少女の纏う、黒紫の影がざわめきだした—-」 響き渡るそれは欷歔の声吹き晒す風に乗せ猶も届きはしない 身に纏う無数の「声」が黒紫の装束となって信じるべきものを告げている 何を愛し何を呪う何を…

  • 双生プロヴィデンス – 少女病

    「名前を知れない、小さな村。村人たちは神を深く信仰し、慎ましく暮らしていた。そこに、一際敬虔な夫婦がいたという。皆から愛され、穏やかに、平穏に。小さな幸せと共に」 「彼らには、たったひとつだけ不幸があった。夫婦は長らく、子を授かる事ができなかった」 「妻は祈る」「夫も祈る」 「神より、新たな命を授かるべく。そうして、漸く。村の誰もが二人を祝福する—-はずだった」 もしも罪悪に重さがある…

  • 天巡:終わりにしてその始まり – 少女病

    許されない命があるそう 世界が存在を拒むなら 天の巡(めぐり)に抗ってでも生きていこうと誓いながら二人だけ 在るように 「ある日、リフルは病に倒れる。村で孤立していた彼女に手を差し伸べる者は—-」 味方など何処にも居ない 呪われているその命の全ては穢れ 命の重さに差などない筈なのに 医者でさえその命を護ろうとはしない 私独りにできることなんて—-震える両の手をただ胸で組み合…

  • 不完全犯罪依存症 – 少女病

    凶報 大恐慌 さぁ狂想 震えよセカイこの場で 定められた 指針こそが 法となって それが どんな 矛盾に満ちた 裁定で落涙 落命 何が起ころうと抗えない 「遅れている第4の魔女リフリディア、そして第5の魔女の着席を待たずして。セカイの行く末が今ここで決定付けられるとまで言われる、五魔女会議の幕が上がる」 瓦解の 潜む夜に 星が堕ちる 空を抱く狂気を 濫用して 神降ろしの 機は逸した 帝政? 王政?…

  • 真白国へようこそ – 少女病

    「正直、驚いた。魔女の僕、メイメイに手を引かれ、深く暗い森を歩き続けた。一歩進む度に現実から離れていくような錯覚に襲われて、現実と幻想の境界がわからなくなってきた頃、突然に視界が開けた。そこに隠されるように広がっていたのは、陰鬱な光景ではなく、思いもよらないほどに美しい景色で……」 花々(はな)は色付き舞い踊って鳥達(とり)は祝福を謳ってまるで、地上の楽園であるかのよう わたしを迎えて微笑む(わら…

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