大黒裕貴

越冬平野 – 大黒裕貴

灯りかざして 燃える雪
風が哭くから こころもふぶく
ふたりこのまま いられたら
春はなくても 生きられる
降り積もれ 埋め尽くせ どうせかくれ恋
闇の中 花になる 越冬平野

白い雪野を 染め返し
紅い椿は その身を投げる
顔をうずめて 甘えたら
眠るその手が 引き寄せる
離れずに 添い遂げて ふたつこの命
咲くもいい 散るもいい 越冬平野 

山をなだれて 落ちる雪
女ごころが 夜空を揺らす
拗(す)ねてみたなら この胸を
私ひとりに くれますか
戻れない 果てがない これもおんな恋
次の世は 鳥になろ 越冬平野

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ほっといてんか – 大黒裕貴

夢も明日も おきざりにしてうるむネオンに 消えた人恨みつらみを あげたなら大阪女の 値が下がるほっといてんか ほっといてんか…うちなんて肩のふるえを 見ないでお

なみだ海峡 – 大黒裕貴

雨に未練が 姿を変えて海に心に 降りしきる恋は女の さだめと同じなんで命を 惜しむでしょうあなた あなたのさよならだけが今も聞こえる なみだ海峡夜明け間近の 窓

夕月みなと – 大黒裕貴

かもめ教えて ふたりの恋がなんでこの世の 罪になる別れることが あなたのためと死ぬほど泣いて決めました呼んでも 呼んでも 呼んでもダメよ風が身をさす 夕月みなと

二人静の花 – 大黒裕貴

生きるつらさに 負けそな夜は呑んでゆこうよ もう少し東京すてて 手に手をとって恋に走った あなたと私…二人静の花のようにこの世のどこかで 咲けばいい笑顔だけしか

氷酒 – 大黒裕貴

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瀬戸歌 – 大黒裕貴

日暮れ 尾道 明かりは見えど歩いて渡れぬ 燧灘(ひうちなだ)泣きたいけれど 何故でない涙も 愚痴も うらみさえあなた 好きだから私を抱きに そばにきて瀬戸の他に

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