夢追翔

僕にピアノは弾けないけれど – 夢追翔

ねぇ はじまりだよ
変わり映えの無い 昨日見た景色

泣いたの? 笑ったの?
無感情で過ぎる足跡

何度でも 何度でも
繰り返す 塗り替える 膿出せるまで

逃げ腰の ネグレクト
過去にしたくて

自分の幸せ 願うの苦手で
誰かに許して貰おうと
がむしゃらに書いた 私小説みたいな
言い訳履歴書

「愛してる」「大好き」って
そんなくそったれな歌を
君が大事そうに聴くから
少しは僕も覚えてしまうよ

何回目 目配せ
どうせ似合わないとか言うんでしょう
きっと君に気付かれぬよう
煙に巻くメロディに隠して

ねぇ 誰もが
幸福を求める それが尊いと

教わった 筈なのに
どうすりゃ良いかも教えてよ

無責任な 自由は無く
首枷 拭い汗 踏み出せなくて

明日も 明後日も
このまま生きて

誰にも祝われるどころか嫌われ
祝福されない願いを
望んだ今までは僕の身勝手
割れる前に供養

八十八色のクレパス
僕には少し多いけれど
本音が汚れた世界で
覚えた僕の唯一できること

言葉で 音楽で
今この瞬間もまさに 震わせるよ
きっと君のその鼓膜まで
辿り着くなら

もしも 誰かになれたとしても
あいつみたいに上手に生きられないから
それでも僕は願っていたいんだ
せめて この舞台の幕が下りて
袖に捌けるまで

「愛してる」「大好き」って
そんな薄っぺらい歌が
今日も街を賑わすから
たまには僕も零してみたいんだ

さぁ笑って 胸を張って
誰にも望まれぬ歌を
君が気付かずに聴くから
今まだ僕も消えずに残ってる

それなら叫ばせて
一世一代の場所で 演じ切るよ
きっと誰か知ってくれるだろう
こんな愚かな僕のこと

消えないでいるよ

歌が終わるまで

「ねぇ 好きだよ」
……いや冗談だよ
本気にした?

誰もが 祝福される
そんな世界なら

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