富田靖子

あの夏の日に帰りたい – 富田靖子

夕闇がつつむ頃は
この店も静かになる
しあわせな恋人たちは
入江を見るから
去年と同じ椅子に
同じ夏服で
すわってみるけど
思い出は悲しくて

あの夏の日に帰りたい
今ならわかるのに
ねえあなたが見てた夢が
かなうといいね

忙しい…その言葉を
言い訳と思っていた
待たされるその時間も
愛だったのにね
窓へと頬をよせて
あなたを捜せば
今でも坂道
上ってくる気がする

あの夏の日を忘れない
誰かと恋しても
ああ初めてのことばかり
教えてくれた

あの夏の日に帰りたい
も一度出逢いたい
まだ髪は伸ばしています
約束だから

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