宮沢和史

ゲバラとエビータのためのタンゴ ~2001年の黙示録~ – 宮沢和史

1999年 実はノストラダムスの予言は的中していた
政治 経済 学校教育 家族の絆は崩壊し
人類は仮想現実の中に封じ込められてしまった

バスジャックした少年には行き先がない
証拠だらけの犯行現場には犯人以外なら何でもそろっている
ハワイ沖では原子力で泳ぐシロナガスクジラが海面で潮を吹いている
我が国の総理大臣は3番アイアンでスライスしていた

すべての人が正義の味方の出現を心待ちにしている
月の光を浴びて疾風(はやて)のように現れる英雄を待ち望んでいる

有明の海では巨大な鋼鉄のギロチンでムツゴロウの首がはねられている
高知県土佐山村では1世帯あたり340万円もの借金を抱え込んでしまった
全ての裁判は長引いている
我が国の総理大臣は3番ホールでダフっていた

マスコミは英雄の足首をつかみ 引きずりおろしている
英雄はフラッシュの光を浴びて疾風のように逃げまわっている

銀バエ2匹分の遺伝子を持つ我々は 彼らのように自由に空が飛べない
浅草ではレッサーパンダが二本足で歩いている
我が国の歴史教科書は永久に改正を強いられるのだろうか

誰もが正義の味方の不在を嘆いている
子供達はあこがれのヒーローを捜しあぐねている

すべての病人は点滴の中身を疑っている
海辺の高級マンションではコンクリートが練られている
獄中への差し入れには覚醒剤が紛れ込んでいる
我が国の外務省には香典泥棒が潜んでいる

ゲバラとエビータを呼び覚ませ
2人のためにタンゴを奏でよ
マザー・テレサに不死鳥の血を

美空ひばりと坂本九を連れ戻せ
2人のためにバンドを集めよ
ひめゆりの塔には永久に消えることのないろうそくの灯し火を

インドに医師団を
北朝鮮に勇気を
三宅島にまっさらな未来を
テロリスト教祖に判決を
17歳達に地図を
えひめ丸に名誉の帰還を
食卓に真黒な海苔を
下諏訪の渓流に山女魚(ヤマメ)を
長良川に五月鱒(サツキマス)を
四万十川には香しき鮎を
子供らに花束を
年寄りにゆりかごを
すべての人の心に花を
この社会に再起動を
歴史を巻き戻すチャンスを

我々にもう一度チャンスを
我々に立ち止まるチャンスを

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沖縄に降る雪 – 宮沢和史

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書きかけの歌 – 宮沢和史

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ANJOS~天使たち – 宮沢和史

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